目の奥がズキズキ痛むのはなぜ?頭痛を伴う眼精疲労の原因とは
「夕方になると、目の奥がズキズキと痛くなる。」
「パソコン作業を続けていると、目の疲れだけではなく頭まで痛くなってくる。」
「休んでもなかなか楽にならず、仕事に集中するのもつらい。」
このように、目の疲れだけではなく、目の奥の痛みや頭痛まで伴う状態に悩まされている方も少なくありません。
現代では、仕事でパソコンを長時間使用するだけではなく、日常生活でもスマートフォンやタブレットを見る時間が増えています。そのため、「目が疲れる」「目が重い」と感じること自体は、決して珍しいことではなくなりました。
しかし、目を使ったあとに一時的な疲れを感じても、休息や睡眠によって回復するいわゆる「疲れ目」と、目の痛みやかすみなどが続き、頭痛や肩こりなど身体にも症状が現れる「眼精疲労」は、同じものではありません。
特に、目の奥がズキズキと痛み、さらに強い頭痛まで伴うようになると、「単なる目の疲れではないのではないか」「脳に何か問題があるのではないか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
目の奥の痛みや頭痛にはさまざまな原因が考えられるため、症状が強い場合や繰り返す場合、これまでに経験したことのない頭痛が現れた場合などには、自己判断せず眼科や医療機関で適切な検査を受けることが大切です。
一方で、検査を受けても大きな異常が確認されず、目薬を使ったり休息を取ったりしても、目の奥の痛みや頭痛を繰り返している方もいます。では、なぜ同じように目を使っていても、一時的な疲れ目で終わる人がいる一方で、頭痛まで伴う眼精疲労に悩まされる人がいるのでしょうか。
眼精疲労を考えるときには、目だけに注目するのではなく、長時間の視作業によって身体にどのような負担がかかっているのか、その人の身体がその負担にどのように適応しているのかという視点も大切です。
このコラムでは、疲れ目と眼精疲労の違い、頭痛を伴う眼精疲労が起こる原因、そして眼精疲労を繰り返す身体を考えるうえで大切な視点について解説していきます。
■疲れ目と眼精疲労は何が違うのでしょうか?
パソコンやスマートフォンを長時間使用したあとに、「目が重い」「目がかすむ」「目の奥が疲れた」と感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。しかし、一般的にいわれる「疲れ目」と「眼精疲労」は、まったく同じ状態を指しているわけではありません。
一時的に目を使いすぎたことで疲れを感じても、目を休ませたり十分な睡眠を取ったりすることで回復するものは、一般的に「疲れ目」あるいは「眼疲労」と呼ばれます。一方、休息や睡眠を取っても症状が十分に回復せず、目の痛みやかすみ、まぶしさ、充血などの症状を繰り返し、さらに頭痛や首・肩のこり、吐き気など身体にも症状が現れる状態が「眼精疲労」です。
私たちは近くのものを見るとき、目の中にある水晶体の厚さを調節したり、両目を内側へ寄せたりしながらピントを合わせています。パソコンやスマートフォンなどを長時間見続けるということは、こうした働きを長時間繰り返すことでもあり、目には継続的な負担がかかります。
さらに、画面を集中して見続けていると瞬きの回数が減り、目の表面が乾燥しやすくなることがあります。画面との距離や文字の大きさ、照明、眼鏡やコンタクトレンズの度数、近視や遠視、乱視、老眼、ドライアイなども眼精疲労に関係する要因として考えられています。
また、パソコン作業では目だけを使っているわけではありません。長時間同じ姿勢を続けながら画面を見ていると、首や肩周辺の筋肉にも負担がかかります。そのため、眼精疲労では目の症状だけにとどまらず、首や肩のこり、頭痛などが同時に現れることがあります。
特に「目の奥が痛い」「目の奥から頭にかけてズキズキする」という症状がある場合、すべてを眼精疲労だけで説明できるとは限りません。目の病気だけではなく、片頭痛をはじめとした頭痛や、その他の疾患が隠れている可能性もあるため、症状が強い場合や繰り返す場合、急激に強い頭痛が現れた場合などには、眼科や医療機関で適切な検査を受けることが重要です。
眼精疲労は一つの原因だけで起こるとは限らず、目そのものの状態、視作業を行う環境、姿勢や生活習慣、睡眠、精神的なストレスなど、さまざまな要因が重なって現れることがあります。そのため、「パソコンを見すぎたから目が疲れただけ」と考えていても、休息だけではなかなか回復せず、頭痛などによって仕事や日常生活にまで影響が及ぶことがあります。
しかし、ここで一つ疑問が生じます。同じ職場で同じようにパソコンを使い、同じような時間だけ目を酷使していても、休めば回復する人がいる一方で、目の奥の痛みや激しい頭痛まで繰り返す人もいます。では、この違いはどこから生まれるのでしょうか。次の章では、目にかかる負担だけではなく、その負担に身体がどのように適応しているのかという視点から考えていきます。
■同じように目を使っていても、眼精疲労になる人とならない人がいるのはなぜでしょうか?
パソコンやスマートフォンを長時間使用すれば、目には一定の負担がかかります。しかし、同じような環境で仕事をしていても、少し休めば目の疲れが回復する人もいれば、目の奥の痛みや頭痛、首や肩のこりなどが長く続く人もいます。
この違いを考えるうえで大切なのは、目にどれだけ負担がかかったのかだけではなく、その負担に身体がどのように適応しているのかという視点です。
私たちの身体は、外から入ってくる情報や身体内部の状態を絶えず受け取りながら、そのときの環境に合わせて調整を続けています。目から入った視覚情報も神経を通して脳へ送られ、脳はその情報をもとに目の動きや姿勢など、さまざまな働きを協調させています。
特にパソコン作業では、目だけが働いているわけではありません。画面を見る位置に合わせて頭や首の位置を保ち、同じ姿勢を長時間維持しながら、視覚情報を処理し続けています。そのため、眼精疲労を考えるときには、目そのものの状態だけではなく、脳と身体が長時間の視作業にどのように対応しているのかまで含めて考えることが大切です。
身体が環境の変化に適応するためには、脳と身体との情報交換が適切に行われていることが重要です。身体から送られてくるさまざまな情報は神経を通して脳へ届けられ、脳はその情報をもとに身体の状態を把握し、そのとき必要な指令を再び神経を通して全身へ送り返しています。
カイロプラクティックでは、この脳と身体との情報交換を妨げる状態を「サブラクセーション」と呼んでいます。サブラクセーションによって神経伝達が阻害されれば、身体から脳へ届けられる情報にも影響が及び、その人が本来持っている身体の調整機能を十分に発揮しにくくなると考えます。
だからこそ前田カイロプラクティック藤沢院では、「目が疲れているから目だけを見る」「頭が痛いから頭だけを見る」という考え方はしていません。レントゲン評価、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定など複数の検査を組み合わせ、その人の身体全体を評価することを大切にしています。
カイロプラクティックの目的は、眼精疲労や頭痛そのものを直接取り除くことではありません。神経の働きを妨げているサブラクセーションを見極め、必要な箇所へアジャストメントを行うことで、脳と身体との情報交換が適切に行われる環境を整えていきます。その結果として、その人自身が生まれながらに持っている「治るチカラ」が最大限に発揮できる状態を目指します。
同じように長時間パソコンを使っていても、身体がその負担に適応できている人と、目の奥の痛みや頭痛などとして負担が表面化する人がいます。だからこそ眼精疲労を考えるときには、「目を使いすぎた」という一つの要因だけで終わらせず、その人の身体がどのような状態にあるのかまで含めて見ることが大切です。
では実際に、長時間のパソコン作業を続ける中で目の奥がズキズキと痛むようになり、激しい頭痛にまで悩まされていた方の身体には、どのような状態が確認されたのでしょうか。次の章では、実際に当院へ来院された方の症例をご紹介します。
■目の奥がズキズキと痛み、激しい頭痛に悩まされていた実際の症例
今回ご紹介するのは、長時間のパソコン作業を続ける中で眼精疲労が悪化し、目の奥の痛みや激しい頭痛に悩まされるようになった50代の男性です。
仕事では一日中パソコンを使用することが多く、最初は目の奥に重さを感じる程度でした。しかし、次第に夕方になると目の奥がズキズキと痛むようになり、その痛みとともに激しい頭痛も現れるようになりました。症状は仕事だけではなく睡眠にも影響を及ぼすほどになっていました。
眼科だけではなく内科や神経内科も受診し、脳のMRI検査も受けましたが、頭痛につながるような大きな異常は確認されませんでした。頭痛薬や点眼薬なども使用していましたが症状はなかなか変わらず、仕事でパソコンを使わないわけにもいかないため、日常的に強い負担を感じる状態が続いていました。
当院では、「眼精疲労だから目だけを見る」「頭痛があるから頭だけを見る」のではなく、レントゲン評価、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定など複数の検査を組み合わせ、身体全体の状態を詳しく評価しました。
検査では、頸部を中心に可動性の低下や筋肉の緊張、体表温度の左右差など、神経機能への影響を考えるうえで重要な変化が確認されました。そこで、それぞれの検査結果を照らし合わせながらサブラクセーションを見極め、必要と判断した箇所へアジャストメントを行っていきました。
ケアを継続する中で、夕方になると現れていた目の奥のズキズキとした痛みに変化がみられるようになり、それに伴って激しい頭痛にも変化が現れました。仕事中にパソコンを使用していても以前ほど症状を気にすることがなくなり、睡眠への影響も少なくなっていきました。
その後は、長時間パソコン作業を行った日でも目の奥の痛みや頭痛を感じることがほとんどなくなり、以前のように症状を気にしながら仕事をすることもなくなりました。
この症例で、カイロプラクターが眼精疲労や頭痛を直接治したわけではありません。当院が行ったのは、その人の身体を詳しく評価し、神経の働きを妨げているサブラクセーションに対して必要なアジャストメントを行うことです。
身体を回復へ導いているのは、その人自身が生まれながらに持っている「治るチカラ」です。その力が最大限に発揮できるよう、神経の働きを整え、脳と身体との情報交換が適切に行われる環境をつくることが、カイロプラクティックの大切な役割です。
眼精疲労というと、どうしても「目を使いすぎたから」と考えがちです。しかし、休息を取っても目の奥の痛みや頭痛を繰り返している場合には、目だけに注目するのではなく、その人の身体が日々の負担にどのように適応しているのかまで含めて評価することも大切です。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


