2026.07.22

腰痛なのに足がしびれるのはなぜでしょうか?身体からの大切なシグナルを解説

腰痛なのに足がしびれるのはなぜでしょうか?身体からの大切なシグナルを解説

腰が痛いだけではなく、お尻から脚にかけてしびれを感じる。「このまま歩けなくなるのではないか」「ヘルニアかもしれない」と、不安を抱えたことはありませんか?

特に、長時間座っていると腰や脚がつらくなり、仕事や運転に支障をきたすようになると、日常生活にも大きな影響を与えてしまいます。

腰痛と足のしびれが同時に現れると、「腰が悪いからしびれているんだ」と考える方が多いかもしれません。しかし、腰痛と足のしびれは、必ずしも同じ仕組みで起きているとは限りません。また、画像検査で異常が見つかった場合でも、それだけが症状の原因とは言い切れないケースもあります。

大切なのは、痛みやしびれという症状だけを見るのではなく、なぜそのような症状が現れているのかという身体からのシグナルを正しく理解することです。

このコラムでは、腰痛と足のしびれが起こる仕組みや、身体が発している大切なシグナルについて解説していきます。

■ 腰痛なのに足がしびれるのはなぜでしょうか?

腰痛と足のしびれが同時に現れると、「腰の筋肉が硬くなっているだけ」「血行が悪いだけ」と考える方も少なくありません。しかし、足にしびれが現れている場合は、筋肉だけではなく神経が関係している可能性も考える必要があります。

足の感覚や筋肉の働きは、腰椎から出ている神経によってコントロールされています。腰椎から出た神経は骨盤の中を通り、やがて人体で最も太い末梢神経である坐骨神経となって、お尻や太もも、ふくらはぎ、足先まで伸びています。

そのため、神経が何らかの影響を受けると、「腰が痛い」という症状だけではなく、「お尻が痛い」「太ももの裏が張る」「ふくらはぎがしびれる」「足先の感覚がおかしい」といった症状が現れることがあります。

ただし、足のしびれがあるからといって、すべてが腰椎椎間板ヘルニアというわけではありません。腰部脊柱管狭窄症や梨状筋症候群などでも似た症状が現れることがありますし、血管や内科的な病気が関係しているケースもあります。

また、画像検査で腰椎椎間板ヘルニアと診断されても症状がまったくない方がいる一方で、画像上は大きな異常が見つからなくても強い痛みやしびれで悩まれている方もいらっしゃいます。

つまり、「腰痛」と「足のしびれ」という症状だけで原因を決めつけることはできません。

だからこそ大切なのは、「どこが痛いのか」だけではなく、「どの神経が関係しているのか」「なぜその神経へ負担がかかっているのか」という視点から身体全体を評価することです。

■ 足のしびれは、痛みよりも神経症状が進行しているサインかもしれません

腰痛と足のしびれが同時に現れると、「腰痛が悪化してしびれが出てきた」と考える方が多いかもしれません。

実は、この考え方はあながち間違いではありません。

人間の神経症状は、一般的に

「正常 → 痛み → しびれ → 麻痺」

という順序で進行していくことが多いと考えられています。

もちろん、すべての方がこの順番どおりに症状が現れるわけではありません。しかし、足のしびれが出ているということは、単なる腰痛よりも神経への影響が一段階進んでいる可能性も考える必要があります。

さらに症状が進行すると、感覚が鈍くなるだけではなく、「足に力が入りにくい」「つまずきやすい」「足首が持ち上がらない(下垂足)」など、筋力低下や運動障害を伴うこともあります。このような場合には、できるだけ早く身体の状態を詳しく評価することが重要になります。

しかし、「しびれ=重症」と決めつけることもできません。

同じ「しびれ」という症状でも、足先だけがしびれるのか、太ももから足先まで広がっているのか、座っていると悪化するのか、歩くと楽になるのかなどによって、考えられる状態は大きく異なります。

だからこそ、「しびれている」という結果だけを見るのではなく、なぜ神経へ負担がかかる状態になってしまったのかを考えることが大切なのです。

■ 腰痛と足のしびれをガンステッド・システムではどのように考えるのでしょうか?

腰痛と足のしびれが同時に現れると、多くの方は「腰椎椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されている」「腰だけが悪くなっている」と考えます。しかし、当院では痛みやしびれが現れている場所だけを見て、その人の身体の状態を判断することはありません。

その理由は、人間の身体をコントロールしているのは脳であり、脳からの指令を全身へ伝え、身体から得られた情報を脳へ届けているのが神経だからです。神経は痛みやしびれを伝えるだけでなく、筋肉の働き、関節の動き、皮膚の感覚、血液循環、リンパの流れ、内臓の働きなどにも深く関わっています。

腰から足へ伸びる坐骨神経は、第4腰神経(L4)から第3仙骨神経(S3)までの神経根が集まって形成される、人体で最も太く長い末梢神経です。骨盤内からお尻を通り、太ももの後方を下りながら枝分かれし、ふくらはぎや足先まで伸びています。

そのため、神経伝達に影響が及ぶと、腰痛だけでなく、お尻や太もも、ふくらはぎ、足先など、腰から離れた場所にもしびれや感覚の変化が現れることがあります。足がしびれているからといって、しびれている場所そのものに根本原因があるとは限らないのです。

当院で実践しているカイロプラクティックは、「ガンステッド・システム」と呼ばれるものです。カイロプラクティックは1895年にアメリカで誕生し、現在では200種類以上のテクニックが存在するといわれています。その中でもガンステッド・システムは、さまざまな角度から検査を行い、サブラクセーション(根本原因)を正確に特定することを重視しています。

ガンステッド・システムでは、人間の身体を建物のように捉え、骨盤を背骨全体を支える土台として考えます。建物の土台が傾けば、その上にある柱全体へ影響が及ぶように、骨盤のバランスが変化すると、その上に積み重なる腰椎、胸椎、頸椎にも影響が広がることがあります。

特に腰痛や足のしびれでは、土台である骨盤と、その上に位置する腰椎との関係が重要です。骨盤が安定性を失い、腰椎や椎間板へ偏った負担が加わり続けると、坐骨神経を形成する神経根にも影響が及び、腰だけでなく足にまで症状が現れる可能性があります。

また、ガンステッド・システムでは椎間板を非常に重要な組織として捉えています。椎間板は、背骨へ加わる衝撃を吸収するだけでなく、椎骨同士の間隔を保ち、背骨が滑らかに動くためにも欠かせない組織です。

当院ではレントゲン評価によって椎間板の状態を6段階で評価し、サブラクセーション(根本原因)がどのくらいの期間にわたって身体へ影響を及ぼしてきた可能性があるのかを、客観的に評価しています。

レントゲン評価には、安全性を確保するという重要な役割もあります。生まれつき骨の形に特徴がある方や、一般的な構造より骨の数が多い方・少ない方、椎骨同士が癒合している方など、身体の外側からの検査だけでは分からないケースも存在します。

日本では、カイロプラクターにはレントゲン画像から病名を診断する権限はありません。そのため当院では近隣の医療機関と提携し、必要な方には医療機関でレントゲン撮影を受けていただいたうえで、安全にカイロプラクティックケアを進めるための評価に活用しています。身体の状態によっては、カイロプラクティックケアを優先せず、医療機関や専門医への受診をご案内することもあります。

さらに当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価という5つの検査法を用いて、身体の状態をさまざまな角度から確認します。一つの検査結果だけで判断するのではなく、それぞれの情報を照らし合わせ、サブラクセーション(根本原因)を正確に特定することを大切にしています。

そして、特定したサブラクセーション(根本原因)に対して、本当に必要な場所だけをミリ単位でアジャストメントします。神経伝達を阻害している原因を取り除き、身体からの情報が脳へ正しく届く状態を目指すことで、その人が生まれながらに持っている自然治癒力を十分に発揮できるようお手伝いをしています。

実際に当院では、短時間座っているだけでも腰痛が強くなり、右脚のしびれによって仕事にまで支障をきたしていた方の症例を掲載しています。初診時にどのような状態が確認され、その後どのような経過をたどったのかをまとめていますので、腰痛と足のしびれでお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。

短時間も座れない腰痛と右脚のしびれによる仕事への支障の症例報告

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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