病院で「異常なし」と言われたのに手がしびれるのはなぜ?
病院で検査を受けたものの、「異常はありません」と言われた。それなのに、手のしびれは一向に良くならない。このような経験をされたことはありませんか。
「異常がないなら、このしびれは何なのだろう。」
「このまま様子を見ていて本当に大丈夫なのだろうか。」
そのような不安を抱えながら、何度もインターネットで原因を調べたり、別の医療機関を受診したりする方も少なくありません。
もちろん、病院で「異常なし」と言われたことは、とても大切な検査結果です。脳梗塞や脳出血、頚椎疾患など、重大な病気が見つからなかったということは、まず安心すべき大切な情報だからです。
しかし、「異常なし」という結果は、「手のしびれが起きている理由がすべて分かった」という意味ではありません。
実際の臨床では、病院の検査で異常が見つからなかったにもかかわらず、手のしびれが続いている方は少なくありません。そして、そのような方ほど、「どこへ相談すればいいのか分からない」という新たな悩みを抱えてしまうことがあります。
では、病院では異常なしと言われたにもかかわらず、なぜ手のしびれは続いてしまうのでしょうか。
今回のコラムでは、「異常なし」という検査結果が意味すること、そして手のしびれを身体全体から考えることの大切さについてお伝えしていきます。
■ 「異常なし」と「何も問題がない」は同じ意味ではありません
病院で「異常はありません」と言われると、「問題はなかったんだ」と安心される方が多いと思います。
実際に、脳梗塞や脳出血、頚椎疾患など、命に関わる病気や緊急性の高い疾患が見つからなかったということは、とても大切な検査結果です。その意味では、「異常なし」と診断されたことは決して悪いことではありません。
しかし、「異常なし」という言葉だけが一人歩きしてしまうと、「手のしびれの原因も分からなかった」という意味と混同されてしまうことがあります。
実際には、この二つは同じ意味ではありません。
例えば、病院で行われるレントゲン検査やMRI、CT、血液検査などは、それぞれ目的が異なります。骨折や腫瘍、脳血管障害、炎症、感染症など、重大な病気が隠れていないかを確認するためには欠かせない、とても重要な検査です。
一方で、「なぜその人の手がしびれているのか」という身体全体の機能的な問題まで、すべてを明らかにすることを目的とした検査ではありません。
そのため、重大な病気は見つからなかったものの、手のしびれだけが続いてしまうというケースは、決して珍しいことではありません。
また、「手のしびれ」と一言で言っても、症状の現れ方は一人ひとり異なります。親指だけがしびれる方もいれば、小指だけがしびれる方もいます。指先だけの違和感から始まる方もいれば、手全体や腕まで広がる方もいます。細かい作業がしづらい方、力が入りにくい方、首や肩の違和感を伴う方もいらっしゃいます。
このように症状の現れ方が異なるということは、その背景にある身体の状態も同じではないということです。
だからこそ、「病院で異常なしだった」という結果だけで安心するのではなく、「なぜ自分の身体では手のしびれが起きているのか」という視点で身体全体を考えることが大切になります。
■ 手のしびれは、「手だけ」の問題とは限りません
私たちは普段、手で物をつかんだり、ボタンを留めたり、字を書いたりと、ごく当たり前のように手を使っています。
しかし、この何気ない動作は、手だけで行われているわけではありません。
例えば、コップを持ち上げるという動作一つをとっても、脳は「手を伸ばす」「指を開く」「力を入れて握る」「コップの重さに合わせて握力を調整する」といった複雑な指令を瞬時に出しています。同時に、手や指では「どれくらい力が入っているのか」「熱くないか」「滑っていないか」といった情報が神経を通して脳へ送り返され、その情報をもとに脳は次の指令を出しています。
つまり、手を動かすということは、一方通行ではありません。
脳から手へ指令が送られ、手から脳へ情報が送り返される。この情報のやり取りが絶えず繰り返されることで、私たちは初めて自由に手を使うことができるのです。
そのため、この神経の情報伝達が何らかの影響を受けると、「指先がジンジンする」「触っている感覚が鈍い」「細かい作業がしづらい」「物を落としやすくなった」といった手のしびれや違和感として現れることがあります。
当院で採用しているガンステッド・システムでは、このような神経の働きを妨げる状態を評価するうえで、サブラクセーションという考え方を大切にしています。
サブラクセーションは、「骨の位置だけ」を見て判断するものではありません。体表温度の変化、視診による身体全体のバランス、静的触診や動的触診による関節や筋肉の状態、そしてレントゲンによる構造的な評価など、複数の検査結果を照らし合わせながら総合的に判断していきます。
つまり、「手がしびれているから手だけを診る」という考え方ではありません。
脳と手をつないでいる神経系に着目し、「なぜその人の身体では神経が正常に働きにくくなっているのか」という視点で身体全体を評価していくことが、カイロプラクティックにおける大きな特徴の一つです。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


