2026.07.10

姿勢を意識しているのに肩こりが治らないのはなぜ?

姿勢を意識しているのに肩こりが治らないのはなぜ?

姿勢を意識するようになってから、「背筋を伸ばそう」「猫背にならないようにしよう」と心掛けている方は多いのではないでしょうか。

デスクワーク中の座り方を見直したり、スマートフォンを見る姿勢に気を付けたり、中にはストレッチや筋力トレーニングを取り入れながら、少しでも肩こりを改善しようと努力されている方も少なくありません。また、人間工学に基づいたイスやクッションを使用したり、パソコンの画面の高さを調整したりと、ご自身なりに工夫を重ねている方もいらっしゃるでしょう。

それにもかかわらず、「姿勢を意識しているのに肩こりが良くならない」「一時的には楽になっても、すぐに元へ戻ってしまう」と感じている方も少なくありません。「これだけ気を付けているのに、なぜ肩こりが改善しないのだろう」と疑問に思ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、姿勢は肩こりを考えるうえで大切な要素の一つです。しかし、姿勢だけですべての肩こりを説明できるとは限りません。姿勢を意識しているにもかかわらず肩こりを繰り返す方がいるのは、肩こりの原因が一つではないからです。

では、なぜ姿勢を意識しているにもかかわらず、肩こりを繰り返してしまうのでしょうか。今回のコラムでは、姿勢と肩こりの関係や、姿勢を意識しても肩こりが治らない理由について解説していきます。

■ 姿勢は肩こりに関係しますが、それだけが原因とは限りません

肩こりについて調べると、「姿勢が悪いことが原因です」と書かれている記事を目にすることがあります。実際、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などによって、首や肩の筋肉に負担がかかりやすくなることはよく知られています。そのため、姿勢を意識することは肩こりを考えるうえで大切な要素の一つです。

例えば、前かがみの姿勢が続くと、頭の重さを支えるために首や肩の筋肉は緊張した状態が続きます。また、長時間同じ姿勢でいると筋肉は動く機会が少なくなり、疲労が蓄積しやすくなることもあります。そのため、デスクワークやスマートフォンの使用時間が長い方ほど、肩こりを感じやすい傾向があると考えられています。

しかし、姿勢を意識しているすべての人が肩こりになるわけではありません。反対に、姿勢を改善するよう努力しているにもかかわらず、肩こりを繰り返してしまう方も少なくありません。また、肩こりと一言で言っても、肩だけが重だるい人もいれば、首まで張る人、肩甲骨の内側に違和感を感じる人、頭痛を伴う人など、症状の現れ方にもさまざまな違いがあります。

もし、肩こりの原因が姿勢だけであれば、姿勢を意識した人は皆同じように改善し、同じ姿勢を続けている人は皆同じように肩こりになるはずです。しかし、実際にはそうではありません。

このように、姿勢は肩こりに関係する大切な要素の一つではありますが、それだけですべての肩こりを説明できるとは限りません。では、姿勢を意識しているにもかかわらず、肩こりを繰り返してしまうのはなぜなのでしょうか。

■ 姿勢を意識していても肩こりを繰り返すのには理由があります

ここまでお読みいただくと、姿勢は肩こりに関係する大切な要素ではあるものの、それだけではすべての肩こりを説明できないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

実は、私たちカイロプラクターが肩こりを評価するときは、「姿勢が良いか悪いか」という見方だけで判断することはありません。なぜなら、同じような姿勢に見える方でも、身体の状態は一人ひとり大きく異なるからです。

例えば、「猫背ですね」「ストレートネックですね」と言われた経験がある方でも、全員が同じような肩こりを感じているわけではありません。また、姿勢が似ていても、肩だけがつらい人もいれば、首まで張る人、頭痛を伴う人、肩甲骨の内側に違和感を感じる人など、症状の現れ方にはさまざまな違いがあります。

当院で採用しているガンステッド・システムでは、このような違いは、姿勢だけではなく、サブラクセーション(神経の圧迫)の状態が一人ひとり異なるためだと考えています。サブラクセーションには5つの兆候が現れるとされており、関節の動きだけではなく、神経の働きや筋肉の状態、周囲の組織、さらには長期間続いたことによる身体の変化まで、さまざまな角度から身体を総合的に評価していきます。

つまり、肩こりという同じ症状であっても、その人の身体で起きていることは決して同じではありません。だからこそ、「姿勢が原因ですね」という一言だけで、本当の原因を特定することはできないのです。

では、その一人ひとり異なる身体の状態を、どのように見極めていくのでしょうか。

■ 肩こりは、「肩」だけを見ても本当の原因は分かりません

肩こりがあると、多くの方は「肩の筋肉が硬くなっていること」が原因だと考えます。しかし実際には、肩の筋肉は原因ではなく、身体を守るために結果として硬くなっていることも少なくありません。

例えば、頭部が前方へ傾いた姿勢では、約5kgある頭を骨格だけで支え続けることが難しくなります。その結果、首や肩の筋肉は頭が前へ倒れないよう絶えず収縮し続けることになり、肩こりとして現れることがあります。また、骨盤のバランスが変化すると、その影響は背骨全体へ伝わり、最終的には頭の位置にも影響を及ぼします。このような場合、肩こりは身体全体のバランスを保つための代償反応とも考えられます。

一方で、肩こりは姿勢だけで説明できるものでもありません。精神的なストレスや疲労の蓄積によって交感神経が過剰に働くと、身体は無意識のうちに緊張した状態を維持しようとします。その結果、肩をすくめるような姿勢が続き、首や肩の筋肉が休むことなく働き続けることで、慢性的な肩こりにつながることがあります。このような方は肩こりだけでなく、首こりや睡眠の質の低下、慢性的な疲労感などを伴うことも少なくありません。

つまり、同じ肩こりという症状でも、その背景にある身体の状態は一人ひとり異なります。骨格のバランスが関係している方もいれば、自律神経の働きが大きく影響している方もいます。もちろん、それらが複数重なっていることも珍しくありません。

だからこそ、カイロプラクティックでは「肩が硬いから肩をケアする」という考え方ではなく、「なぜ肩の筋肉が働き続けなければならないのか」という視点を大切にしています。そのため当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価を組み合わせながら、神経系の働きや身体全体のバランスを総合的に評価し、その人の肩こりがなぜ起きているのかを詳しく確認しています。

肩こりは、多くの方が経験する身近な症状です。しかし、「いつものことだから」とそのままにしていると、身体からの大切なサインを見逃してしまうかもしれません。

ぜひ日々の健康維持のために、カイロプラクティックケアを役立ててみてください。

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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