2026.09.12

更年期になってから「めまい」が増えたのはなぜ?自律神経と身体の変化から考えるめまい

カテゴリ: 健康通信
更年期になってから「めまい」が増えたのはなぜ?自律神経と身体の変化から考えるめまい

「立ち上がったときに、ふわっとすることが増えた」
「以前は気にならなかったのに、最近めまいを感じるようになった」
「病院で検査を受けても大きな問題はないと言われたけれど、なぜか身体の調子がすっきりしない」

40代、50代になり、更年期を迎える頃から、このような変化を感じる女性がいます。めまいといっても、その感じ方はさまざまです。周囲がぐるぐる回るように感じることもあれば、身体がふわふわするような感覚、立ちくらみのような感覚、足元が不安定になるような感覚として現れることもあります。そのため、「めまいがする」という一言だけでは、その背景に何があるのかを判断することはできません。

特に更年期になると、ほてりや発汗、疲れやすさ、睡眠の変化など、これまでとは違った身体の変化を感じることがあります。そして、そうした変化とともにめまいが現れると、

「更年期だから仕方がない」
「ホルモンバランスが乱れているからだろう」

と考えて、そのまま我慢してしまう方もいるかもしれません。しかし、ここで一度考えてみたいことがあります。

更年期に起こるめまいを、ホルモンバランスだけで考えてよいのでしょうか?

私たちの身体は、ホルモンだけで働いているわけではありません。自律神経をはじめとする神経系は、体温や血圧、心拍、睡眠など、さまざまな身体の機能を調整しています。更年期という身体の変化が大きい時期に、睡眠や疲労、ストレス、生活リズムなどにも変化が重なると、「以前とは身体の調子が違う」と感じることがあります。

もちろん、めまいには耳や脳、血圧など、さまざまな原因が考えられます。突然の強いめまいや、ろれつが回らない、手足の麻痺・しびれ、激しい頭痛などを伴う場合には、早急に医療機関を受診することが大切です。

そのうえで、繰り返すめまいや身体の不調について考えるときには、症状が出ている場所だけではなく、自律神経を含めた身体全体の状態に目を向けることも大切なのではないでしょうか。

「なぜ更年期になってから、めまいを感じるようになったのか?」
その答えは、ホルモンだけではなく、これまでの身体の変化や生活の積み重ねの中にあるのかもしれません。

このコラムでは、更年期に現れるめまいと自律神経の関係について、ホルモンバランスだけでは捉えきれない身体全体の変化という視点からお伝えしていきます。

■ めまいは「身体のバランス情報」がうまくまとまらないときに起こる

「めまい」と聞くと、目が回るような感覚を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、ぐるぐる回る感じだけでなく、ふわふわする、身体が揺れるように感じる、立ち上がったときにクラッとする、まっすぐ歩きにくいなど、その感じ方は人によってさまざまです。

私たちが普段、何気なく立ったり歩いたりできるのは、身体の中にある複数の感覚が常に情報をやり取りしているからです。

目から入る「今、身体がどこを向いているのか」という視覚情報、耳の奥にある前庭器官から伝わる身体の傾きや動きの情報、さらに筋肉や関節から伝わる「手足や身体がどの位置にあるのか」という情報。これらを脳が組み合わせることで、私たちは自分の身体の位置や動きを把握しています。

ところが、こうした情報のバランスが一時的に崩れると、「身体が動いているように感じる」「ふらつく」といっためまいにつながることがあります。

また、めまいがあるときには、耳や脳などの疾患だけでなく、血圧の変化、睡眠不足、疲労、ストレスなど、さまざまな要因が関係している場合もあります。そのため、「めまいがある=更年期だから」「自律神経が乱れているから」と、ひとつの原因だけで説明できるとは限りません。

特に更年期の時期は、女性ホルモンの変化に伴って、ほてりや発汗、睡眠の変化、疲れやすさなど、身体のさまざまな変化を感じることがあります。そうした変化が重なることで、以前には気にならなかった身体の感覚を強く意識するようになることもあります。

ただし、更年期に起こるめまいのすべてをホルモンの変化だけで判断するのは注意が必要です。

突然の強いめまいに加えて、ろれつが回らない、片側の手足に力が入りにくい・しびれる、激しい頭痛、意識を失うなどの症状がある場合には、早急な医療機関での確認が必要です。

めまいは「どこか一か所が悪い」というより、身体が周囲の情報を受け取り、自分の位置や動きを調整している仕組みの中で起こっている可能性があります。

では、更年期のめまいを「ホルモン」や「自律神経の乱れ」という言葉だけで捉えてしまうと、どのようなことを見落とすのでしょうか。

■ 「更年期だから」「自律神経の乱れだから」で終わらせない

更年期になってからめまいを感じるようになると、「これも更年期の症状なのかな」と考える方は少なくありません。

実際、更年期には女性ホルモンの変化をきっかけとして、ほてりや発汗、睡眠の変化、疲れやすさなど、これまでとは違う身体の変化を感じることがあります。その中で、めまいやふらつきが気になるようになることもあります。

一方で、「更年期だから仕方がない」「自律神経が乱れているから」と考えてしまうと、そのとき身体の中で何が起きているのかを振り返る機会を失ってしまうことがあります。

たとえば、めまいが起こるのはいつでしょうか。

朝起きたときなのか、立ち上がったときなのか、長時間パソコンやスマートフォンを見た後なのか。睡眠不足の日に強く感じるのか、疲れが溜まった夕方に出やすいのか。それとも、首を動かしたときや歩いているときに気になるのか。

こうした「いつ・どんなときに起こるのか」という情報には、その人の身体の状態を考えるうえで大切な手がかりが含まれています。

身体は、常に一定の状態で過ごしているわけではありません。

睡眠、仕事、運動、ストレス、食事、姿勢、身体の動かし方など、日々の生活の中でさまざまな刺激を受けています。そして、その変化に合わせて身体はバランスを取りながら活動しています。

更年期という時期には、そこにホルモンの変化も加わります。そのため、以前なら気にならなかった身体の変化を感じやすくなったり、疲労や睡眠の乱れなどが重なって、めまいを意識する機会が増えたりすることも考えられます。

だからこそ、「めまいの原因は何か」を一つに決めつけるのではなく、その症状が現れているとき、身体全体ではどのような変化が起きているのかに目を向けることが大切です。

これは、めまいだけに限った話ではありません。肩こりや腰痛、頭痛、眠りの質の変化なども、「年齢のせい」「疲れているから」と捉えてしまえば、それ以上身体を見直すきっかけがなくなってしまいます。

症状は身体から届く一つのサインです。そのサインだけを消そうとするのではなく、どのようなタイミングで現れ、何と重なっているのかを見ていくことで、自分の身体の変化に気づけることがあります。

では、こうした身体全体の変化を、カイロプラクティックではどのように捉えているのでしょうか。

■ カイロプラクティックでは「症状」だけではなく神経のサイクルを考える

めまいが続いていると、「めまいを起こしている場所はどこなのだろう」と、その症状が現れている部分に意識が向きやすくなります。

もちろん、めまいには耳や脳などの疾患が隠れている場合もあるため、まず医療機関で原因を確認することが大切です。そのうえで、明らかな疾患が見つからない場合や、日によって症状の感じ方が変わる場合には、「今の身体はどのような状態になっているのか」という視点から考えてみることもできます。

前田カイロプラクティック藤沢院では、症状のある場所だけを見るのではなく、神経系を中心に身体全体のつながりを捉えることを大切にしています。私たちの身体は、脳が身体から送られてくるさまざまな情報を受け取り、その情報をもとに姿勢や動き、筋肉の働きなどを調整しながら活動しています。

そのため当院では、「めまいがあるから、めまいの部分だけを見る」という考え方ではなく、現在の身体がどのような状態にあり、神経系が身体からどのような情報を受け取っているのかというところにも目を向けます。

たとえば、長時間同じ姿勢で過ごすことが多い、身体を動かす機会が少ない、睡眠が十分に取れていない、仕事や家庭のことで緊張する時間が続いているなど、日常生活の中には身体に影響するさまざまな要素があります。

さらに更年期の時期には、これまでとは異なる身体の変化を感じることもあります。

こうした変化が重なっているときに、「めまいだけ」を切り取って考えるのではなく、身体全体の状態を一つのつながりとして捉えることが、その人自身の身体を理解するきっかけになると当院では考えています。

カイロプラクティックでは、こうした身体の状態を確認したうえで、必要に応じてアジャストメントを行います。

当院が大切にしているのは、症状を無理に押さえ込むことだけではありません。身体が本来持っている調整する力が働きやすい環境を整え、自分自身の身体と向き合っていくことです。

もちろん、カイロプラクティックですべてのめまいに対応できるわけではありません。突然の強いめまいや神経症状を伴う場合などは、まず医療機関での適切な診察が必要です。

一方で、「更年期だから仕方がない」「自律神経が乱れているから」と諦めてしまうのも、少しもったいないかもしれません。

更年期は、身体が大きく変化する時期です。

だからこそ、今までと同じ生活をしているのに身体の感じ方が変わってきたときには、それを単なる「年齢のせい」と片づけるのではなく、自分の身体を見直すタイミングとして捉えてみることもできます。

めまいという一つの症状の背景には、耳や脳、視覚、身体の感覚、生活習慣、睡眠、疲労など、さまざまな要素が関係している可能性があります。そして更年期には、そこに女性ホルモンの変化も加わります。

大切なのは、「これが原因」と一つに決めつけることではなく、今の自分の身体に何が起きているのかを丁寧に見ていくことです。

更年期になってから感じるめまいも、身体から届いた変化のサインの一つかもしれません。症状だけを見るのではなく、その症状が現れた時期や生活の変化、身体全体の状態にも目を向けてみる。そうすることで、これまで気づかなかった身体の変化に気づけることがあります。

「更年期だから仕方がない」と諦めるのではなく、今の身体を知ることから始めてみる。それが、これからの身体と上手につき合い、健やかな毎日を過ごしていくための一歩になるのではないでしょうか。

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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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