2026.06.30

神経は痛みを伝えるだけじゃない?身体をコントロールする神経の働きとは

神経は痛みを伝えるだけじゃない?身体をコントロールする神経の働きとは

「神経が原因ですね。」

病院や治療院などで、このように言われたことはありませんか。しかし、「神経」と聞くと、多くの方は「神経痛」や「神経が圧迫されている」「痛みを伝えるもの」といったイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。

もちろん、それも神経の大切な役割の一つです。しかし実際には、神経の働きはそれだけではありません。

私たちが歩くこと、手足を動かすこと、呼吸をすること、食べたものを消化すること、体温を一定に保つこと、眠っている間に身体を回復させることなど、生命を維持するために欠かせない働きのほとんどは、脳と神経による情報伝達によってコントロールされています。つまり、人間の身体は「神経が痛みを伝えている」のではなく、「神経によって身体全体がコントロールされている」と言っても過言ではありません。

神経は、私たちが意識して身体を動かすときだけではなく、眠っている間も休むことなく働き続けています。そのため、神経が担っている役割を知ることは、自分自身の身体を理解するうえでも、とても大切なことです。

では、神経は身体の中でどのような役割を担い、なぜカイロプラクティックでは神経の働きをこれほど大切に考えているのでしょうか。

今回のコラムでは、神経が身体の中で果たしている役割と、健康との深い関係について解説していきます。

 

■ 神経は、身体中の情報をやり取りする「情報伝達ネットワーク」です

私たちは普段、立つ、歩く、物を持つ、食事をするといった動作を、ごく当たり前のように行っています。しかし、これらは筋肉や骨だけが働いているわけではありません。

例えば、コップを持ち上げるという何気ない動作でも、脳は「腕を伸ばす」「指を開く」「力を入れて握る」といった指令を瞬時に送り続けています。同時に、手や指、関節、筋肉からは「どのくらい力が入っているのか」「物をしっかり持てているのか」といった情報が神経を通して脳へ送り返されています。脳はその情報を絶えず処理しながら、次の指令を出すことで、私たちは思い通りに身体を動かすことができるのです。

このように、神経は脳から身体へ命令を伝えるだけではありません。身体の状態を脳へ伝え、脳がその情報をもとに判断を繰り返すという、双方向の情報伝達を担っています。そのため、神経は「電線」のように一方通行で情報を流しているのではなく、脳と身体を結ぶ情報ネットワークとして24時間365日働き続けています。

また、この情報伝達は身体を動かすためだけに行われているわけではありません。呼吸や心拍、血圧、体温調節、消化・吸収、ホルモン分泌、免疫機能など、私たちが意識しなくても生命を維持できるのは、自律神経をはじめとする神経系が休むことなく働き続けているからです。

つまり、「神経=痛みを伝えるもの」というイメージは、神経が担っている役割のほんの一部に過ぎません。神経は、身体を動かすことも、身体を守ることも、健康を維持することも支えている、生命活動の中心となる情報伝達システムなのです。

では、この神経による情報伝達は、どのようにして私たちの健康を支えているのでしょうか。そして、なぜカイロプラクティックでは神経機能をこれほど重視しているのでしょうか。

■ 神経が正しく働くことで、身体は本来の力を発揮できます

私たちの身体には、およそ37兆個もの細胞が存在するといわれています。筋肉や骨、皮膚、内臓など、それぞれ異なる役割を担っていますが、それらが勝手に働いているわけではありません。

例えば、運動をすれば心拍数が上がり、呼吸は速くなります。食事をすれば胃や腸が働き始め、眠れば成長ホルモンが分泌され、傷ができれば自然と修復が始まります。細菌やウイルスが侵入すれば免疫機能が働き、体温も一定に保たれるよう調整されています。

このような生命活動は、それぞれが独立して起きているのではありません。身体のあらゆる場所から神経を通じて脳へ情報が送られ、脳はその情報をもとに「今の身体に何が必要なのか」を瞬時に判断し、再び神経を介して全身へ指令を送り続けています。

つまり、私たちの身体は、「脳が考え、神経が伝え、身体が反応する」という一連の情報伝達によって成り立っています。この仕組みが円滑に働いているからこそ、私たちは意識しなくても呼吸を続け、身体を動かし、眠っている間も回復しながら健康を維持することができるのです。

もちろん、すべての病気や症状が神経だけで説明できるわけではありません。しかし、神経系は身体全体をコントロールしている重要なシステムであり、その働きが十分に発揮されることは、本来備わっている身体の機能を維持するうえで欠かせない要素の一つです。

だからこそ、カイロプラクティックでは「どこが痛いのか」という結果だけではなく、「神経系が本来の働きを十分に発揮できる身体の状態なのか」という視点を大切にしています。そこが、痛みだけではなく身体全体を考えるカイロプラクティックの大きな特徴の一つです。

■ 神経が本来の働きを発揮できることが、健康を支える土台になります

私たちは、「健康」というと、痛みがないことや病気ではないことを思い浮かべるかもしれません。しかし、人間の身体はそれほど単純なものではありません。

心臓を動かすこと、呼吸を続けること、食べたものを消化・吸収すること、傷ついた組織を修復すること、細菌やウイルスから身体を守ることなど、私たちが健康に生活するために必要な働きは、すべて脳と神経による情報伝達の上に成り立っています。つまり、神経は単に痛みを伝えるためのものではなく、身体が本来持っている働きを支える重要な情報伝達システムなのです。

だからこそ、カイロプラクティックでは「痛みがある場所」だけを見ることはありません。神経が身体全体へ正しく情報を伝えられる状態なのか、そして身体から脳へ送られる情報に影響を及ぼしている要因はないのかという視点を大切にしています。

そのため当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価を組み合わせ、それぞれ異なる角度から身体全体を総合的に評価しています。一つの検査だけでは分からないことでも、複数の検査結果を照らし合わせることで、その人の身体で何が起きているのかをより詳しく把握することができます。

私たちが目指しているのは、多くの場所をアジャストメントすることではありません。本当に問題となっているサブラクセーションをできる限り正確に特定し、神経が本来の働きを発揮しやすい状態を目指すことです。そして、その結果として、その人が生まれながらに持っている自然治癒力を十分に発揮できる身体づくりを大切にしています。

神経は、痛みを伝えるためだけに存在しているわけではありません。私たちが毎日健康に生活できるよう、24時間365日休むことなく身体を支え続けています。

ぜひ日々の健康維持のために、カイロプラクティックケアを役立ててみてください。

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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