2026.07.27

更年期は誰にでも訪れるもの。だからこそ知っておきたい身体の変化と向き合い方

カテゴリ: 健康通信
更年期は誰にでも訪れるもの。だからこそ知っておきたい身体の変化と向き合い方

「最近、疲れやすくなった。」
「些細なことでイライラしてしまう。」
「肩こりや関節の違和感、ほてりなど、今までになかった不調を感じるようになった。」

40代後半から50代にかけて、このような身体の変化を感じ始める方は少なくありません。「もしかして更年期かもしれない」と不安になる一方で、「年齢のせいだから仕方がない」と我慢してしまう方も多いのではないでしょうか。

更年期は、病気ではなく、女性であれば誰にでも訪れるライフステージの一つです。しかし、更年期を迎える年齢は同じような時期でも、症状がほとんど気にならない方もいれば、日常生活に影響が出るほどつらい症状に悩まれる方もいます。

この違いは、女性ホルモンの変化だけで説明できるものではありません。近年では、脳や自律神経、睡眠、ストレス、生活習慣など、身体全体の働きが複雑に関係していることが分かってきています。

更年期は「不調が始まる時期」と考えるのではなく、ご自身の身体と向き合い、これからの健康づくりを見直すきっかけにもなる大切な時期です。

今回のコラムでは、更年期に身体の中でどのような変化が起きているのか、なぜ症状に個人差があるのか、脳や自律神経との関係、そしてカイロプラクティックの視点からお伝えします。

■ 更年期は、女性の身体が新しいステージへ移行する大切な時期です

更年期とは、閉経をはさんだ前後約10年間を指し、一般的には45~55歳頃に迎えることが多いとされています。この時期には卵巣の働きが少しずつ変化し、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が大きく揺らぎながら減少していきます。

エストロゲンは、月経や妊娠に関わるだけではなく、骨の健康、血管のしなやかさ、皮膚のうるおい、筋肉、関節、脳、自律神経など、全身のさまざまな働きに関わっています。そのため、ホルモンバランスが変化する更年期には、ほてりや発汗、肩こり、疲れやすさ、睡眠の質の低下、気分の落ち込み、関節の違和感など、多岐にわたる症状が現れることがあります。

一方で、更年期を迎えたすべての女性に強い症状が現れるわけではありません。ほとんど気にならないまま過ごされる方もいれば、仕事や家事、趣味など日常生活に影響を感じる方もいます。

また、更年期に感じる不調がすべて更年期症状とは限りません。甲状腺疾患や貧血など、ほかの病気が隠れていることもあるため、気になる症状が続く場合には医療機関で適切な検査を受けることも大切です。重大な病気がないことを確認できることは、安心して身体と向き合うための第一歩になります。

更年期は、女性であれば誰にでも訪れる自然な身体の変化です。しかし、「エストロゲンが減ったから不調になる」という説明だけでは、一人ひとり症状の現れ方が異なる理由までは十分に説明できません。同じ年代でも症状に大きな差があるのはなぜなのでしょうか。その背景には、女性ホルモンだけではなく、脳や自律神経を含めた身体全体の働きが深く関係していると考えられています。

■ 同じ更年期でも症状が違うのはなぜ?脳と自律神経から考える身体の仕組み

更年期について調べると、「女性ホルモンが減ることで不調が起こる」と説明されることが多くあります。もちろん、エストロゲンの変化は更年期症状を考えるうえで大切な要素です。しかし、それだけでは一人ひとり症状の現れ方が異なる理由を十分に説明することはできません。

例えば、同じ年代で同じように閉経を迎えても、ほとんど症状を感じない方もいれば、ほてりや発汗、不眠、肩こり、気分の落ち込みなど、複数の症状に悩まされる方もいます。この違いは、女性ホルモンの量だけではなく、身体全体がどのように変化へ適応しているかも関係していると考えられています。

女性ホルモンの分泌を調節しているのは、脳の視床下部です。視床下部は、自律神経の中枢として、体温、睡眠、食欲、血圧、発汗、ストレスへの反応など、生命を維持するために欠かせない働きを24時間休むことなく調整しています。

更年期には、エストロゲンの分泌が大きく変化することで、視床下部にもこれまでとは異なる調整が求められます。その影響から、自律神経のバランスが乱れやすくなり、ほてりやのぼせ、発汗、動悸などの血管運動神経症状だけでなく、睡眠の質の低下や疲労感、気分の変化など、さまざまな不調につながることがあります。

近年では、脳・自律神経・ホルモン・免疫は、それぞれが独立して働いているのではなく、互いに情報をやり取りしながら身体の状態を調整していることが分かってきています。この仕組みは「神経・内分泌・免疫ネットワーク」と呼ばれ、身体が環境の変化へ適応するために重要な役割を担っています。

つまり、更年期は単に「女性ホルモンが減る時期」ではなく、身体全体が新しいバランスへ適応しようとしている時期ともいえます。そのため、睡眠やストレス、運動習慣、栄養状態などの生活環境も、更年期症状の感じ方に影響を与える可能性があります。

このように考えると、更年期の不調を一つの原因だけで捉えるのではなく、脳と身体がどのように情報をやり取りしながら全身のバランスを保っているのかという視点から身体を見つめることも大切ではないでしょうか。

■ カイロプラクティックは、更年期そのものではなく「身体をコントロールする仕組み」に着目します

更年期は、女性であれば誰にでも訪れる自然な身体の変化です。そのため、「更年期をなくす」「女性ホルモンを元に戻す」といったことを目的とするものではありません。

私たちが大切にしているのは、更年期という時期を迎えた身体が、本来持っている働きを十分に発揮できる状態にあるかどうかという視点です。

身体をコントロールしているのは脳です。脳は、皮膚や筋肉、関節、内臓など全身から送られてくる情報を神経を介して受け取り、「今の身体の状態」を常に把握しています。そして、その情報をもとに自律神経や内分泌系(ホルモン)、血液循環、筋肉の緊張などを細かく調整し、身体のバランスを保っています。

更年期には、女性ホルモンの変化に対応するため、脳や自律神経にもこれまで以上に細かな調整が求められます。だからこそ、脳と身体の間で情報が円滑にやり取りされていることが大切だと私たちは考えています。

私たちカイロプラクターは、この神経伝達を妨げているサブラクセーション(根本原因)がないかを確認するために、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価という5つの検査を組み合わせています。

検査の目的は、多くの場所をアジャストメントすることではありません。本当に必要な部位を正確に見極めることです。複数の検査結果を照らし合わせながらサブラクセーション(根本原因)を特定し、本当に必要な場所だけをアジャストメントすることで、脳と身体が円滑に情報をやり取りし、その人が本来持っている自然治癒力を十分に発揮できる状態を目指しています。

カイロプラクティックは、更年期症状を直接治療したり、女性ホルモンを増やしたりするものではありません。しかし、身体全体を評価し、神経伝達を重視することで、人生の大きな節目である更年期を健やかに過ごすための身体づくりをサポートしたいと考えています。

更年期は「我慢するしかない時期」ではなく、ご自身の身体の変化と向き合う大切なタイミングです。症状だけを見るのではなく、身体全体を評価し、一人ひとりに合わせたケアを考えていくことが、これからの健康につながるのではないでしょうか。

更年期は、女性であれば誰にでも訪れる自然なライフステージです。しかし、その時期をどのように過ごすかは、一人ひとりの身体の状態によって異なります。

「年齢のせいだから」と我慢するのではなく、ご自身の身体がどのような状態にあるのかを知り、これから先も健康に過ごすための身体づくりを考えることが大切です。

身体の状態を正しく知ることが健康への第一歩になるかもしれません。

藤沢市で更年期によるお身体の変化や婦人科系のお体の不調に悩まれている方からも多くご相談をいただいています。ご自身の身体について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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