慢性腰痛に追い打ちをかけた更年期障害

慢性腰痛に追い打ちをかけた更年期障害

長年続いていた腰痛と、突然のほてりや大量の発汗が改善し、仕事中も快適に過ごせるようになりました!

40代女性
来院に至った経緯
20代の頃から慢性的な腰痛に悩まされていた。特に左腰には弱さを感じることが多く、疲労が蓄積した時や長時間同じ姿勢が続いた後には、腰に重だるさや痛みを感じることがあった。過去には荷物を持ち上げようとした際にぎっくり腰を経験したこともあり、それ以降は腰の状態を気にしながら生活するようになっていた。

腰痛は良い時期と悪い時期を繰り返しており、以前は住んでいた地域の整体へ定期的に通うことで比較的安定していた。しかし、転居をきっかけにそれまで通っていた整体へ通うことが難しくなり、腰の状態を十分に整えられない期間が続くようになった。

その後、40代に入ってから、それまでにはなかった身体の変化を感じるようになった。何の前触れもなく急に顔がカーッと熱くなり、顔や脇から大量の汗をかくことが増えていった。特に仕事中に症状が出ることが多く、着ているワイシャツに汗染みができてしまうほどで、人目も気になるようになっていた。

最初は暑さや仕事の忙しさによるものだと思っていたが、季節や室温に関係なく突然ほてりと発汗が起こるようになった。次第に症状が出るタイミングを自分ではコントロールできないことにも不安を感じるようになり、「もしかすると更年期に入ったのではないか」と考えるようになった。

さらに、夜になってもなかなか寝つけない日が増え、ひどい時には布団に入ってから2時間近く眠れないこともあった。十分な睡眠が取れないことで疲労が抜けにくくなり、以前よりも身体の回復に時間が掛かるように感じていた。

こうした更年期障害による体調の変化が重なるにつれて、以前から抱えていた慢性腰痛も悪化するようになった。これまでは休めばある程度落ち着いていた腰痛が残りやすくなり、朝から腰の重さを感じたり、長時間同じ姿勢で過ごした後に立ち上がる際に痛みを感じたりすることも増えていた。

長年付き合ってきた腰痛だけであればこれまでのように対処できると思っていたが、ほてりや大量の発汗などの更年期障害まで重なったことで、「身体全体が以前とは違う状態になっている」と感じるようになった。仕事や日常生活にも少しずつ支障を感じるようになり、このまま症状ごとに対処を続けていても根本的には変わらないのではないかと考えるようになった。

以前に整体へ通うことで身体が楽になった経験があったため、転居先でも身体を根本からみてもらえる治療院を探したいと考えるようになった。

慢性的な腰痛だけではなく、せっかくだから更年期障害にも強そうな治療院を探していたところ、最寄りの藤沢駅からすぐ近くにカイロプラクティック院を見つけた。ホームページを読むと、腰痛だけではなく更年期障害についても詳しく書いてあり、「自分に合うのはここだ!」と思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左上後腸骨棘上端内縁にくぼんだ浮腫感

  • 03

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左上後腸骨棘上端内縁と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

長年続いていた慢性腰痛に加えて、突然のほてりや大量の発汗といった更年期障害も強く出ている状態であったため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示した。しかし、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、まず朝起きた時の腰の重だるさに変化がみられ始めた。これまでは起床直後から腰の状態が気になっていたが、朝の動き出しが以前よりも楽になり、長時間同じ姿勢で過ごした後の腰痛も少しずつ軽減していた。一方で、仕事中に突然顔がカーッと熱くなるほてりや大量の発汗はまだみられていた。

8週目(8回目のアジャストメント)には、慢性的に感じていた腰痛が明らかに軽減し、仕事中や日常生活の中で腰を気にする時間が少なくなっていた。また、この頃から突然起こっていた顔のほてりにも変化がみられ、以前ほど頻繁にカーッと熱くなることがなくなっていた。顔や脇から大量の汗をかくことも減り、仕事中にワイシャツの汗染みを気にする機会が少なくなってきた。この頃より身体の状態が安定してきたため、ケア間隔を2週間に1回へ変更した。

16週目(12回目のアジャストメント)には、長時間同じ姿勢で過ごした後でも腰痛が出ることは少なくなり、以前のような慢性的な腰の重だるさを感じることもほとんどなくなっていた。更年期障害についても、突然のほてりや大量の発汗は大きく減少し、仕事中に症状が出ることへの不安もなくなっていた。この頃よりケア間隔を3週間に1回へ変更した。

28週目(16回目のアジャストメント)には、長年悩まされていた慢性腰痛は日常生活ではほとんど気にならない状態となっていた。仕事で長時間同じ姿勢が続いた場合でも腰の状態は安定しており、以前のように腰をかばいながら動くこともなくなっていた。更年期障害による突然のほてりや大量の発汗もほとんど気にならなくなり、仕事中にワイシャツの汗染みを心配することもなくなった。

現在は、慢性的な腰痛だけではなく、更年期に入ってから感じるようになった突然のほてりや大量の発汗も安定しており、仕事や日常生活への支障はほとんどなくなっている。今後も再発防止と身体のメンテナンスのため、定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の慢性的な腰痛は、左仙腸関節の機能低下が原因であったと考えられる。また、ホットフラッシュのような発汗やほてりといった更年期障害には、脳と卵巣を繋ぐ神経機能の乱れが大きく関係していたと考えられる。

一般的に更年期障害は、女性ホルモンの減少によって起こると考えられている。しかし、更年期と呼ばれる年代のすべての女性に、ほてりや大量の発汗などの症状が現れるわけではない。同じように卵巣機能が低下していく年代であっても、更年期障害が強く現れる人もいれば、ほとんど症状を感じない人もいる。

更年期を迎えると卵巣の機能は徐々に低下し、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量も減少していく。これは女性の身体に起こる自然な変化であり、本来であれば脳が卵巣の状態を正しく把握し、その変化に合わせて身体を適応させていくことが重要となる。

しかし、脳と卵巣を繋ぐ神経機能に異常があると、脳が卵巣の状態を正しく把握できなくなる。脳は女性ホルモンの分泌量が不足していると判断し、卵巣に対してホルモンを分泌するよう指令を送り続ける。しかし、すでに機能が低下している卵巣は、その指令に十分に応えることができない。

すると脳はさらに強い指令を送り続けることになり、その過剰な刺激が交感神経にも影響を及ぼす。交感神経が過剰に刺激される状態が続けば、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われなくなり、自律神経のバランスも乱れやすくなる。

自律神経は、血管の収縮や拡張、発汗などの体温調節にも深く関係している。そのため、自律神経による血管や発汗のコントロールが正常に行われなくなることで、季節や室温とは関係なく突然顔がカーッと熱くなったり、顔や脇から大量の汗が出たりするホットフラッシュにつながると考えられる。

本症例では、骨盤部と上部頸椎の双方に神経機能の乱れを示す反応が確認されていた。骨盤部と上部頸椎はどちらも副交感神経と深く関係する領域である。こうした部位の神経機能に負担が掛かっていたことが、脳と身体との情報伝達や自律神経のバランスに影響し、更年期障害を強くしていた可能性が考えられる。

一方、慢性腰痛については、腰部のレントゲン評価で慢性的なD4レベルが確認され、重度の骨盤の傾きや過前弯による反り腰もみられた。さらに左仙腸関節には明らかな可動域制限が確認されており、骨盤部には長期間にわたり負荷が掛かり続けていたことが示唆された。

神経に継続的な負荷が掛かると、身体はその部位を保護しようとして周囲の筋肉を防御反応として過緊張させる。その結果、神経機能の低下に加えて筋肉の過緊張による血流低下も生じ、腰部へ十分な酸素や栄養素が運ばれにくい状態となる。こうした状態では、身体が本来持つ修復機能が十分に働かず、腰痛が慢性化しやすくなる。

本症例では、骨盤部および上部頸椎のサブラクセーション(根本原因)が整えられたことで、脳と身体との情報伝達が正常に行われるようになり、身体が更年期という変化にも適応しやすい状態へと変化していった。その結果、長年続いていた慢性腰痛だけではなく、突然のほてりや大量の発汗といった更年期障害にも変化がみられたのだろう。

更年期だからといって、すべての不調を年齢の問題として諦める必要はない。身体の状態を脳が正しく把握できるよう神経の流れを整え、身体が本来持つ自然治癒力を十分に発揮できる状態にすることが重要である。

改めて、人間が本来持つ「治るチカラ」の素晴らしさを実感した症例であった。
慢性腰痛に追い打ちをかけた更年期障害
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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