ウインタースポーツ中に強くなった首の痛みと慢性的な腰の不調

ウインタースポーツ中に強くなった首の痛みと慢性的な腰の不調

40代男性
来院に至った経緯
学生のころにカイロプラクティックへ通院した経験があり、以前から首に「つまる感じ」や引っ張ってほしいような違和感を感じやすい状態だった。日常生活の中でも首や腰の不調を自覚することはあったが、強い痛みではなかったため、ストレッチや休息を取りながら様子を見て過ごしていた。

しかし、ウィンタースポーツを楽しんでいる最中に首の痛みが徐々に強くなり、途中で運動をやめるほどの状態となった。その後も首の動かしにくさや違和感が続き、仕事中や日常生活の中でも不安を感じるようになっていた。

普段からスノーボードをシーズン中に数回行い、さらにサーフィンも週3回ほど継続しているなど、身体を動かす機会の多い生活だった。また、腰についても中学生のころに痛めた経験があり、立ち仕事やデスクワークが続くと重だるさや疲労感を感じやすい状態だった。これまでは大きな支障がなかったため本格的なケアは行っていなかったが、今回の首の痛みをきっかけに「根本から身体を整えたい」という思いが強くなっていた。

そのような中で塩川満章D.C.のYouTubeを視聴し、神経の働きを整えるカイロプラクティックケアに興味を持った。その後、自宅から通える施術院を探す中で当院のホームページを見つけ、来院に至った。
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    頸部全体の過緊張

  • 03

    下部頸椎の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、下部頸椎と骨盤部に明らかな左右の温度の誤差が確認された。
また骨盤と頸部周囲に強い浮腫が確認された。 レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで、重度の骨盤の傾きや過前弯による反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失し、ストレートネックとなっていた。

2週目(2回目のアジャストメント)には、首の強い痛みは軽減し、左右への可動域が徐々に改善してきた。日常生活での動作時の不安も減り始めていた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、腰の違和感が軽減し、長時間の立ち仕事後に感じていた重だるさや疲労感が以前よりも軽くなってきた。また、姿勢の変化を自覚する場面も増えてきた。

10週目(6回目のアジャストメント)には、首のつまり感はほとんど感じなくなり、肩周囲の緊張も緩和してきた。仕事や日常生活における不安感が大きく軽減し、身体を動かすことへの抵抗感も少なくなっていった。

13週目(7回目のアジャストメント)には、骨盤部の可動性が安定してきたことで、運動後の回復が早くなったと実感するようになった。サーフィンなどのスポーツ後も以前ほど首や腰の負担を感じなくなり、コンディションの維持がしやすくなっていた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いた状態を維持しており、再発予防と身体機能の維持・向上を目的として、定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回みられた首や腰の症状は、レントゲン評価において頸椎では慢性的なD4レベル、腰椎ではD4レベルの椎間板変性が確認されていた。
しかし、これらの構造的変化そのものが直接的な痛みの原因であった可能性は低いと思われる。

本症例で重要だったのは、骨盤部のバランス異常によって神経機能へ持続的な負担がかかっていた点である。骨盤の左右バランスが乱れることで下肢への荷重配分や体幹の安定性が低下し、スポーツ動作や日常生活動作の中で特定の部位へ過剰なストレスが集中しやすい状態になっていたと考えられる。

今回の症例でも、その影響が骨盤から脊柱全体へ波及し、結果として頸部の過緊張や可動域制限につながっていた可能性がある。

さらに、骨盤や仙腸関節の可動性低下が続くことで、骨盤周囲の固有受容器からの神経入力に変化が生じ、身体が防御反応として筋緊張を高める状態になっていた可能性が考えられる。頸部や腰部の筋肉が過剰に緊張することで可動域が制限され、血流や組織代謝の低下を招き、慢性的な椎間板へ負担がかかりやすい状態が続いていたと推察される。

つまり本症例では、椎間板の変性そのものが主な原因というよりも、骨盤のバランス異常を背景とした神経機能の乱れにより、脊柱全体へストレスが加わり続けていたことが症状に関与していた可能性がある。

アジャストメントによってサブラクセーションへのアプローチを行った結果、骨盤からの神経入力の状態が整いやすくなり、防御的な筋緊張も徐々に緩和していった可能性が考えられる。その結果として、血流や組織環境の変化が起こり、痛みの軽減や可動域の変化がみられたものと思われる。

また、スポーツ活動を継続する中でも大きな再発がみられていないことから、単に痛みが軽減しただけでなく、骨盤を中心とした運動連鎖の機能が整ってきた可能性も示唆される。

本症例は、慢性的な椎間板の状態が存在していた場合でも、それだけが症状の原因とは限らず骨盤バランスや神経機能といった身体全体の調和が重要であることを示す一例と考えられる。
根本的な機能へアプローチすることで体本来の回復力が働きやすい状態になり、機能の変化が期待できる可能性がある。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)へのアプローチが行われ、自律神経のバランスが整いやすくなった結果、首や腰の症状の変化につながった可能性が考えられる。
神経の流れを整え、身体の情報を脳へ適切に伝えることの重要性が確認できた症例であった。
ウインタースポーツ中に強くなった首の痛みと慢性的な腰の不調
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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