2026.06.19

長時間座ると腰が痛くなるのはなぜ?座り方だけではない本当の理由とは

長時間座ると腰が痛くなるのはなぜ?座り方だけではない本当の理由とは

「長時間座っていると腰が痛くなる。」

デスクワークや長時間の運転、会議などで、このような経験をされたことはありませんか。

「立っているときは平気なのに、座っていると徐々に腰が重くなる」「立ち上がる瞬間に腰が伸びない」「少し歩くと楽になる」といったお悩みを抱えて来院される方は少なくありません。

多くの方は、「座り方が悪いから」「長時間座っているから仕方がない」と考えています。もちろん、同じ姿勢を続けることが身体へ負担をかけるのは事実です。

しかし、少し考えてみてください。同じように長時間デスクワークをしていても腰痛になる方もいれば、まったく気にならない方もいます。もし「座ること」だけが原因なのであれば、この違いを説明することはできません。

つまり、本当に考えるべきなのは「長時間座っていた」という結果ではなく、なぜ座ると腰へ負担が集中してしまう身体の状態になっているのかということです。

では、なぜ座っているだけで腰が痛くなるのでしょうか。そして、なぜ同じように座っていても腰痛になる人とならない人がいるのでしょうか。

今回のコラムでは、長時間座ると腰が痛くなる理由と、その背景にある身体の仕組みについて解説していきます。

 

■ 腰痛の原因は、「座ること」よりも「動けなくなること」にあります

「長時間座ると腰が痛くなる」と聞くと、多くの方は「座り過ぎが原因なんだ」と考えます。しかし、私たちは単純に座ることだけが腰痛の原因とは考えていません。

人間の身体は、立つ、歩く、振り返る、しゃがむといったさまざまな動きを繰り返しながら生活するようにできています。歩いているときは骨盤や股関節、背骨が連動して動き、それぞれの関節や筋肉へ負担が分散されるため、一か所だけに大きな負担が集中しにくい仕組みになっています。

ところが、デスクワークや長時間の運転などで同じ姿勢を続けると、骨盤や腰椎の動きは徐々に少なくなります。動きが制限された状態では、本来であれば分散されるはずの負担が同じ場所へかかり続けるため、関節や筋肉は少しずつ柔軟性を失い、身体は固まりやすくなっていきます。

映画館で長時間座ったあとや、新幹線で長距離を移動したあとに、「腰が固まった」「立ち上がると身体が動かしにくい」と感じることがあるのも、このような仕組みが関係していると考えられます。

つまり、長時間座ったときの腰痛は、「座る」という行為そのものが問題なのではなく、身体が本来持っている「動き」が失われ、腰へ負担が集中しやすい状態になっていることが関係している可能性があります。

では、なぜ同じように長時間座っていても、腰痛になる人とならない人がいるのでしょうか。その違いを理解するためには、身体全体でどのように負担を分散しているのかを知ることが大切です。

■ なぜ立ち上がる瞬間に腰が痛くなるのでしょうか

長時間座ったあとに、「立ち上がる瞬間が一番つらい」「最初の数歩だけ腰が痛い」という経験をされた方は少なくありません。しかし、不思議なことに、そのまま少し歩いていると腰が動きやすくなり、痛みが和らぐ方もいらっしゃいます。

これは、長時間同じ姿勢を続けることで、骨盤や股関節、腰椎を支える筋肉や関節の動きが徐々に少なくなっていることが関係していると考えられます。

本来、立ち上がるという動作は、骨盤、股関節、腰椎、胸椎などが互いに連動しながら行われます。どこか一か所だけが働くのではなく、それぞれの関節が少しずつ動きを分担することで、一つの場所へ負担が集中しないようになっています。

しかし、長時間座り続けることで身体の動きが低下すると、この連動がうまく働きにくくなります。その状態で立ち上がろうとすると、本来は全身で分散されるはずだった負担を腰が補わなければならなくなり、立ち上がる瞬間の痛みや違和感として現れることがあります。

一方で、歩き始めると骨盤や股関節、背骨が再び動き始めます。歩行によって各関節が連動し、筋肉もリズムよく収縮と弛緩を繰り返すため、身体全体で負担を分散しやすくなります。その結果、立ち上がった直後よりも腰が動かしやすくなり、「少し歩くと楽になる」と感じる方が少なくないのです。

しかし、ここで一つ疑問が生まれます。同じように長時間座っていても、腰痛になる方とならない方がいるのはなぜでしょうか。

その違いは、座っている時間の長さだけでは説明できません。身体が本来持っている「負担を分散する仕組み」が十分に働いているかどうかによって、同じ座位でも腰へ集中する負担の大きさは変わってきます。

だからこそ、「長時間座っていたから腰が痛くなった」と考えるだけではなく、「なぜ自分の身体は腰へ負担が集中しやすい状態になっているのか」という視点で身体全体を見ていくことが大切なのです。

■ 本当に大切なのは、「長時間座らないこと」ではなく、「腰へ負担が集中する理由」を知ることです

長時間座ると腰が痛くなると、「もっと姿勢を良くしなければ」「できるだけ座る時間を減らそう」と考える方は少なくありません。もちろん、適度に身体を動かすことはとても大切です。しかし、それだけで根本的な問題が解決するとは限りません。

私たちの身体は、骨盤や股関節、背骨が互いに連動しながら、重力による負担を全身へ分散するようにできています。また、その一つひとつの動きは、脳が神経を介して筋肉や関節から送られてくる情報を処理し、絶えずコントロールしています。

そのため、長時間座ったときに腰だけへ負担が集中してしまうのであれば、「座っていたこと」だけではなく、「身体全体で負担を分散しにくい状態になっているのではないか」という視点で考えることが大切です。

だからこそ、カイロプラクティックでは「腰が痛いから腰だけを見る」という考え方はしません。当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価を組み合わせながら、神経系の働きや骨盤・股関節・背骨を含めた身体全体の状態を総合的に評価しています。腰痛という結果だけではなく、「なぜ腰へ負担が集中する身体になっているのか」という背景まで確認することを大切にしているからです。

私たちが目指しているのは、長時間座っても無理に姿勢を意識し続けなければならない身体ではありません。身体全体が本来のバランスを保ち、それぞれの関節が協調して働くことで、一か所へ負担が集中しにくい状態を目指すことです。その結果として、デスクワークや長時間の運転などでも、腰への負担を分散しやすい身体づくりにつながると私たちは考えています。

長時間座ったときの腰痛は、「座り過ぎだから仕方がない」と片付けられるものではなく、身体からの大切なサインかもしれません。

ぜひ日々の健康維持のために、カイロプラクティックケアを役立ててみてください。

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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