首こり・肩こりとめまい・下痢が続く?複数の不調を身体全体から考える
「首こりや肩こりが長年続いている」
「肩こりだけでなく、頭痛やめまいまで気になるようになった」
「疲れると身体の調子を崩しやすく、お腹の状態まで変化してきた」
このように、一つの不調だけではなく、身体のさまざまな場所に気になる症状が重なってくると、「それぞれ別の問題なのだろうか」と考える方もいるかもしれません。
実際、首や肩のこりは長時間のデスクワークや同じ姿勢など、日常生活の影響を受けることがあります。一方で、めまいには内耳や脳などさまざまな原因があり、メニエール病のように耳鼻咽喉科での検査や治療が必要な病気もあります。
また、月経痛についても、子宮内膜でつくられるプロスタグランジンなどが関係しており、婦人科で適切に評価することが大切です。
では、首こり・肩こり、頭痛、めまい、お腹の不調、生理に伴う不調など、複数の悩みが同時にあるとき、私たちは自分の身体をどのように捉えればよいのでしょうか。
もちろん、これらの症状をすべて一つの原因で説明できるわけではありません。それぞれに異なる原因や身体の仕組みが関係している可能性があります。
一方で、私たちの身体は、筋肉や関節だけでなく、脳や神経、内臓、ホルモンなどさまざまな機能が関わり合いながら働いています。そのため、一つの症状だけに目を向けるのではなく、これまでの身体の負担や生活環境、現在の身体の状態まで含めて考えることも大切です。
このコラムでは、首こり・肩こりをきっかけに、めまいや頭痛、お腹の不調など複数の悩みを抱えていた20代女性のケースをもとに、症状を一つずつ切り離すのではなく、身体全体の状態を知るという視点についてお伝えしていきます。
■首こり・肩こりが続くと、なぜ頭痛まで気になるのか
首や肩のこりは、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、同じ姿勢を続けることなど、日常生活のさまざまな場面で起こります。
首や肩周辺には、頭を支えたり、腕や肩を動かしたりするための多くの筋肉があります。特に長時間同じ姿勢を続けていると、筋肉が一定の長さのまま働き続けることになり、筋肉への負担が積み重なることがあります。
また、首は頭と身体をつなぐ部分でもあります。頭の位置が変化すると、それを支えるために首や肩周辺の筋肉が働き、姿勢や動作に合わせて細かな調整を行っています。
そのため、首や肩に負担がかかる状態が長く続くと、「首が重い」「肩が張る」「動かしにくい」といった感覚につながることがあります。
さらに、首や肩の痛みやこりと頭痛が同時にみられることもあります。頭痛にはさまざまな種類があり、首や肩周辺の筋肉や筋膜などの状態が関係する頭痛もあります。一方で、頭痛には片頭痛など別の仕組みで起こるものもあるため、「肩こりがあるから頭痛が起きている」と一つの原因に決めつけることはできません。
特に、これまで経験したことのない突然の強い頭痛、発熱を伴う頭痛、手足の麻痺や言葉が出にくいなどの神経症状を伴う頭痛などの場合には、単なる肩こりによるものと考えず、早めに医療機関で確認することが重要です。
首や肩のこりを考えるときに大切なのは、痛みや重さを感じている場所だけを見ることではありません。どのような姿勢で仕事をしているのか、同じ姿勢がどのくらい続いているのか、身体を動かす機会があるのかなど、日常生活の中で首や肩にどのような負担がかかっているのかを知ることも大切です。
そして、首や肩の状態だけでなく、頭痛やめまい、疲労感など別の不調が重なっている場合には、それぞれの症状について必要な評価を受けながら、身体全体の状態を整理していくことが重要になります。
首こり・肩こりは身近な不調だからこそ、「いつものこと」とそのままにせず、どのような負担が身体に積み重なっているのかを見直すことが、自分の身体を知る第一歩になります。
■首や肩だけを見ない。複数の不調があるときに身体全体を考える理由
首こりや肩こりが長く続いていると、どうしても「首や肩に問題がある」と考えがちです。しかし、同じ時期に頭痛やめまい、疲労感、お腹の不調など、ほかの症状も重なっている場合には、それぞれを一つずつ切り離して考えるだけではなく、生活習慣や身体全体の状態にも目を向けることが大切です。
もちろん、複数の症状があるからといって、すべてに共通する一つの原因があるとは限りません。例えば、めまいには耳や神経系などさまざまな原因があり、メニエール病のように医療機関での検査や治療が必要な場合もあります。また、下痢が続く場合にも、感染症、薬剤、消化器の病気などさまざまな原因が考えられます。
だからこそ、「自律神経が乱れているから、すべての症状が起きている」と単純に考えるのではなく、それぞれの症状を適切に評価することが基本になります。
その一方で、私たちの身体には、呼吸や心拍、消化、体温調節など、意識しなくても自動的に調整されている機能があります。こうした働きには自律神経も関わっており、身体が環境の変化に適応しながら機能を維持するうえで重要な役割を担っています。
仕事が忙しく睡眠が不足している、長時間同じ姿勢が続いている、運動する時間が少ないなど、日常生活の負担が重なれば、身体の感じ方やコンディションにも影響することがあります。
そこでカイロプラクティックでは、症状のある場所だけを確認するのではなく、身体全体の状態を評価するという考え方があります。
前田カイロプラクティック藤沢院では、視診検査、体表温度検査、静的触診、動的触診、必要に応じたレントゲン評価などを組み合わせながら、身体の状態を確認します。
カイロプラクティックでは、その評価の中で神経機能に影響する要因の一つとして「サブラクセーション」という独自の概念を用います。ただし、サブラクセーションは医学的な診断名ではなく、めまいや下痢、生理痛などの原因そのものを意味するものでもありません。
また、アジャストメントによって複数の症状を直接治療するという考え方でもありません。身体の状態を評価し、神経機能に影響する要因がある場合には、それに対してアプローチすることで、身体が本来持っている調整機能が働きやすい環境を考えていくことが、カイロプラクティックの一つの考え方です。
大切なのは、「首こりだから首だけ」「めまいだから耳だけ」というように、症状の場所だけで身体を捉えないことです。
一方で、何でも一つの原因に結びつける必要もありません。医療機関で確認すべき症状は適切に評価しながら、生活習慣、身体の使い方、筋肉や関節、神経機能など、さまざまな視点から現在の身体の状態を整理していく。
複数の不調が重なっているときこそ、このように「一つの原因を探す」のではなく、「今の身体がどのような状態にあるのかを知る」という視点が重要になります。
■首こり・肩こりだけではなかった20代女性の身体の負担
首こりや肩こりが長く続いている方の中には、それだけでなく、頭痛やめまい、お腹の不調、月経に伴う症状など、複数の変化を感じている方もいます。こうしたとき、すべてを一つの原因で説明しようとするのではなく、それぞれの症状について必要な医療的評価を受けながら、日常生活やこれまでの身体の負担も含めて全体を見ていくことが大切です。
実際に当院を訪れた20代女性も、長年の首こり・肩こりに加えて、頭痛やめまい、下痢、月経痛やPMSなど、いくつもの身体の変化を感じていました。
学生時代から長時間の座位による首や肩のこりがあり、仕事を始めてからはデスクワークによる負担も重なっていました。また、過去には腰を痛めた経験があり、その後も腰の重さを感じることがありました。さらに、めまいについては医療機関でメニエール病と診断されており、月経に伴う症状についても婦人科で相談し、治療を受けていました。
このように、身体に現れている不調が多岐にわたる場合には、「首が悪いからすべての症状が起きている」「自律神経が乱れているからすべて説明できる」と単純に考えることはできません。それぞれの症状には異なる背景が関係している可能性があるため、必要に応じて医療機関での評価を受けることも重要です。
当院では、症状がある部位だけを見るのではなく、視診検査、体表温度検査、静的触診、動的触診、必要に応じたレントゲン評価などを行い、身体全体の状態を評価します。その中で、カイロプラクティック独自の考え方であるサブラクセーションが神経機能に影響する状態として存在していないかを確認し、身体の状態に応じて施術を検討します。
この女性も、身体全体を評価したうえでケアを続ける中、首や肩の負担だけでなく、めまいやお腹の状態などにも変化がみられました。ただし、こうした変化をすべてカイロプラクティックだけによるものと断定することはできません。医療機関での診断や治療を含め、それぞれの身体の状態を総合的に見ていくことが大切です。
首こりや肩こりが長く続き、ほかにも気になる身体の変化がある場合は、「症状が出ている場所だけが問題なのか」と一度考えてみることも、身体を知るきっかけになります。一つの原因に決めつけるのではなく、それぞれの症状と身体全体の状態を整理していくことが、自分自身の身体を理解する第一歩になるかもしれません。
▶首こり・肩こり、めまい、下痢などの変化について詳しく紹介した症例報告はこちら
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。


