スノボでの転倒を機に悪化した頸部の痛みと長年抱えていた違和感

スノボでの転倒を機に悪化した頸部の痛みと長年抱えていた違和感

40代男性
来院に至った経緯
毎年ウインタースポーツのシーズン中は複数回スノーボードへ出かけ、サーフィンは週に何度か楽しむなど、非常に活動的でアクティブな生活習慣を過ごしている。

以前から頸部にも何かが引っかかるような感覚や、無意識に伸ばしたくなるような違和感を頻繁に自覚されていた。しかし、日常生活に深刻な支障をきたすほどの強い痛みではなかったため、ご自身でストレッチを行ったり、休養を挟んだりしながら状態を観察して過ごしていた。また、中学生の頃に腰部を痛めた経験があり、それ以来、長時間のデスクワークや立ち仕事をこなした後に重だるさや疲労感が出やすい背景があった。

これまで積極的に身体のケアには取り組んでいなかったが、スノーボードの最中に転倒した際、頸部を負傷した。転倒後もしばらくは滑走を継続していたものの、頸部の痛みが時間の経過とともに激しく増強し、最終的には途中で運動を中止せざるを得ない状態となる。

その後も頸部の動かしづらさや不快な違和感が解消されず、身体への強い不安を覚えるようになった。この痛みを経験したことで、その場しのぎの対応ではなく、身体の土台から根本的に見直して整えたいという意識が急速に高まった。

そのような模索の中で、以前から塩川満章D.C.の動画を熱心に視聴されており、神経機能の正常化に着目したカイロプラクティックのアプローチに深い関心を抱く。また、学生時代に一度カイロプラクティックを受けた経験があり、その価値や身体への有効性をあらかじめ実感されていたことも決断を大きく後押しした。自宅から無理なく通院できるところを探す中で当院のホームページへと行き着き、根本改善への信頼を寄せて来院へと至った。


【神奈川県横須賀市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    下部頸椎周りの熱感、浮腫感

  • 03

    頸部運動時の痛み

経過と内容
初診時の状態では、右仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と下部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と下部腰椎に強い浮腫が確認され、腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアが必要な状態であったが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)を迎える頃には、転倒を機に強く現れていた頸部の痛みは大幅に軽減し、左右への回旋といった動きやすさが徐々に改善してきた。それに伴い、日常生活のふとした動作時に感じていた首への強い不安感も減少し始めた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、中学生の頃からの既往であった腰の違和感にも明らかな変化がみられ、長時間の立位やデスクワークの後に慢性化していた重だるさや疲労感の軽減を自覚するようになった。お体の土台が安定してきたことにより、ご自身でも普段の姿勢の変化に気づく場面が自然と増えてきたとのことである。

10週目(6回目のアジャストメント)には、以前から日常的に続いていた頸部の根深い詰まり感がほぼ消失し、それと連動していた肩周囲の異常な緊張も心地よく緩和していった。仕事や日常生活に対する身体的な不安が大きく軽減されたことで、一時は中断せざるを得なかった運動への抵抗感や恐怖心も少なくなっていった。

13週目(7回目のアジャストメント)には、運動を行った後の身体の回復が以前よりも明らかに早まったと実感されている。サーフィン後でも、頸部や腰への過度な負担を感じにくくなり、ご自身でのコンディション維持が非常にしやすくなった。

現在は、日常生活や激しいスポーツを全力で楽しむ中においても大きな症状の再発は一切なく、再発を防ぐ目的で、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
本症例では、頸部と腰部のどちらにも慢性的な椎間板の変化が確認されていたが、この構造的な変形だけが痛みを引き起こした最大の原因だったとは考えにくい。

特に重要であったと考えられるのが、骨盤のバランスが乱れたことによって、神経の機能に持続的な負担がかかり続けていた点である。骨盤の土台が崩れることで、足にかかる体重の配分や体幹の安定性が損なわれ、サーフィンやスノーボードといった激しいスポーツ動作の際や、日常の何気ない動きの中でも、特定の場所へ負担が集中しやすい状態がつくられていた可能性が非常に高い。

このようなアンバランスな状態が長く続くことで、骨盤の乱れが背骨全体へと影響し、結果として頸部の筋肉が異常にこわばったり、可動域制限に繋がっていたと考えられる。また、骨盤のバランスの乱れから脳へと送られる体の位置や状態を伝える神経の流れに乱れが生じ、体が身を守ろうとして無意識に筋肉を硬く緊張させ続ける防御反応が持続していた可能性も考えられる。

筋肉が硬く突っ張った状態が日常化してしまうと、血流や組織の代謝が低下しやすくなり、ただでさえ傷んでいた慢性的な椎間板へ、さらに大きなストレスを加え続ける悪循環を招いてしまう。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)へアプローチした結果、骨盤や背骨から脳へと繋がる神経の流れがクリアに整い、体を守るために起きていた異常な筋肉の緊張が段階的に和らいでいったと考えられる。その過程でお体全体の血液循環や組織の環境にも良い変化が生まれ、頸部の症状が表面的な処置ではなく、根本から改善へと向かったと推察される。

サブラクセーション(根本原因)へ適切にアプローチすることは、人間が本来持っている自然治癒力が100%働きやすい環境を整えることに繋がり、結果として頸部や腰の劇的な状態変化を導いたと考えられる。また、神経の情報がスムーズに脳へ伝達されやすくなったことで、自律神経のバランスもしっかりと整い、長期的な症状の安定へと結びついたことが推察される症例となった。
スノボでの転倒を機に悪化した頸部の痛みと長年抱えていた違和感
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中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

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