デスクワークで腰痛が悪化するのはなぜでしょうか?│座りっぱなしだけが原因とは限りません
テレワークやデスクワークが続くようになってから、腰痛がひどくなった。
朝はそれほど気にならないのに、仕事を始めて何時間かすると腰が重くなり、夕方には座っていることさえつらくなる。
「座りっぱなしだから仕方がない。」
「運動不足だから腰が痛くなるんだろう。」
「姿勢が悪いから腰に負担がかかっているのかもしれない。」
このように考えながら、ストレッチやウォーキングを始めたり、マッサージや整体へ通ったりしている方も多いのではないでしょうか。
特に女性の場合には、生理前や生理中になると普段以上に腰痛が強くなり、下腹部の痛みや身体のだるさまで重なることで、仕事や日常生活に集中できなくなってしまうこともあります。
一般的に、デスクワークによる腰痛には長時間の座り姿勢や運動不足、筋肉の緊張などが関係すると考えられています。もちろん、これらは腰への負担を考えるうえで大切な要素です。
しかし、同じように長時間座って仕事をしていても、腰痛になる人もいれば、まったく腰痛を感じない人もいます。
では、本当に「長時間座っていること」だけが腰痛の原因なのでしょうか。
私たちの身体は、腰だけが独立して働いているわけではありません。脳・神経・筋肉・関節・内臓などが互いに連携しながら、一つの身体として機能しています。そのため、腰痛について考えるときにも、痛みが出ている腰だけではなく、身体全体の働きという視点から考えることが大切だと私たちは考えています。
このコラムでは、デスクワークで腰痛が悪化するのはなぜなのか、そして当院ではどのような考え方で身体を評価しているのかについて解説していきます。
■デスクワークで腰痛が悪化するのはなぜでしょうか?
デスクワークをしている方の中には、「仕事を始めた直後は大丈夫なのに、時間が経つにつれて腰が重くなる」「夕方になると腰が痛くて座っているのがつらい」という方が少なくありません。
では、なぜデスクワークを続けることで腰痛が起こりやすくなるのでしょうか。
一般的な原因の一つとして考えられているのが、長時間同じ姿勢を続けることによる身体への負担です。
私たちの身体は、本来さまざまな動きをすることを前提につくられています。しかし、パソコン作業などで長時間椅子に座っていると、身体を動かす機会が少なくなり、腰や背中、お尻などの筋肉が長時間同じような状態で使われ続けることになります。
特に仕事に集中していると、気づかないうちに何時間も座り続けてしまうことがあります。前かがみになったり、背中を丸めたり、左右どちらかへ身体を傾けたりする姿勢が続けば、特定の筋肉や関節へ負担が集中しやすくなります。
また、テレワークでは職場とは異なる環境で仕事をすることもあります。高さの合わない机や椅子を使用したり、ノートパソコンを長時間のぞき込んだりすることで、身体への負担がさらに大きくなることも考えられます。
さらに、通勤がなくなることで歩く時間が減り、一日の活動量そのものが低下することもあります。以前は駅まで歩いたり、階段を上ったり、職場の中を移動したりしていた方でも、テレワークになると朝から夕方までほとんど身体を動かさないという生活になってしまうことがあります。
そのため、デスクワークによる腰痛では、仕事の合間に身体を動かす、座る時間を短くする、机や椅子などの環境を見直す、適度な運動を取り入れるといった対策が一般的に行われています。痛みが強い場合には、湿布や鎮痛剤、リハビリテーションなどが用いられることもあります。
もちろん、こうした対策によって腰への負担を減らすことは大切です。
しかし、その一方で、同じような環境で仕事をしていても腰痛になる人もいれば、長時間座っていても腰痛を感じない人もいます。また、ストレッチや運動を続けたり、マッサージを受けたりしても、しばらくすると腰痛を繰り返してしまう方もいます。
さらに女性の場合には、普段のデスクワークによる腰痛に加えて、生理前や生理中になると腰痛が強くなったり、下腹部痛など別の症状が同時に現れたりすることもあります。
では、このような腰痛を「座りっぱなしだから」「腰の筋肉が硬いから」という理由だけで説明できるのでしょうか。
腰痛は、あくまでも身体に現れている一つのサインです。次の章では、痛みが出ている腰だけではなく、「身体全体」という視点から腰痛について考えていきます。
■腰痛は本当に腰だけの問題なのでしょうか?
腰が痛くなると、多くの方は「腰の筋肉が硬くなっている」「座りすぎて腰に負担がかかっている」と考えるのではないでしょうか。
もちろん、長時間のデスクワークによって腰周辺の筋肉や関節へ負担がかかることはあります。しかし、ここで一つ考えていただきたいことがあります。
腰痛は、本当に腰だけの問題なのでしょうか。
今回のように女性の腰痛について考えると、この疑問がより分かりやすくなります。普段から腰痛がある方の中には、生理前や生理中になると腰痛が強くなり、それと同時に下腹部痛や身体のだるさなど、別の症状まで強くなる方がいます。
腰と子宮は別々の場所にあります。それにもかかわらず、なぜ生理周期によって腰痛まで変化するのでしょうか。
それは、私たちの身体が一つひとつの部位に分かれて、それぞれ独立して働いているわけではないからです。
私たちの身体では、脳・神経・筋肉・関節・内臓などが絶えず連携しています。身体のあらゆる場所から集められた情報は神経を通して脳へ届けられ、脳はその情報をもとに現在の身体の状態を把握しています。そして必要に応じて、再び神経を通して全身へ指令を送り返しています。
腰の筋肉や関節も、女性の身体に起こる生理周期の変化も、この身体全体の働きから切り離して考えることはできません。
だからこそ、腰痛に対して腰を揉んだり、ストレッチをしたりすることで一時的に楽になったとしても、しばらくすると再び同じ症状を繰り返すことがあります。それは必ずしも腰だけに問題があるのではなく、身体全体の働きという視点から考える必要があることを示しているのかもしれません。
もちろん、生理痛を伴う腰痛には婦人科疾患などが隠れている場合もあるため、必要に応じて医療機関で適切な検査を受けることも大切です。そのうえで、検査では大きな異常が見つからないにもかかわらず腰痛を繰り返している場合には、痛みが出ている場所だけではなく、身体全体の働きへ目を向けることも重要になります。
腰痛は、身体に起きている問題を知らせてくれている一つのサインです。
「どこの筋肉が硬いのか」「どこが痛いのか」だけを追いかけるのではなく、「なぜ身体は腰痛というサインを出しているのか」という視点を持つことが大切です。
では、その身体全体をつないでいる神経の働きに負担がかかっている場合、カイロプラクティックではどのように考えるのでしょうか。次の章では、当院が腰痛という症状だけではなく、神経の働きを重視している理由について解説していきます。
■神経の働きを整え、「治るチカラ」を支えることがカイロプラクティックの役割です
ここまでお読みいただくと、なぜ当院がデスクワークによる腰痛に対して、痛みが出ている腰だけではなく、身体全体の状態を大切に考えているのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
私たちの身体は、腰、筋肉、関節、内臓などがそれぞれ独立して働いているわけではありません。身体のあらゆる場所から集められた情報は神経を通して脳へ届けられ、脳はその情報をもとに現在の身体の状態を把握しています。そして、必要な指令を再び神経を通して全身へ送り返しています。
長時間座って仕事をしているときにも、身体の中ではこの情報交換が絶えず行われています。どのような姿勢をしているのか、どの筋肉に負担がかかっているのか、関節がどのように動いているのか、内臓がどのような状態にあるのか。脳は身体から届く膨大な情報を受け取りながら、環境の変化に適応し、身体のバランスを保とうとしています。
だからこそ大切なのは、腰痛という症状だけを追いかけることではなく、身体から脳へ正しい情報が届けられているのかという視点です。
カイロプラクティックで行うことは、痛みがある腰を揉んだり、腰痛や生理痛という症状を直接取り除いたりすることではありません。神経の働きを妨げているサブラクセーション(神経伝達の阻害)を丁寧に評価し、必要な箇所へアジャストメントを行うことで、身体から脳へ情報が届きやすい状態をつくることです。
身体から正しい情報が脳へ届けられれば、脳はその情報をもとに身体で何が起きているのかを判断し、必要な指令を全身へ送り返すことができます。私たちカイロプラクターの役割は、その仕組みが本来どおり働けるようにお手伝いすることであり、患者様に代わって身体を治すことではありません。
今回の症例のように、デスクワークによる慢性的な腰痛だけではなく、生理周期に合わせて腰痛や生理痛が強くなる場合でも、当院では「腰痛だから腰」「生理痛だから子宮」と身体を分けて考えることはありません。
腰痛も生理痛も、身体から発せられている大切なサインです。だからこそ、そのサインだけを消すことを目的とするのではなく、「なぜ身体はそのようなサインを出しているのか」という視点から、身体全体の状態を丁寧に評価することを大切にしています。
身体を回復へ導いているのは、私たちカイロプラクターではありません。患者様ご自身が生まれながらに持っている「治るチカラ」です。
私たちはその力を100%信じ、尊重しています。その「治るチカラ」が最大限に発揮できるよう神経の働きを整え、身体から脳へ正しい情報が届けられる環境をつくること。それが、私たち前田カイロプラクティック藤沢院が創業以来、一貫して大切にしているカイロプラクティック哲学です。
同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ実際の症例もご覧ください。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


