2026.07.24

ホルモン感受性とは?ホルモンの量だけでは説明できない不調をカイロプラクティックの視点から考える

カテゴリ: 健康通信
ホルモン感受性とは?ホルモンの量だけでは説明できない不調をカイロプラクティックの視点から考える

「生理前になると気分の浮き沈みが大きくなる。」
「更年期になってから、今まで感じなかった不調が続いている。」
「病院では大きな異常はないと言われたけれど、毎月のように同じ不調を繰り返してしまう。」

このような悩みについて調べていると、最近SNSやインターネットで「ホルモン感受性」という言葉を目にすることが増えてきました。

「ホルモン感受性が高いから不調が出る」「ホルモン感受性を整えることが大切」といった情報を見て、「私もホルモン感受性が原因なのかな?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実際のところ「ホルモン感受性」とは何を意味するのでしょうか。
そして、本当に女性ホルモンだけで、生理前の不調や更年期にみられるさまざまな症状を説明できるのでしょうか。

近年の研究では、女性ホルモンは単独で働いているわけではなく、脳、自律神経、免疫、睡眠、ストレスなど、身体全体の働きと密接に関わりながら機能していることが分かってきています。つまり、同じ年代で同じようにホルモンが分泌されていても、症状の現れ方に個人差があるのは、ホルモンの量だけではなく、身体全体の情報伝達の違いも影響している可能性があるのです。

今回のコラムでは、最近話題になっている「ホルモン感受性」という言葉をカイロプラクティックの視点からお伝えします。

■ ホルモン感受性とは?ホルモンの「量」ではなく「受け取る力」が大切です

最近、「ホルモン感受性」という言葉を耳にする機会が増えていますが、医学的には「ホルモンをどれだけ分泌しているか」だけではなく、「身体がそのホルモンにどのように反応するか」という視点も重要だと考えられています。

ホルモンは、脳や卵巣、副腎、甲状腺などで作られ、血液に乗って全身へ運ばれる情報伝達物質です。しかし、ホルモンは体内を流れているだけでは働くことができません。届けられたホルモンを細胞が受け取り、その情報を読み取ることで初めて身体の変化につながります。

このとき重要な役割を担っているのが「ホルモン受容体(レセプター)」です。レセプターは細胞の表面や内部に存在し、ホルモンからのメッセージを受け取る「鍵穴」のような役割を果たしています。同じ量のホルモンが分泌されていても、この受け取り方には個人差があるため、生理前の不調(PMS)や更年期症状の現れ方にも違いが生じる一因になると考えられています。

近年では、ホルモンの働きは単独で決まるものではなく、遺伝的な要因や年齢、睡眠、栄養状態、ストレス、炎症、腸内環境など、さまざまな要素が影響し合っていることが分かってきました。そのため、「ホルモン感受性が高い・低い」という言葉だけで身体の状態を説明することは難しく、一人ひとり異なる背景を考えることが大切です。

さらに、女性ホルモンの分泌を調節している脳の視床下部は、自律神経の中枢としても知られています。つまり、ホルモンと自律神経はそれぞれが独立して働いているわけではなく、脳を中心に互いに影響し合いながら身体のバランスを保っています。

では、脳はどのようにして全身の状態を把握し、自律神経やホルモンの働きを調整しているのでしょうか。その鍵となるのが、脳と身体をつないでいる「神経」の働きです。

■ ホルモン感受性だけでは説明できない?脳と自律神経がつくる身体のバランス

「ホルモン感受性」という言葉を聞くと、「女性ホルモンだけが不調を左右している」と考えてしまう方も少なくありません。しかし、私たちの身体は、ホルモンだけでコントロールされているわけではありません。

女性ホルモンの分泌を調節しているのは、脳の「視床下部」と「下垂体」です。視床下部は、自律神経の中枢でもあり、体温調節、睡眠、食欲、血圧、心拍数、ストレスへの反応など、生命を維持するために欠かせない働きを24時間休むことなく調整しています。

つまり、女性ホルモンと自律神経は、それぞれ別々に働いているのではなく、脳を介して密接に連携しているのです。そのため、強いストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れなどが続くと、自律神経の働きだけでなく、ホルモンバランスにも影響を及ぼすことがあります。

ここで興味深いのは、同じようなホルモンの変化が起きていても、症状の現れ方が人によって大きく異なることです。例えば、生理前でも普段と変わらず過ごせる方がいる一方で、気分の落ち込みや頭痛、肩こり、疲労感などに悩まされる方もいます。更年期でも、ほとんど症状を感じない方がいる一方で、日常生活に支障をきたすほど不調が強く現れる方もいます。

こうした個人差は、ホルモンの量だけでは説明できません。ホルモンを受け取る細胞の反応性や遺伝的な要因、生活習慣などに加え、脳が身体の状態をどのように認識し、全身へどのような指令を送っているのかも関係していると考えられています。

実は、脳は一方的に身体へ命令を出しているわけではありません。皮膚や筋肉、関節、内臓など全身から送られてくる情報を絶えず受け取り、「今、身体では何が起きているのか」を判断しています。そして、その情報をもとに自律神経やホルモン分泌を細かく調節しています。

近年では、このような脳・神経・内分泌(ホルモン)・免疫が互いに影響し合う仕組みを「神経内分泌免疫ネットワーク」として研究する分野も発展しています。身体は、それぞれが独立して働くのではなく、常に情報をやり取りしながら健康を維持しているのです。

このように考えると、「ホルモン感受性」という一つの言葉だけで身体の状態を理解するのではなく、脳と身体の情報伝達という視点から全身を見ていくことも大切ではないでしょうか。

■ カイロプラクティックは「ホルモン」ではなく、脳と身体をつなぐ神経伝達に着目します

ここまでお伝えしてきたように、女性ホルモンは単独で働いているわけではありません。脳の視床下部を中心に、自律神経や免疫、睡眠、ストレスへの反応などと密接に関わりながら、身体全体のバランスを保っています。

人間の身体をコントロールしているのは脳です。脳は、皮膚や筋肉、関節、内臓など全身から送られてくる情報を神経を介して受け取り、「今の身体の状態」を常に判断しています。そして、その判断に基づいて、自律神経の働きや筋肉の緊張、血液循環など、全身へ必要な指令を送り続けています。

つまり、身体が本来の働きを十分に発揮するためには、「脳から身体へ指令が正しく伝わること」と、「身体から脳へ正確な情報が届くこと」の両方が欠かせません。この双方向の神経伝達が円滑に行われていることが、健康を維持するうえで大切だと私たちは考えています。

私たちカイロプラクターは、この神経伝達を妨げているサブラクセーション(根本原因)がないかを評価します。そのために、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価という5つの検査を組み合わせ、一つの情報だけで判断するのではなく、複数の検査結果を照らし合わせながら原因を特定していきます。

検査の目的は、多くの場所をアジャストメントすることではありません。本当に必要な部位を正確に見極めることです。原因を正しく評価できなければ、適切なケアにつなげることはできません。だからこそ、私たちは検査を何よりも大切にしています。

カイロプラクティックは、女性ホルモンを増やしたり、「ホルモン感受性」を直接変えたりすることを目的としたものではありません。しかし、脳と身体が神経を介して正確に情報をやり取りできる状態を目指すことは、その人が本来持っている自然治癒力を十分に発揮できる身体づくりにつながると考えています。

SNSでは「ホルモン感受性」という言葉だけが注目されることもありますが、私たちは一つの言葉や一つの症状だけを見るのではなく、脳・神経・身体全体のつながりという視点から、一人ひとり異なる身体の状態を丁寧に評価することを大切にしています。

ホルモン、自律神経、神経伝達は、それぞれが独立して働くものではなく、互いに影響し合いながら身体の機能を支えています。そのつながりを理解し、ご自身の身体をより深く知ることが、将来の健康づくりへの第一歩になるかもしれません。

ホルモン感受性という言葉が広く知られるようになり、以前よりも女性ホルモンと身体の関係に注目が集まるようになりました。しかし、実際の身体はホルモンだけで働いているわけではありません。

脳、自律神経、神経伝達、睡眠、ストレス、免疫など、さまざまな仕組みが互いに影響し合いながら、私たちの身体は毎日バランスを保っています。同じ年代で同じようなホルモン変化が起きていても、不調の現れ方に個人差があるのは、身体全体の働きが一人ひとり異なるためかもしれません。

だからこそ、「ホルモン感受性が高いから」「女性ホルモンのせいだから」と一つの言葉だけで考えるのではなく、ご自身の身体がどのような状態にあるのかを知ることが大切です。

私たちカイロプラクターは、症状だけを見るのではなく、脳と身体をつなぐ神経伝達に着目し、サブラクセーション(根本原因)がないかを丁寧に評価します。そして、本当に必要な場所だけをアジャストメントすることで、脳と身体が円滑に情報をやり取りし、その人が本来持っている自然治癒力を十分に発揮できる状態を目指しています。

身体の状態を正しく知ることが健康への第一歩になるかもしれません。

藤沢市で婦人科系のお体の不調に悩まれている方からも多くご相談をいただいています。ご自身の身体について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
中島 恵

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。

コラム一覧へ戻る
pagetop