2026.10.08

圧迫骨折後の腰痛・足のしびれが続く?長年の痛みを身体全体から考える

カテゴリ: 健康通信
圧迫骨折後の腰痛・足のしびれが続く?長年の痛みを身体全体から考える

「圧迫骨折をしてから、腰の痛みがずっと続いている」
「腰だけでなく、お尻から足にかけて痛みやしびれが出るようになった」
「治療を受けると一時的に楽になるものの、しばらくするとまた痛みが戻ってしまう」

このように、過去のケガをきっかけに腰痛や下肢の痛み・しびれが長く続いている方は少なくありません。

特に、骨折などの外傷を経験した後は、「あのときのケガが原因だから、もう仕方がない」と考えてしまうこともあるでしょう。しかし、腰痛には脊椎や椎間板、神経、筋肉などさまざまな要因が関係する可能性があり、足のしびれも脊椎に関連するものだけでなく、末梢神経など別の要因によって起こることがあります。

また、圧迫骨折は骨折した部位そのものの痛みだけでなく、その後の身体の動きや負担のかかり方を考えるうえでも重要な既往歴です。圧迫骨折の診断にはレントゲンが用いられ、状態によってはCTやMRIなど追加の検査が必要になることもあります。

では、何年も続いている腰痛や足のしびれがあるとき、過去の外傷だけを見るのではなく、現在の身体の状態をどのように考えていけばよいのでしょうか。

このコラムでは、圧迫骨折後に長く続く腰痛や足のしびれについて、過去の外傷だけに原因を求めるのではなく、身体全体の状態や日常生活での負担にも目を向けながらお伝えしていきます。

■腰痛だけではない。足の痛みやしびれが起こるのはなぜ?

腰の痛みが続いていると、「腰の筋肉が硬くなっているから」「以前の骨折が原因だから」と考えることがあるかもしれません。しかし、腰痛は一つの原因だけで起こるとは限りません。

腰椎や椎間板、関節、筋肉など腰周辺の組織だけでなく、外傷や加齢に伴う変化など、さまざまな要因が関係することがあります。また、腰以外の病気が腰痛として現れる場合もあるため、長く続く痛みを自己判断だけで片付けないことが大切です。

さらに、腰の痛みに加えて、お尻や足に痛み・しびれがある場合には、腰から出ている神経や脊髄、馬尾神経などが関係している可能性があります。一方で、しびれは脊椎だけが原因とは限らず、脊椎から先の末梢神経の障害や、糖尿病などの内科的な病気によって起こることもあります。

そのため、「腰が痛いから足もしびれている」と単純に考えるのではなく、どこに痛みやしびれがあるのか、どのような動作で強くなるのか、いつから始まったのかなどを整理しながら、必要に応じて医療機関で原因を確認することが重要です。

特に、過去に腰椎の圧迫骨折などの外傷を経験している場合は、その既往歴も現在の身体の状態を考えるうえで重要な情報になります。脊椎の圧迫骨折は、強い外力によって起こる場合があり、診断にはレントゲンが用いられます。状態によってはCTやMRIなどの追加検査が必要になることもあります。

また、痛みやしびれによって歩ける距離が短くなったり、日常生活や仕事に支障が出たりする場合には、症状を我慢し続けるのではなく、身体の状態を改めて評価することが必要です。強い腰痛に下肢の痛みやしびれ、力が入りにくいなどの症状が伴う場合には、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが関係している可能性もあり、整形外科での適切な評価が勧められています。

長年続いている腰痛や足のしびれだからといって、「昔のケガだから仕方がない」と決めつける必要はありません。過去の外傷を一つの重要な情報として捉えながら、現在の脊椎や神経、筋肉、関節などがどのような状態にあるのかを確認していくことが、身体を理解する第一歩になります。

■過去の圧迫骨折だけで考えない。長引く腰痛は身体全体の状態を見る

圧迫骨折などの大きな外傷を経験すると、その後に腰痛が続いた場合、「以前の骨折が原因なのだろう」と考えるのは自然なことです。もちろん、過去の外傷は現在の身体を考えるうえで重要な情報の一つです。

しかし、長い年月が経過した後も痛みやしびれが続いている場合には、過去の出来事だけに目を向けるのではなく、現在の身体がどのような状態にあるのかを確認することも大切です。

私たちの身体は、脊椎だけで動いているわけではありません。骨盤や股関節、筋肉、関節などが互いに関わりながら身体を支え、立つ、歩く、座るといった日常の動作を行っています。さらに、仕事で重いものを持つ、長時間同じ姿勢をとる、歩く時間が増えるといった生活上の負担も、身体にかかるストレスの一部になります。

特に、痛みやしびれが長く続いている方では、「どこが痛いのか」だけを見るのではなく、身体の動きや左右差、関節の動き、筋肉の緊張などを含めて現在の状態を確認することで、身体にどのような負担がかかっているのかを考える手がかりになります。

カイロプラクティックでは、こうした身体全体の状態を評価することを大切にしています。前田カイロプラクティック藤沢院でも、視診検査、体表温度検査、静的触診、動的触診、必要に応じたレントゲン評価などを組み合わせ、身体の状態を確認します。

その中で、カイロプラクティックでは「サブラクセーション」という独自の概念を用いて、神経機能に影響を与える可能性のある状態がないかを評価します。ただし、サブラクセーションは医学的な病名や診断名ではなく、腰痛や足のしびれの原因をそれだけで説明できるものでもありません。

そのため、圧迫骨折の既往歴がある方や、足の痛み・しびれが続いている方の場合には、必要に応じて医療機関での検査や診断を受けたうえで、現在の身体の状態を考えていくことが重要です。

過去の外傷を「変えられない過去」として終わらせるのではなく、その経験を含めて、現在の身体にどのような負担がかかっているのかを見直してみる。長年続く腰痛やしびれについて考えるときには、そうした視点も身体を理解する一つの方法になります。

■長年の腰痛と足のしびれを抱えていた60代男性

過去に大きな外傷を経験し、その後も腰痛や足の痛み・しびれが長く続いている場合、現在の身体には、これまで積み重なってきたさまざまな負担が存在している可能性があります。

神奈川県鎌倉市から来院された60代男性も、40代の頃にパラグライダー中の落下によって腰椎の圧迫骨折と左下腿骨骨折を経験していました。それ以降、腰の痛みに加えて左臀部から左下肢にかけて痛みやしびれを繰り返すようになり、痛みが強くなるたびに医療機関を受診したり、さまざまなケアを受けたりしていました。

しかし、一時的に楽になっても痛みを繰り返し、次第に症状は強くなっていきました。仕事では設備工事に携わり、重いものを扱う機会も多かったため、腰への負担を抱えながら生活を続けていました。やがて、歩くと左脚の外側に痛みが出て休まなければならず、夜間も痛みで目が覚めるほど、日常生活や仕事にも影響する状態となっていました。

初診時には、腰部から仙骨周辺の状態、腰部の筋肉の緊張、左側の仙腸関節の動きなどを確認しました。また、過去に圧迫骨折を経験していることから、レントゲンによって脊椎の状態も評価しています。

このように長い経過を持つ身体では、現在みられている症状だけを見るのではなく、過去の外傷や仕事などによる身体への負担も含めて、現在の身体がどのような状態にあるのかを確認することが重要です。

この男性も、身体全体を評価したうえでケアを続ける中、腰から左下肢にかけての痛みや歩行時の負担、夜間の痛みなどに変化がみられました。その後も仕事で身体を使う生活を続けながら状態は安定し、現在も定期的な身体のケアを継続しています。

ただし、こうした変化を過去の圧迫骨折や脊椎の状態だけで説明したり、カイロプラクティックによるケアだけが改善の要因だったと断定したりすることはできません。長期間続く腰痛や足のしびれでは、過去の外傷、現在の身体の状態、日常生活や仕事による負担など、さまざまな情報を整理して考えることが大切です。

「昔の骨折が原因だから、もう仕方がない」と考えてしまうと、現在の身体に目を向ける機会を失ってしまうことがあります。過去の外傷を重要な既往歴として捉えながら、今の身体にどのような負担がかかっているのか、どのような状態になっているのかを改めて確認することも、長く続く腰痛や足のしびれを考えるうえで大切な視点です。

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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