2026.06.18

朝起きると腰が痛いのはなぜ?動くと楽になる理由も解説

朝起きると腰が痛いのはなぜ?動くと楽になる理由も解説

「朝起きると腰が痛い。」

このようなお悩みはありませんか。

「ベッドから起き上がるのがつらい」「顔を洗うために前かがみになると腰が痛む」「しばらく動いていると楽になるのに、翌朝になるとまた痛くなる」といったお悩みを抱えて来院される方は少なくありません。

腰痛というと、重い物を持ち上げたときや、長時間座ったあとに起こるイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし、朝起きた直後だけ腰が痛くなり、日中はほとんど気にならないというケースも少なくありません。

本来、睡眠は一日の疲労を回復させるための大切な時間です。それにもかかわらず、一日の始まりである朝に最も強く腰痛を感じるのは、なぜなのでしょうか。

実は、この現象には睡眠中の身体の変化だけではなく、日頃から腰へ蓄積している負担も深く関係していると考えられています。つまり、「朝に痛くなった」のではなく、「朝だからこそ痛みが現れやすい身体の状態になっている」という見方もできるのです。

では、なぜ朝になると腰痛が現れやすくなるのでしょうか。また、なぜ同じように眠っていても、朝の腰痛に悩む方とそうでない方がいるのでしょうか。

今回のコラムでは、朝起きたときに腰が痛くなる理由と、その背景にある身体の仕組みについて解説していきます。

 

■ 朝の腰痛は、「寝ている間に悪くなった」わけではありません

「寝る前はそれほど痛くなかったのに、朝起きると腰が痛い。」

このような症状があると、「寝ている間に腰を痛めたのではないか」「寝返りが少なかったのではないか」と考える方も少なくありません。

しかし、実際には朝の腰痛は、睡眠中に身体が悪くなったことを意味しているとは限りません。

私たちの身体は、眠っている間も休んでいるわけではありません。傷ついた組織を修復し、疲労を回復させ、翌日に備えるための働きを24時間続けています。睡眠は、身体が本来の機能を回復させるための大切な時間なのです。

その中で重要な役割を担っているのが、背骨と背骨の間にある「椎間板」です。

椎間板は、日中は重力の影響を受けながら身体を支え、歩く・立つ・座るといった動作で生じる衝撃を吸収しています。そのため、一日を通して少しずつ水分が減少し、厚みもわずかに小さくなっていきます。

一方、夜に横になると重力による圧迫が少なくなるため、椎間板は再び水分を吸収し、本来の厚みや弾力を取り戻そうとします。その結果、朝起きた直後の椎間板は、一日の中で最も水分量が多く、内圧が高い状態になります。実際に、人の身長は朝の方が夜より1〜2cmほど高くなることが知られていますが、これも椎間板が一晩かけて水分を吸収しているためです。

つまり、朝の椎間板は悪い状態なのではなく、むしろ本来の機能を回復した状態にあります。

しかし、もともと腰椎や椎間板へ負担が蓄積している場合には、この「回復した状態」だからこそ周囲の組織へ影響が現れやすくなり、朝起きた直後の腰痛として感じられることがあります。

では、なぜ同じように椎間板が回復しているにもかかわらず、朝の腰痛が起こる方と、まったく症状がない方がいるのでしょうか。その違いを理解するためには、「朝」という時間ではなく、日頃から腰へどのような負担が積み重なっているのかを考えることが大切になります。

■ なぜ朝だけ腰痛が現れるのでしょうか

朝の腰痛を訴える方のお話を伺うと、「ベッドから起き上がる瞬間が痛い」「顔を洗うために前かがみになると腰が痛む」「靴下を履くのがつらい」といった共通点があります。

これらの動作に共通しているのは、腰を前へ曲げるだけではなく、骨盤や股関節、背骨全体が連動して動く必要があるということです。

本来であれば、前かがみになる動作では骨盤が前方へ回転し、股関節が滑らかに動き、それに合わせて背骨全体が協調することで、一部の関節や椎間板へ負担が集中しないようになっています。

しかし、身体のどこかでこの連動性が失われると、本来は全身で分散されるはずの負担を腰椎や椎間板が補わなければならなくなります。そこへ朝特有の高い椎間板内圧が加わることで、起き上がる瞬間や前かがみになった瞬間に痛みとして現れやすくなることがあります。

一方で、朝の支度や通勤などで身体を動かしているうちに、「少し楽になってきた」と感じる方も少なくありません。これは歩行によって骨盤や股関節、背骨が再び連動して動き始め、さらに椎間板も重力の影響を受けながら徐々に水分量が変化することで、腰へ集中していた負担が分散されやすくなるためと考えられます。

しかし、ここで一つ疑問が生まれます。同じように眠り、同じように椎間板が水分を吸収しているにもかかわらず、朝の腰痛に悩む方と、まったく症状がない方がいるのはなぜでしょうか。

その違いは、「朝」という時間帯ではなく、日頃から身体がどのように腰への負担を分散できているかにあります。骨盤や股関節、背骨が本来の役割を果たし、それぞれが協調して働いていれば、一部の椎間板へ過度な負担が集中し続けることはありません。

だからこそ、朝の腰痛を「朝だけの問題」と考えるのではなく、「なぜ腰椎や椎間板へ負担が集中しやすい身体の状態になっているのか」という視点で身体全体を見ていくことが大切なのです。

■ 本当に大切なのは、「朝の腰痛を我慢すること」ではなく、「腰へ負担が集中する理由」を知ることです

朝起きたときに腰が痛いと、「寝具が合わないのかもしれない」「寝方が悪かったのではないか」と考える方は少なくありません。もちろん、寝具や睡眠環境が影響することはあります。しかし、それだけで毎朝繰り返される腰痛を説明できるとは限りません。

私たちの身体は、骨盤や股関節、背骨が互いに連動しながら重力による負担を分散しています。そして、その一つひとつの動きは、脳が神経を介して筋肉や関節から送られてくる情報を処理し、絶えずコントロールしています。

そのため、朝になると腰痛が現れるのであれば、「朝だから痛い」のではなく、「腰椎や椎間板へ負担が集中しやすい身体の状態になっているのではないか」という視点で考えることが大切です。朝は、椎間板が一晩かけて本来の状態へ回復したことで、その負担が表面化しやすいタイミングに過ぎないのです。

だからこそ、カイロプラクティックでは「腰が痛いから腰だけを見る」という考え方はしません。当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価を組み合わせながら、神経系の働きや骨盤・股関節・背骨を含めた身体全体の状態を総合的に評価しています。朝の腰痛という結果だけではなく、「なぜ腰椎や椎間板へ負担が集中する身体になっているのか」という背景まで確認することを大切にしているからです。

私たちが目指しているのは、「朝だけ痛いから様子を見る」という状態ではありません。身体全体が本来のバランスを保ち、それぞれの関節が協調して働くことで、椎間板へ過度な負担が集中しにくい状態を目指すことです。その結果として、朝だけではなく、一日を通して快適に動ける身体づくりにつながると私たちは考えています。

毎朝繰り返される腰痛は、身体が発している大切なサインかもしれません。その場しのぎで痛みだけを見るのではなく、「なぜ朝になると腰痛が現れるのか」という視点から、ご自身の身体を見つめ直してみませんか。

ぜひ日々の健康維持のために、カイロプラクティックケアを役立ててみてください。

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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