夜になると乾いた咳が止まらないのはなぜ?気管支喘息と自律神経の関係
「風邪は治ったはずなのに、乾いた咳だけがいつまでも続いている。」
「昼間はまだ我慢できるのに、夜になると咳がひどくなって眠れない。」
「薬を使っているのに咳を繰り返し、また苦しくなるのではないかと不安になる。」
このような長引く咳や、夜間に悪化する気管支喘息の症状で悩んでいる方も少なくありません。
気管支喘息では、気道に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して気道が過敏になることで、咳や喘鳴、息苦しさなどの症状が現れます。特に夜間から早朝にかけて症状が強くなることも特徴の一つです。
もちろん、長引く咳には気管支喘息以外にもさまざまな原因が考えられます。そのため、「ただの咳だから」と自己判断せず、まず医療機関で原因を確認し、必要な治療を受けることが大切です。
今回ご紹介する症例では、半年ほど乾いた咳が続き、特に夜になると咳き込んで何度も目を覚ます状態になっていました。以前にも気管支喘息と診断されたことがあり、薬を使用しても思うような変化がみられず、睡眠不足による倦怠感や日中の仕事にも影響が及んでいました。
では、なぜ気管支喘息では夜になると咳が強くなることがあるのでしょうか。そこには、気道の状態だけではなく、一日の中で変化する身体の働きや自律神経も関係しています。
このコラムでは、気管支喘息とはどのような状態なのか、そして夜になると乾いた咳が悪化しやすい理由と自律神経の関係について解説していきます。
■気管支喘息とはどのような状態なのでしょうか?
気管支喘息とは、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して過敏になっている状態です。
私たちが呼吸すると、鼻や口から取り込まれた空気は気管、気管支を通って肺へ送られます。しかし、気管支喘息では気道に炎症が続くことで、健康な人であれば問題にならないような刺激にも敏感に反応しやすくなります。
その結果、気管支を取り囲む筋肉が収縮したり、気道の粘膜が腫れたり、分泌物が増えたりすることで空気の通り道が狭くなり、咳や喘鳴、息苦しさなどが現れます。症状の現れ方には個人差があり、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴よりも、乾いた咳が長期間続くことが目立つ場合もあります。
また、気管支喘息の症状は一日を通して一定ではありません。昼間は比較的落ち着いていても、夜間から早朝にかけて咳や息苦しさが強くなり、睡眠を妨げることがあります。
長引く咳には、気管支喘息だけではなく、咳喘息、感染症、アレルギー、胃食道逆流症など、さまざまな原因が考えられます。そのため、咳が長期間続いている場合や、夜間の咳・喘鳴・息苦しさなどがある場合には、まず医療機関で適切な評価を受けることが重要です。
では、なぜ気管支喘息では夜間から早朝にかけて症状が強くなりやすいのでしょうか。次の章では、その背景を自律神経との関係から考えていきます。
■なぜ夜になると乾いた咳が悪化しやすいのでしょうか?自律神経との関係
私たちの身体には、一日の中で睡眠や体温、ホルモン分泌などが変化するリズムがあります。呼吸器の働きも例外ではなく、気道の状態は時間帯によって変化しています。
その一つに関係しているのが自律神経です。自律神経には交感神経と副交感神経があり、心拍や血圧、消化、体温調節など、自分の意思では直接コントロールできない身体機能を絶えず調整しています。気管支も、この自律神経による調整を受けています。
夜になって身体が休息へ向かうと副交感神経の働きが優位になりやすく、気管支は収縮する方向へ変化します。もともと気道が過敏になっている気管支喘息では、こうした生理的な変化に気道の炎症や気温、湿度などの要因が重なることで、夜間の咳や息苦しさが強く現れることがあります。
ここで大切なのは、「自律神経が乱れているから気管支喘息になる」と単純に結びつけないことです。気管支喘息は気道の慢性的な炎症を特徴とする疾患であり、適切な医学的評価と治療が重要です。
そのうえでカイロプラクティックでは、身体全体の働きをコントロールする神経機能を重要視しています。身体から集められたさまざまな情報は神経を通して脳へ届けられ、脳はその情報をもとに身体の状態を把握し、必要な指令を再び全身へ送り返しています。
カイロプラクティックでは、この神経伝達を阻害する状態を「サブラクセーション」と呼んでいます。当院では、レントゲン評価、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定などを組み合わせて身体を評価し、神経の働きを妨げているサブラクセーションを見極めます。
そして、必要な箇所へアジャストメントを行うことで神経の働きを整え、脳と身体との情報交換が適切に行われる環境をつくります。その人自身が生まれながらに持っている「治るチカラ」が最大限に発揮できる状態を目指すことが、カイロプラクティックの目的です。
では実際に、半年ほど乾いた咳が続き、夜になると咳き込んで眠れなかった方には、どのような経過がみられたのでしょうか。
■夜になると乾いた咳が止まらず、眠れない状態が続いていた実際の症例
実際に当院へ来院された方は、半年ほど続く乾いた咳に悩まされていました。特に夜になると咳が強くなり、眠りについても何度も咳で目を覚ますため、睡眠不足による倦怠感や仕事への影響も大きくなっていました。
以前にも気管支喘息と診断されたことがあり、今回も医療機関で薬を処方されていましたが、乾いた咳はなかなか治まりませんでした。
当院で身体を詳しく検査すると、上部胸椎の明らかな可動域制限、体表温度の左右差、浮腫、頸部の筋肉の過緊張などが確認されました。そこで、複数の検査結果からサブラクセーションを見極め、神経機能を整えることを目的としてカイロプラクティックケアを開始しました。
ケアを継続する中で、夜間に咳き込む回数に少しずつ変化がみられ、咳によって何度も目を覚ますことも減っていきました。その後は夜間の乾いた咳を気にせず眠れる日が増え、睡眠不足による日中の倦怠感や仕事への影響にも変化がみられるようになりました。
この症例では、咳という症状だけを追いかけるのではなく、その方の身体全体を詳しく評価したうえで、神経の働きを妨げているサブラクセーションに対して必要なアジャストメントを行いました。
詳しい来院経緯や検査結果、カイロプラクティックケアによる経過については、以下の症例報告でご紹介しています。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


