2026.09.23

朝の頭痛、午後の頭痛、薬が手放せない慢性頭痛。3つの症例から考える身体の違い

カテゴリ: 健康通信
朝の頭痛、午後の頭痛、薬が手放せない慢性頭痛。3つの症例から考える身体の違い

「朝、目を覚ました瞬間から頭が痛い。」
「午前中は大丈夫なのに、午後になると決まってこめかみが痛くなる。」
「頭痛薬を飲めば楽になるけれど、しばらくするとまた痛くなってしまう。」

ひとくちに「頭痛」といっても、その現れ方は人によって大きく異なります。目覚めた瞬間から痛む人もいれば、一日の後半になってから痛みが強くなる人もいます。こめかみがズキズキする、後頭部が締めつけられる、目の奥が重い、吐き気を伴うなど、感じ方にもさまざまな違いがあります。

頭痛が続くと、多くの人がまず気になるのは「頭の中に何か異常があるのではないか」ということではないでしょうか。実際、突然の激しい頭痛や、これまで経験したことのない頭痛、意識や神経症状を伴う場合などには、医療機関で適切な評価を受けることが重要です。一方で、CTやMRIなどの検査で大きな異常が確認されていなくても、頭痛を繰り返している人も少なくありません。

そもそも「頭が痛い」という感覚は、単純に頭の中の一か所だけで生まれているわけではありません。脳そのものには一般的な意味で痛みを感じる受容器がほとんどなく、頭痛には髄膜や血管、頭頸部の筋肉や関節、神経など複数の組織から送られる情報と、それを処理する神経系の働きが関係しています。

そのため、同じ「頭痛」という名前がついていても、すべての人の身体で同じことが起きているとは限りません。朝に強く出る頭痛と、午後に強くなる頭痛では、一日の中で症状が現れる条件そのものが違います。また、睡眠、仕事中の負担、精神的な緊張、光や音、気圧の変化、首や肩の状態など、頭痛の感じ方に影響する要素も一人ひとり異なります。

さらに、慢性的な頭痛では「痛みをどう止めるか」だけではなく、「なぜ同じような頭痛を何度も繰り返しているのか」という視点も大切になります。頭痛薬はつらい痛みを抑えるための重要な選択肢ですが、一時的に痛みが軽くなっても、また翌日や数時間後に頭痛が戻ってくると、「このままずっと薬を飲み続けるしかないのだろうか」と不安になる方もいるでしょう。

前田カイロプラクティック藤沢院にも、慢性的な頭痛を抱えて来院される方がいます。しかし、実際に身体を確認してみると、「頭痛」という共通点があっても、その人が訴える症状の時間帯や生活背景、首や身体の状態、検査で確認される所見は同じではありません。

今回取り上げる3人の女性もそうでした。一人は朝の目覚めとともに強い頭痛を感じ、もう一人は午後になるとこめかみの痛みが強くなり、さらにもう一人は長年続く頭痛によって頭痛薬が手放せなくなっていました。症状名だけを見れば全員「慢性頭痛」ですが、それぞれが経験していた頭痛は決して同じものではありません。

だからこそ、頭痛を考えるときには「頭が痛いから頭だけを見る」「肩がこっているから筋肉だけをほぐす」といった一つの視点だけではなく、その人の身体がどのような状態にあり、どのような条件の中で痛みを感じているのかを広く捉えることが重要になります。

このコラムでは、朝に強く現れる頭痛、午後に繰り返す頭痛、頭痛薬が手放せなくなった慢性頭痛という3つの実際の症例を通して、頭痛の現れ方が人によって異なる理由と、慢性的な頭痛を身体全体から考えるうえで大切な視点について解説していきます。

■寝起きに強い頭痛が現れ、朝を迎えることが怖くなっていた30代女性

今回ご紹介する1人目は、藤沢市にお住まいの30代女性です。大学卒業後から事務職として働き、毎日パソコンを使って資料作成やメール対応を行っていました。長時間デスクに向かう生活を続けていましたが、以前は大きな不調を感じることなく過ごしていました。

ところが数年前から、朝目覚めたときにこめかみがズキズキと脈打つように痛むようになりました。当初は軽い違和感程度だったものが徐々に強くなり、ここ1年ほどは布団から起き上がることさえつらいほどの頭痛を感じるようになっていました。特に特徴的だったのが、平日より少し長く眠った休日の朝ほど頭痛が強くなることでした。

「疲れているのだから、休日くらいゆっくり眠りたい」。本来なら身体を休めるはずの睡眠が、この女性にとっては頭痛への不安につながっていました。朝はこめかみを中心に強い痛みを感じ、身体も重く、仕事が始まってからも集中力が続きません。それにもかかわらず、昼頃になると少しずつ痛みが軽くなっていくという、一日の中でも大きな変化がありました。

ここで注目したいのは、「朝に頭痛がある」という症状だけではありません。人間の身体は、眠っている間と活動している昼間とでまったく同じ状態にあるわけではありません。睡眠と覚醒の切り替えに伴って、自律神経の活動やホルモン分泌、血圧などさまざまな生理機能が変化します。また、睡眠時間や睡眠の質、寝ている間の姿勢、起床後の活動など、朝という時間帯には複数の条件が重なっています。

そのため、「寝起きに頭が痛い」というだけで、その原因を枕や寝姿勢、首や肩の筋肉など一つの要素へ決めつけることはできません。実際、朝の頭痛は片頭痛や睡眠に関連する問題などさまざまな背景でみられることがあり、繰り返す場合には症状の現れ方や随伴症状を含めて適切に評価することが大切です。

この女性も枕や寝具を変え、寝る前のストレッチや身体を温めることなど、自分でできることをいくつも試していました。整体やマッサージを受けたこともありましたが、朝の頭痛には大きな変化がなく、やがて「朝が来るのが怖い」「また痛みで目が覚めるのではないか」と不安を抱えながら眠るようになっていました。そんなとき、同じように朝の頭痛に悩んでいた職場の同僚から紹介され、前田カイロプラクティック藤沢院へ来院されました。

当院では、頭痛があるからといって頭部や首の筋肉だけを見るのではなく、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定、レントゲン評価などを組み合わせて身体を確認しました。この女性では頸部だけでなく複数の部位に可動性や体表温度の変化などが確認されており、それぞれの検査結果を照らし合わせながらサブラクセーションを見極め、必要と判断した箇所へアジャストメントを行っていきました。

カイロプラクティック・ケアを継続する中で、まず起床時のこめかみの痛みに変化がみられ、その後は休日に少し長く眠った朝にも以前ほど頭痛を感じなくなっていきました。それに伴って頭痛薬を使わずに過ごせる日も増え、朝の頭痛だけでなく、日中の集中力や首・肩の状態にも変化がみられました。詳しい検査所見やケアの経過については、この女性の症例報告でご紹介しています。

▶寝起きに襲う激しい頭痛で毎朝の頭痛薬が手放せなくなった詳しい症例報告はこちら

■午後になるとこめかみの頭痛が強くなり、仕事に集中できなくなっていた30代女性

2人目は、午前中は比較的問題なく過ごせるものの、午後になると決まってこめかみの頭痛が強くなっていた30代女性です。朝から頭痛に悩まされていた1人目とは対照的に、一日の活動が進むにつれて症状が現れてくることが、この女性の頭痛の大きな特徴でした。

仕事では長時間パソコンを使用しており、午後になるとこめかみがズキズキと脈打つように痛み始め、次第に仕事へ集中することも難しくなっていました。頭痛が強い日には目の奥にも痛みを感じ、吐き気を伴うこともありました。仕事を続けるために頭痛薬を使用することもありましたが、同じような頭痛を繰り返していました。

このように「午後になると頭痛が出る」と聞くと、長時間のパソコン作業や首・肩の疲労だけが原因のように考えたくなるかもしれません。しかし、一日の中で私たちの身体に起こっている変化はそれだけではありません。朝起きてから午後までには、身体活動、食事、水分摂取、精神的な緊張、光や音などへの刺激、仕事中の姿勢や視覚作業など、さまざまな条件が積み重なっています。

頭痛の場合も、痛みの強さは単純に「何時間パソコンを使ったか」「筋肉がどれだけ硬くなったか」だけで決まるわけではありません。頭部や頸部などから入ってくるさまざまな感覚情報は神経を介して伝えられ、最終的には神経系で処理されることで「痛み」として認識されます。そのため、同じように仕事をしていても、午前中にはほとんど痛みを感じず、午後になってから強く感じるという変化が起こることがあります。

ここで重要なのは、「午後に痛くなる=午後に原因が発生した」とは限らないということです。症状が現れた時間だけを見るのではなく、そこへ至るまでに身体がどのような状態で一日を過ごしていたのかを見る必要があります。これは頭痛を単なる「頭の問題」として考えないためにも大切な視点です。

この女性も医療機関を受診し、頭部の検査を受けていましたが、大きな異常は確認されていませんでした。それでも午後になると頭痛を繰り返し、仕事や日常生活への影響が続いていたため、前田カイロプラクティック藤沢院へ来院されました。

当院では、こめかみに痛みがあるからといって頭部だけを確認したり、デスクワークだからと首や肩の筋肉だけを問題としたりすることはありません。視診、静的触診、動的触診、体表温度測定、レントゲン評価など複数の検査を組み合わせ、身体全体の状態を評価しました。それぞれの検査結果を照らし合わせながらサブラクセーションを見極め、必要と判断した箇所へアジャストメントを行っていきました。

カイロプラクティック・ケアを継続する中で、午後に感じていたこめかみの頭痛に変化がみられ、仕事中に頭痛を気にせず過ごせる時間が増えていきました。それに伴って目の奥の重さや首・肩の状態にも変化がみられ、以前のように午後になること自体を不安に感じることも少なくなっていきました。

1人目の女性は「朝」、この女性は「午後」と、同じ慢性的な頭痛でも症状が強く現れる時間帯は異なっていました。この違いからも、「頭痛」という症状名だけで身体の状態を一括りにすることはできません。いつ、どのような状況で頭痛が現れ、何によって強くなったり軽くなったりするのかという情報も、その人の身体を理解するための大切な手がかりになります。

詳しい検査所見や頭痛が変化していった経過については、この女性の症例報告でご紹介しています。

▶午後になるとこめかみがズキズキ痛む慢性的な頭痛の詳しい症例報告はこちら

■頭痛を繰り返し、頭痛薬が手放せなくなっていた30代女性

3人目は、長年にわたって慢性的な頭痛を繰り返し、次第に頭痛薬を使用する頻度が増えていた30代女性です。広告関係の仕事をしており、日中はパソコンやスマートフォンを使う時間が長く、以前から首や肩の張りも感じていました。

頭痛はこめかみや後頭部を中心に現れ、特に午後から夕方にかけて強くなる傾向がありました。頭が締めつけられるように感じる日もあり、症状が強いときには目の痛みや吐き気を伴うこともありました。仕事を続けるために頭痛薬を飲むと一時的に楽になるものの、しばらくすると再び痛みを感じることがあり、いつしか頭痛薬を持ち歩くことが当たり前になっていました。

頭痛薬は、つらい痛みを軽減するための重要な選択肢です。薬を使用すること自体が問題なのではありません。しかし、頭痛を繰り返すたびに服用するようになり、「薬がないと不安」と感じるほど使用頻度が増えている場合には、痛みをその都度抑えることとは別に、なぜ頭痛を繰り返しているのかを考えることも大切になります。

さらに、頭痛薬を頻繁に使用している人では、「薬剤の使用過多による頭痛」という状態にも注意が必要です。これは頭痛を抑えるために使用している薬を繰り返し使用することで、かえって頭痛が慢性化することがある状態です。頭痛薬を頻繁に必要とする状態が続いている場合には、自己判断で薬を増減したり中止したりするのではなく、医療機関へ相談することが重要です。

この女性も頭痛が続いたため医療機関を受診し、CTやMRIなどの検査を受けていましたが、脳に大きな異常は確認されていませんでした。それでも頭痛は続き、マッサージやストレッチ、ヨガなども試しましたが、楽になるのは一時的でした。やがて夜中に頭痛で目を覚ますこともあり、仕事中の集中力や睡眠にも影響するようになっていました。

その後、同じような頭痛に悩んでいた職場の同僚から紹介され、前田カイロプラクティック藤沢院へ来院されました。当院では、頭痛薬を使用していることだけを問題として捉えたり、痛みを感じている頭部だけを確認したりするのではなく、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定、レントゲン評価など複数の検査を組み合わせて身体を評価しました。

カイロプラクティックでは、脳と身体との情報交換を妨げる状態を「サブラクセーション(神経伝達の阻害)」と捉えます。この女性についても複数の検査結果を照らし合わせながらサブラクセーションを見極め、必要と判断した箇所へアジャストメントを行っていきました。

カイロプラクティック・ケアを継続する中で、繰り返していた頭痛の頻度や強さに変化がみられ、頭痛薬を使用せずに過ごせる日が増えていきました。それに伴って首や肩の張り、睡眠、仕事中の集中力にも変化がみられ、以前のように頭痛薬を常に気にしながら生活することも少なくなっていきました。

今回の3人は、いずれも「慢性的な頭痛」という共通した悩みを抱えていました。しかし、1人目は朝の目覚めとともに頭痛が強く現れ、2人目は午後になるとこめかみの痛みが強くなり、3人目は長年繰り返す頭痛によって頭痛薬の使用頻度が増えていました。

この3症例から分かるのは、「頭痛」という症状名が同じだからといって、身体の状態まで同じとは限らないということです。症状が現れる時間帯、痛み方、随伴する症状、生活環境、これまでの経過は一人ひとり異なります。だからこそ、頭痛という名前だけから方法を決めるのではなく、その人自身の身体を詳しく評価することが重要になります。

詳しい検査所見や頭痛、頭痛薬の使用状況がどのような経過をたどったのかについては、この女性の症例報告でご紹介しています。

▶頭痛薬が手放せなくなった慢性的な頭痛の詳しい症例報告はこちら

■「頭痛」という症状名だけでは、その人の身体までは分からない

今回ご紹介した3人の女性は、いずれも長期間にわたって頭痛を繰り返していました。しかし、実際の症状の現れ方を比べてみると、一人は朝目覚めたときに強く痛み、もう一人は午前中には比較的問題なくても午後になるとこめかみの痛みが強くなり、もう一人は長年繰り返す頭痛によって頭痛薬を使用する頻度が増えていました。

同じ「頭痛」という言葉で表現されていても、痛みが現れる時間帯、痛み方、伴う症状、生活環境、睡眠、仕事による負担、これまでの経過は一人ひとり異なります。だからこそ、「頭痛にはこの方法」「首が張っているからここを施術する」というように、症状名だけから身体の状態や必要な対応を決めることはできません。

頭痛についてもう一つ知っておきたいのは、痛みは身体からの情報を神経系が受け取り、処理した結果として私たちが経験している感覚だということです。頭部や頸部の筋肉、関節、血管、髄膜、神経などさまざまな組織から情報が送られ、それらを神経系が処理することで「頭が痛い」という感覚が生まれます。そのため、痛みを感じている場所だけを見れば、その人の身体で起きていることがすべて分かるわけではありません。

また、頭痛そのものを我慢する必要もありません。頭痛薬はつらい痛みを軽減するための大切な選択肢ですし、頭痛の種類や状態によっては医療機関での診断や治療が必要です。特に、突然経験したことのないような激しい頭痛が現れた場合や、意識状態の変化、麻痺、言葉が出にくいなどの神経症状、発熱などを伴う場合には、カイロプラクティックよりも医療機関での評価を優先する必要があります。

一方で、医療機関で検査を受けても大きな異常が確認されず、長期間にわたって頭痛を繰り返している方もいます。そのような場合に前田カイロプラクティック藤沢院が大切にしているのは、「頭痛を直接治す」という発想ではなく、その人の身体で脳と身体との情報交換がどのように行われているのかを詳しく評価することです。

当院では、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定、レントゲン評価など複数の検査結果を照らし合わせながら、サブラクセーション(神経伝達の阻害)を見極めます。そして必要と判断した箇所にのみアジャストメントを行い、神経機能を妨げている要因を取り除くことで、脳と身体との情報交換が適切に行われる環境を整えていきます。

カイロプラクターが頭痛そのものを治しているわけではありません。身体を回復させていく主役は、あくまでもその人自身です。その人が生まれながらに持っている「治るチカラ」が十分に発揮できる環境を整えることが、カイロプラクティックの役割です。

朝に痛む頭痛も、午後に痛む頭痛も、頭痛薬を繰り返し必要とする頭痛も、症状だけを見れば同じ「頭痛」です。しかし、その人がどのような毎日を送り、どのような経過をたどり、身体がどのような状態にあるのかまで同じではありません。

だからこそ慢性的な頭痛について考えるときには、「頭痛をどうやって止めるか」という視点だけでなく、**「なぜこの人の身体では、頭痛を繰り返しているのか」**という視点を持つことも大切です。

症状名を見るのではなく、その人自身の身体を見る。

それが、前田カイロプラクティック藤沢院が慢性的な頭痛と向き合うときに大切にしている考え方です。

▶頭痛・顔・耳などでお悩みだった方の症例報告はこちら

▶頭痛に対する前田カイロプラクティック藤沢院のアプローチはこちら

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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