病院で異常なしと言われた坐骨神経痛と右脚のしびれ

病院で異常なしと言われた坐骨神経痛と右脚のしびれ

薬もブロック注射も効かなくなった坐骨神経痛が改善し、再び山登りを目指せるようになりました!

50代女性
来院に至った経緯
もともと20代半ば頃から腰に違和感を感じることがあった。30代の頃には登山中に滑落した経験もあり、その後も腰回りの重だるさを感じることはあったが、日常生活に支障をきたすほどではなかったため、そのまま様子をみていた。

趣味は山登りであり、コロナ禍以前は定期的に登山を楽しんでいた。しかし年齢を重ねるにつれ、以前から感じていた腰の重だるさが少しずつ強くなっていった。それでも痛みが強くなることはなく、「年齢のせいだろう」と考えながら過ごしていた。

ところが約2年前から右腰に痛みが出現するようになり、その後まもなく両足にしびれを感じるようになった。当初は一時的なものだと思っていたが、症状は徐々に悪化し、右のお尻から太もも、ふくらはぎ、足の裏にかけてビリビリとしたしびれやジリジリとした神経痛のような痛みが現れるようになった。

症状が改善しないため大きな病院を受診し、レントゲン検査やMRI検査を受けた。しかし脊柱管狭窄症や変形性股関節症などの明らかな異常は認められず、「特に大きな問題はない」と説明を受けた。その後は整形外科で神経痛の薬や痛み止めを処方され、ブロック注射も受けた。

初回のブロック注射は非常によく効き、一時的に痛みがほとんどなくなった。しかし2回目以降は効果が薄れ、3回目以降は逆に症状が強くなったように感じるようになった。痛み止めについても、当初は少量で効果を感じていたが、徐々に効きが悪くなり、薬を増やしても十分な改善が得られなくなった。

その後、別のペインクリニックを受診し、より強い薬を処方された。当初は痛みをほとんど感じないほど効果があったものの、次第に薬を飲んでも右脚の痛みやお尻のつっぱり感が残るようになり、症状は改善するどころか徐々に悪化しているように感じていた。

座っている姿勢は特につらく、長時間のデスクワークでは症状が強くなることが多かった。一方で歩きすぎても足のしびれや痛みが強くなり、以前のように自由に身体を動かせなくなっていた。症状が強い時期には夜も眠れないほどの痛みやしびれが続き、薬を服用してようやく睡眠が取れる状態であった。

整体や鍼治療、マッサージなども試したところ、一時的に腰の状態は軽くなることもあった。しかし右脚のしびれや坐骨神経痛、お尻の痛みは改善せず、このまま悪化して歩けなくなるのではないかという不安を抱くようになった。

何よりも、痛みやしびれがなければもう一度山登りを楽しみたいという強い思いがあった。さまざまな治療を受けても改善しない状況の中で、根本的な原因を調べてもらいたいと考え、初めてカイロプラクティックを受診することを決意し、当院へ来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    右腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と下部腰椎に強い浮腫が確認され、右腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中6段階の最も慢性的なD6レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアが必要な状態であったが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

4週目(8回目のアジャストメント)には、右腰からお尻にかけての強い痛みに変化がみられ始めた。長時間座った際の痛みはまだ残っていたものの、以前のような強い痛みが持続する時間は短くなっていた。また、夜間に痛みやしびれで目が覚めることも減少し、睡眠が取れる日が増えてきた。

9週目(13回目のアジャストメント)には、右脚に出ていたビリビリとしたしびれが軽減し始めた。特にふくらはぎから足裏にかけての不快感が減少し、歩行時の負担も以前より少なくなっていた。右臀部のつっぱり感も徐々に緩和され、「以前より歩きやすくなった」との自覚があった。

13週目(17回目のアジャストメント)には、長時間のデスクワークによる症状の悪化が大きく軽減していた。以前は座っているだけでも右臀部から下肢にかけて強い痛みやしびれが出現していたが、仕事中に症状を意識する時間が明らかに減少していた。また、痛み止めへの依存も少なくなり、薬を服用しなくても過ごせる日が増えていた。

20週目(24回目のアジャストメント)には、右臀部痛、坐骨神経痛、下肢のしびれは日常生活にほとんど支障がない程度まで改善していた。長距離の歩行も可能となり、以前は不安で控えていた外出も積極的にできるようになった。本人からも「山登りを再開できそうなところまで回復した」と喜びの声が聞かれた。

現在は、初診時に訴えていた右臀部痛、坐骨神経痛、下肢のしびれは大きく改善し、日常生活に大きな支障はなくなっている。今後も神経機能の安定を維持し再発を防ぐ目的で、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の右臀部痛、坐骨神経痛、下肢のしびれは、右仙腸関節の機能低下が原因であったと考えられる。

患者は右臀部から下肢にかけての強い痛みやしびれを訴えていたため、当初は脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの神経圧迫性疾患が疑われた。しかし実際には、大きな病院でレントゲン検査やMRI検査を受けたものの、脊柱管狭窄症や変形性股関節症などの明らかな異常は確認されなかった。

初診時の検査では、右仙腸関節に明らかな可動域制限が確認された。また体表温度検査では骨盤部から下部腰椎にかけて神経機能の異常が確認され、右仙骨翼には強い浮腫が存在していた。さらにレントゲン評価では腰椎椎間板が最も慢性的なD6レベルまで進行しており、骨盤の傾きや過前弯も顕著に認められた。

仙腸関節は骨盤の中央に位置し、身体の荷重を支える重要な関節である。この関節に機能障害が生じると骨盤全体のバランスが崩れ、周囲の筋肉や靭帯、神経に過剰な負荷が加わる。その結果として臀部痛や下肢への関連痛、さらには坐骨神経痛様の症状を引き起こすことがある。

本症例では、右臀部の痛みから始まり、太もも、ふくらはぎ、足裏へと症状が広がっていた。しかし階段昇降や走行動作には大きな支障がなく、画像検査でも明確な神経圧迫所見は認められていなかった。これらのことから、単純な神経根圧迫ではなく、骨盤部の機能異常によって生じた神経機能低下や関連痛の要素が強かったと考えられる。

また、患者は20代頃から腰の違和感を感じており、30代では登山中の滑落経験もあった。さらに幼少期には交通事故の既往もあることから、長年にわたり腰椎や骨盤部へ繰り返し負荷が蓄積していた可能性が高い。その結果として仙腸関節の機能障害が慢性化し、ある時期を境に坐骨神経痛や下肢のしびれという形で症状が顕在化したものと推察される。

アジャストメントにより右仙腸関節および下部腰椎の神経機能への負荷が軽減されたことで、臀部痛、坐骨神経痛、下肢のしびれは段階的に改善していった。特に痛み止めやブロック注射では一時的な改善しか得られなかった症状が、神経機能の回復とともに安定していったことは非常に重要である。

本症例は、画像検査で明らかな異常が認められない坐骨神経痛や下肢のしびれであっても、その背景に仙腸関節の機能障害や神経機能低下が存在している可能性を示している。長年にわたり蓄積された骨盤部への負荷によって生じたサブラクセーション(根本原因)が整えられたことで、身体本来の恒常性維持機構が回復し、右臀部痛、坐骨神経痛、下肢のしびれが改善していった症例である。
病院で異常なしと言われた坐骨神経痛と右脚のしびれ
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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