腰椎分離症で「手術しかない」と言われたら本当にそうなのでしょうか?
「腰椎分離症なので手術しかありません。」
病院でこのように説明されると、「本当に手術を受けるしか方法はないのだろうか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
特に、歩くこともつらいほど腰痛が悪化していると、「このまま歩けなくなってしまうのではないか」「仕事や日常生活はどうなるのだろう」「できれば手術は避けたいけれど、本当に他に方法はないのだろうか」と悩まれる方も少なくありません。
腰椎分離症は、スポーツ経験のある方だけではなく、日常生活の中で長年腰痛に悩んできた方にもみられることがあります。そのため、「以前から腰椎分離症と言われていたけれど最近になって急に腰痛が悪化した」「何年も様子を見ていたのに、突然歩くことまでつらくなった」というケースも決して珍しくありません。
しかし、腰椎分離症と診断されたからといって、すべての方が手術の対象になるわけではありません。また、腰椎分離症という診断名だけで、現在の腰痛の原因がすべて説明できるわけでもありません。
大切なのは、画像検査の結果だけを見るのではなく、「なぜ今、このタイミングで腰痛が悪化しているのか」という視点から、現在の身体の状態を総合的に評価することです。
このコラムでは、腰椎分離症で「手術しかない」と言われたときに知っておきたいことや、身体をどのような視点で評価していくのかについて解説していきます。
■腰椎分離症があっても腰痛がある人とない人がいるのはなぜでしょうか?
「腰椎分離症があるなら腰痛が出るのは当然ではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際には、画像検査で腰椎分離症が見つかっても腰痛をまったく感じない方もいれば、歩くことが困難になるほど強い腰痛に悩まされる方もいらっしゃいます。
もし腰椎分離症だけが腰痛の原因であれば、同じ診断を受けた方は皆同じような症状になるはずです。しかし現実には、そのようなことはありません。
その理由は、腰痛は一つの原因だけで起こる症状ではないからです。
例えば、同じ腰椎分離症であっても、仕事やスポーツによる身体への負担、日常生活での姿勢や動作の癖、腰椎や骨盤にかかるストレスの蓄積などは一人ひとり異なります。そのため、同じ診断名でも腰痛の程度や症状の現れ方には大きな違いが生まれます。
また、「以前から腰椎分離症と診断されていたけれど、最近になって急に腰痛が悪化した」という方も少なくありません。このようなケースでは、「腰椎分離症がある」という事実は以前から変わっていないにもかかわらず、症状だけが大きく変化しています。
これは、「腰椎分離症があること」と「現在の腰痛が悪化していること」を分けて考える必要があることを示しています。
もちろん、腰椎分離症が腰痛にまったく関係ないというわけではありません。しかし、「腰椎分離症があるから腰痛が出ている」「腰椎分離症だから手術しかない」と短絡的に結論づけることもできません。
大切なのは、「なぜ今、このタイミングで腰痛が強くなっているのか」という視点です。
腰椎分離症という診断名だけを見るのではなく、現在の身体でどのような変化が起きているのか、どの動作で腰痛が強くなるのか、どのような状態で症状が軽減するのかなど、一つひとつ確認していくことで、現在の腰痛の原因が見えてくることがあります。
だからこそ、歩行が困難になるほど腰痛が悪化している場合には、画像検査の結果だけで判断するのではなく、「なぜここまで腰痛が悪化したのか」という原因を丁寧に評価することが重要になるのです。
■腰椎分離症をガンステッド・システムではどのように評価するのでしょうか?
腰椎分離症では、腰椎の関節突起間部が骨折している状態です。
そのため、当院では医療機関で腰椎分離症と診断を受けている方や、腰椎分離症が疑われる方に対して、骨折している腰椎へ直接アプローチすることはありません。骨折部へさらに負担を加えてしまうことは、安全面から考えても避けなければならないからです。
だからこそ、カイロプラクティックケアを安全に行うためには、現在の身体の状態を正しく評価することが非常に重要になります。
日本では、カイロプラクターにはレントゲン画像の診断権はありません。そのため、当院でもレントゲン画像を見て「腰椎分離症です」と診断を行うことはありません。
しかし、安全にカイロプラクティックケアを行うためには、レントゲン画像から背骨や骨盤の状態を評価することは欠かせません。当院では、視診・静的触診・動的触診・体表温度検査・レントゲン評価を組み合わせ、一人ひとりの身体の状態を総合的に確認しています。
外傷によるものを除く腰椎分離症では、腰椎そのものだけではなく、骨盤にある仙腸関節の機能が大きく関係していることがあります。
人間の身体には、一方の関節の動きが悪くなると、別の関節がその動きを補おうとする「補正作用」があります。そのため、左右どちらかの仙腸関節に可動域制限が生じると、反対側の仙腸関節は必要以上に動くようになります。
歩行では、骨盤は左右交互に動きながら身体を支えています。しかし、このバランスが崩れると、歩くたびに腰椎へ捻じれのストレスが繰り返し加わるようになります。その負担が長期間積み重なることで、関節突起間部に疲労骨折が生じ、腰椎分離症へとつながることがあります。
そのため当院では、「腰が痛いから腰を施術する」という考え方はしません。まずは骨折している腰椎へ負担をかけないことを最優先に考え、そのうえで検査によって仙腸関節の機能を十分に評価し、必要と判断した場合にのみ仙腸関節へアプローチを行います。
骨盤の仙腸関節にアプローチすると言葉で言うのは簡単ですが、実際には骨折している腰椎へ一切ストレスを加えることなく、仙腸関節だけに適切な力を伝えるためには、高度な検査と正確な技術が必要になります。
だからこそ当院では、安全性を最優先に考え、十分な検査と評価を行ったうえで、一人ひとりの身体の状態に合わせたカイロプラクティックケアを提供しています。
実際に、腰椎分離症で「手術しかない」と言われ、歩行が困難になるほどの腰痛でお困りだった方がどのような経過をたどったのかについては、以下の症例報告で詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


