2026.07.30

胸やけや胃の不快感は何が原因なのでしょうか?食道裂孔ヘルニアとの関係

カテゴリ: 健康通信
胸やけや胃の不快感は何が原因なのでしょうか?食道裂孔ヘルニアとの関係

「食後になると胸やけがする。」
「胃がムカムカして気持ち悪い。」
「げっぷが増えたり、胃酸が上がってくるような感じがする。」

このような症状が続くと、「胃の調子が悪いだけだろう」「胃薬を飲めばそのうち良くなるかもしれない」と考える方も少なくありません。

実際に、胸やけや胃の不快感は食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎などによって引き起こされることがあります。しかし、同じような診断を受けても症状の強さや現れ方には個人差があり、薬を服用しても十分な改善が得られず、長年悩み続けている方もいらっしゃいます。

このような場合には、胃や食道だけに目を向けるのではなく、症状がどのような時に現れるのか、そして身体全体の状態を総合的に評価することも大切です。

このコラムでは、胸やけや胃の不快感の原因として知られる食道裂孔ヘルニアとはどのような状態なのか、そして当院ではどのような視点で身体を評価しているのかについて解説していきます。

■食道裂孔ヘルニアとはどのような状態なのでしょうか?

食道裂孔ヘルニアとは、本来お腹の中にある胃の一部が、横隔膜にある「食道裂孔」という穴から胸の方へ入り込んでしまう状態をいいます。

通常、食道は胸からお腹へ向かい、横隔膜にある食道裂孔を通って胃へとつながっています。横隔膜は呼吸を助ける筋肉として知られていますが、この食道裂孔の周囲では胃が本来の位置に保たれる役割も担っています。

しかし、何らかの理由でこの部分が緩んだり、腹圧が繰り返しかかったりすると、胃の一部が横隔膜より上へ押し上げられ、食道裂孔ヘルニアが起こることがあります。

食道裂孔ヘルニアになると、胃と食道の境目にある逆流防止機能が十分に働きにくくなるため、胃酸が食道へ逆流しやすくなります。その結果、胸やけや胃の不快感、げっぷ、呑酸(酸っぱいものや苦いものが込み上げてくる感じ)、食後のつかえ感など、さまざまな症状が現れることがあります。

また、食後に前かがみの姿勢をとった時や、横になった時に症状が強くなる方も少なくありません。夜間に胸やけで目が覚めたり、「胃の調子が悪い」「胸が焼けるように熱い」と感じて医療機関を受診される方もいらっしゃいます。

食道裂孔ヘルニアは加齢や肥満、妊娠、慢性的な咳、重い物を持つ機会が多いことなど、腹圧が繰り返しかかることで起こりやすくなると考えられています。一方で、症状がほとんどないまま健康診断などで偶然見つかる方も少なくありません。

しかし、同じ食道裂孔ヘルニアと診断されても、症状の程度や日常生活への影響には大きな個人差があります。強い胸やけによって食事を楽しめなくなる方もいれば、胃薬を飲んでも十分な改善が得られず、長期間にわたって胃の不快感に悩まされる方もいらっしゃいます。

つまり、食道裂孔ヘルニアという診断名だけでは、その方がどのような症状で困っているのかまでは分かりません。そのため、症状が現れるタイミングや日常生活への影響まで含めて考えていくことが大切になります。

■胸やけや胃の不快感は胃だけを見ればよいのでしょうか?

胸やけや胃の不快感が続くと、多くの方は「胃に原因がある」と考えます。そのため、胃カメラや薬による治療を受けながら経過をみている方も少なくありません。

もちろん、食道裂孔ヘルニアや逆流性食道炎など、胃や食道そのものの状態を確認することは非常に重要です。しかし、同じ診断を受けていても症状の強さや現れ方は一人ひとり異なります。

例えば、「食後だけ胸やけが起こる方」「横になると症状が強くなる方」「朝起きた時から胃の不快感がある方」「げっぷが頻繁に出る方」など、その症状の現れ方はさまざまです。

このような違いは、身体の状態を知るための大切な手がかりになります。

そのため、「胸やけがある」「胃がムカムカする」という症状だけではなく、「いつ症状が出るのか」「どのような姿勢で悪化するのか」「何をすると楽になるのか」といった経過まで丁寧に確認することが重要です。

一方で、胃カメラやCTなどの画像検査は、食道や胃の状態を確認するための大切な検査です。しかし、画像だけでは「食後に悪化する」「横になると胸やけが強くなる」「仕事中に胃の不快感が続く」といった、日常生活の中でどのように症状が現れているのかまでは分かりません。

つまり、画像検査の結果だけを見るのではなく、患者様がどのような場面で困っているのか、そして身体全体の状態をあわせて評価することで、その方にとってより適したケアにつながることがあります。

胸やけや胃の不快感がなかなか改善しない場合には、「胃の病気だから」と考えるだけではなく、症状がどのような時に現れ、どのような経過をたどっているのかという視点から身体全体を確認していくことも大切です。

■胸やけや胃の不快感が続くからといって、諦める必要はありません

胸やけや胃の不快感が長く続くと、「胃薬を飲み続けるしかない」「年齢のせいだから仕方がない」と考えてしまう方も少なくありません。

また、医療機関で食道裂孔ヘルニアと診断され、薬によって一時的に症状が和らいだとしても、服用をやめると再び胸やけや胃の不快感が現れ、不安を抱えながら生活している方もいらっしゃいます。

しかし、症状が長く続いているからといって、改善の可能性まで失われたわけではありません。

大切なのは、「食道裂孔ヘルニアだから仕方がない」と考えるのではなく、ご自身の身体がどのような状態にあり、どのような時に症状が現れているのかを丁寧に確認することです。

当院では、問診で症状の経過や日常生活でのお悩みを詳しく伺い、姿勢、関節の状態、体表温度、レントゲンなどの情報を組み合わせながら、身体全体を客観的に評価しています。

今回ご紹介した患者様も、胸やけや胃の不快感が長期間続き、医療機関で食道裂孔ヘルニアと診断されていました。身体全体の状態を丁寧に評価したうえでカイロプラクティックケアを継続した結果、胸やけや胃の不快感が改善し、薬を服用しなくても日常生活を快適に送れるようになりました。

もちろん、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。しかし、「もう良くならないかもしれない」「この先も薬を飲み続けるしかない」と感じていた症状でも、身体の状態を客観的に評価することで、新たな改善への糸口が見つかることがあります。

食事を楽しみたい。
横になっても胸やけを気にせず眠りたい。
胃の不快感を気にすることなく、仕事や趣味に集中したい。

そのような毎日を取り戻すための第一歩として、一度ご自身の身体の状態を客観的に評価してみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介した内容と同じように、食道裂孔ヘルニアによる胸やけや胃の不快感でお悩みだった患者様が、どのような経過をたどって改善していったのかを症例報告で詳しくご紹介しています。

同じような症状でお困りの方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

▶【症例報告】食道裂孔ヘルニアによる胸やけと胃の不快感が改善した症例

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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