高校生から20年以上続く慢性腰痛と脚のしびれ

高校生から20年以上続く慢性腰痛と脚のしびれ

長年悩んでいた腰痛が楽になり、仕事中も腰を気にせず過ごせるようになりました!

40代女性
来院に至った経緯
高校生の頃から腰に違和感を覚えることがあり、長年にわたって慢性的な腰痛に悩まされていた。特に同じ姿勢を長時間続けていると腰の痛みが強くなり、日常生活や仕事の中でも腰の状態が気になることが多かった。

仕事はデスクワークが中心で、長時間座った姿勢で過ごすことが多かった。腰に負担を感じる機会も少なくなく、仕事や日常生活の中で慢性的な腰痛に悩まされていた。

約2年前には整形外科を受診し、腰の椎間板がつぶれていると説明されたことがあった。その後も腰痛は続き、約1年前にはぎっくり腰を経験した。それまでも慢性的な腰の痛みはあったが、ぎっくり腰を経験したことで腰の状態を以前よりも強く意識するようになっていた。

また、約1年前からは股関節にも痛みが現れるようになった。当初は右股関節に痛みを感じていたが、その後は左股関節にも痛みが現れるようになった。腰だけではなく骨盤周辺にも不調を感じるようになり、身体を動かす際にも股関節の状態が気になることがあった。

さらに、来院する約1週間前からは左太ももの外側に時折痺れを感じるようになった。痺れは常に出ているわけではなかったものの、これまでの慢性的な腰痛や股関節の痛みに加えて新たに下肢の症状が現れるようになっていた。

顎の不調も長年続いており、20代の頃には顎関節症と診断されていた。口を動かすと顎が大きく鳴ることがあり、顎が外れた経験もあった。また、普段から歯を食いしばる癖もあった。

そのほかにも、便秘やお腹にガスが溜まりやすい状態が続いていた。排便は2〜3日に1回程度で、特にガスが溜まりやすいことは約3年前から気になっていた。

高校生の頃から続く慢性的な腰痛に加え、ぎっくり腰や股関節の痛みを経験していた。最近では左太ももの痺れも現れるようになったことから、長年続いている腰の状態を確認するため当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左上後腸骨棘上端にくぼんだ浮腫

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左上後腸骨棘上端と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中6段階の慢性的なD6レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアが必要な状態であったが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、長年続いていた腰の重だるさに少しずつ変化が現れ始めた。特に朝起きた際の腰の張りが以前よりも軽くなり、日常生活でも腰の痛みを感じる時間が少なくなってきた。一方で、長時間座った後には腰痛が残っており、左太ももの外側にも時折痺れが現れていた。

6週目(6回目のアジャストメント)には、慢性的な腰痛が徐々に軽減し、デスクワーク中も以前ほど腰の痛みが気にならなくなっていた。また、左右の股関節に感じていた痛みも和らぎ、立ち上がる際や身体を動かす際の不快感が少なくなってきた。左太ももの外側に現れていた痺れも頻度が減り、日常生活で気になることが少なくなっていた。

10週目(10回目のアジャストメント)には、高校生の頃から悩まされていた慢性的な腰痛は大きく改善していた。長時間同じ姿勢で過ごしても以前のような強い腰痛は現れにくくなり、仕事中も腰の状態を気にすることが少なくなっていた。股関節の痛みもほとんど感じなくなり、左太ももの痺れもほぼ消失していた。

16週目(14回目のアジャストメント)には、慢性的な腰痛や股関節の痛みはほとんど気にならなくなっていた。左太ももの外側に現れていた痺れも感じなくなり、長時間のデスクワークや日常生活でも腰の不調を意識することなく過ごせるようになっていた。また、以前から気になっていた顎の違和感や便秘にも変化がみられ、身体全体の調子が以前よりも良くなったと感じていた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の高校生の頃から20年以上続く慢性的な腰痛は、左仙腸関節の機能低下が大きく関与していたと考えられる。

仙腸関節は仙骨と腸骨をつなぐ関節であり、上半身の重さを骨盤から下肢へ伝える重要な役割を担っている。可動域そのものは非常に小さいが、歩行や立ち座りなどの日常動作では微細な動きが求められる。この関節の機能が低下すると骨盤周囲の荷重伝達に偏りが生じ、腰椎や股関節にも余分な負担がかかる可能性がある。

本症例では、左仙腸関節に明らかな可動域制限が確認されていた。さらに左上後腸骨棘上端には強い浮腫が認められ、腰部起立筋にも過緊張がみられた。これらの所見は左仙腸関節周囲に持続的なストレスが加わっていた可能性を示しており、長年続いていた腰痛を考えるうえで重要な判断材料となった。

レントゲン評価では、重度の骨盤の傾きと腰椎の過前弯が確認された。腰椎は本来、緩やかな前弯カーブによって上半身から加わる負荷を分散している。人間の身体には姿勢や重心の変化を補正する働きがあるため、骨盤の位置が変化すると腰椎の配列にも影響が及ぶ。

骨盤部の腸骨が後方に変位すると、腰椎の土台となる仙骨は前方へ補正移動する。それによって腰椎の前弯カーブが増大し、過前弯と呼ばれる反り腰の状態につながることがある。このような骨盤と腰椎のバランスの変化が、長年にわたる腰痛を助長していた可能性も考えられる。

また、左仙腸関節の可動域制限に対する補正作用として、反対側の右仙腸関節が過剰に動いていたと考えられる。その結果、歩行のたびに腰部へ捻じれのストレスが加わり、腰部椎間板にも負荷がかかっていた可能性がある。実際にレントゲン評価では、腰部椎間板に6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認されていた。

本症例では高校生の頃から慢性的な腰痛が続いており、約1年前にはぎっくり腰も経験していた。こうした骨盤と腰椎への負担が積み重なり、慢性的な腰痛だけでなく急性のぎっくり腰にも関与していた可能性が考えられる。

さらに、腰痛に続いて右股関節から左股関節へと痛みが広がっていた点も見逃せない。

骨盤は腰椎と左右の股関節をつなぐ構造であり、立位や歩行ではそれぞれの関節が協調して働いている。仙腸関節周囲の機能が低下すると、股関節や腰椎の動きによって不足した動作を補おうとする場合がある。このような代償が繰り返されることで、股関節周囲の筋肉や関節に負担が集中する可能性がある。

また、来院直前には左太ももの外側に痺れが現れていた。太ももの外側の感覚には外側大腿皮神経などが関与しており、腰椎由来の神経症状との鑑別も必要となる。慢性的な腰椎椎間板の変性も確認されていたことから、腰椎と骨盤の機能を総合的に評価することが重要であった。

一方、本症例では骨盤部だけでなく上部頸椎にも明らかな検査所見が認められていた。

上部頸椎と顎関節は密接な関係にあり、頭部の位置や頸部の筋活動を通じて互いに影響を及ぼしている。特に顎に直接的な外傷がない場合の顎関節症では、上部頸椎のバランスが大きく関与している可能性がある。

本症例でも上部頸椎へのアジャストメントを継続する中で、長年続いていた顎の違和感に変化がみられた。上部頸椎の機能が安定するにつれて、顎関節本来の運動機能にも良い変化が現れたと考えられる。

また、慢性的な便秘にも変化がみられた点は注目すべきである。

自律神経は交感神経と副交感神経によって構成され、消化管の運動や分泌機能の調節に深く関与している。特に副交感神経が優位になると腸の運動が活発になり、排便を促す方向に働く。

今回の検査で問題が確認された上部頸椎と骨盤部は、どちらも副交感神経の支配領域となる。これらの領域の機能低下によって自律神経のバランスが乱れ、慢性的な便秘にも影響を及ぼしていたと考えられる。

実際にケアの経過とともに便秘にも変化がみられたことは、腰痛だけでなく神経機能を総合的に評価する重要性を示すものであった。

今回のケアでは、症状が現れている腰部だけに注目するのではなく、左仙腸関節と上部頸椎の検査所見を重視した。関節の可動性や体表温度の左右差、浮腫や筋緊張などを継続的に確認しながらアジャストメントを行った。

その結果、長年続いていた慢性的な腰痛は段階的に軽減した。股関節の痛みや左太ももの痺れにも改善がみられ、日常生活やデスクワークで腰の不調を意識することが少なくなった。

本症例は、慢性的な腰痛を評価する際には痛みのある部位だけでなく、骨盤と腰椎の機能的な関係を確認することの重要性を示している。また、画像所見だけに依存せず、複数の検査結果を照らし合わせながら神経機能への影響を考慮することが大切である。

高校生の頃から20年以上にわたって続く慢性的な腰痛であっても、根本原因を見極めて適切にアプローチすることが何よりも重要である。

サブラクセーション(神経機能に影響を及ぼす脊椎や骨盤の機能異常)を適切に評価し、身体に備わる本来の働きを最大限に発揮できる環境を整えること。その重要性とともに、改めて人間が持つ「治るチカラ」の素晴らしさを実感した症例であった。
高校生から20年以上続く慢性腰痛と脚のしびれ

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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