2026.09.06

午後になるとこめかみがズキズキ痛むのはなぜ?慢性頭痛の原因とは

カテゴリ: 健康通信
午後になるとこめかみがズキズキ痛むのはなぜ?慢性頭痛の原因とは

「朝は大丈夫なのに、午後になると決まってこめかみがズキズキ痛くなる。」
「仕事を続けているうちに頭痛が強くなり、集中するのがつらくなる。」
「頭痛薬を飲めば楽になるけれど、次の日になるとまた同じ痛みを繰り返してしまう。」

このように、一日の始まりにはそれほど問題を感じていなくても、午後から夕方になるにつれて頭痛が現れ、毎日のように繰り返している方も少なくありません。

特にデスクワークが中心の生活では、朝から長時間パソコンの画面を見続けたり、同じ姿勢で仕事を続けたりすることがあります。午前中はそれほど気にならなかったものの、仕事を続けるうちに首や肩がこわばり、午後になるとこめかみや頭全体に痛みを感じるようになることもあります。

頭痛が繰り返されると、「目を使いすぎているからだろう」「仕事が忙しいから仕方がない」と考え、市販の頭痛薬を服用しながら仕事を続けている方もいるでしょう。薬によって一時的に痛みが落ち着けば、そのまま日常生活を送れることもあります。

しかし、翌日になると再び同じ時間帯に頭痛が現れ、それが何週間、何か月と続くようになると、「なぜ毎日のように頭が痛くなるのだろう」「何か大きな病気が隠れているのではないか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

頭痛にはさまざまな種類があり、中には速やかな医学的評価が必要なものもあります。突然経験したことのない激しい頭痛が現れた場合や、発熱、意識の変化、手足の麻痺や言葉の出にくさなどを伴う場合には、自己判断せず医療機関を受診することが重要です。

一方で、医療機関で検査を受けても大きな異常が確認されず、頭痛薬などで対処しながら、慢性的な頭痛を繰り返している方もいます。そのような場合、「痛みが出たときにどう抑えるか」だけではなく、なぜ一日の中で時間が経つにつれて頭痛が現れやすくなるのかという視点から身体を考えることも大切です。

私たちの身体は、朝から夜までまったく同じ状態で過ごしているわけではありません。仕事による精神的な緊張、長時間の姿勢維持、視作業、睡眠や疲労など、さまざまな刺激を受けながら、その変化に適応して一日を過ごしています。

では、朝には問題なく仕事を始められるにもかかわらず、なぜ午後になるとこめかみがズキズキと痛み始めるのでしょうか。また、同じように長時間パソコンを使っていても、頭痛を感じる人と感じない人がいるのはなぜなのでしょうか。

このコラムでは、午後になるとこめかみがズキズキ痛む慢性頭痛について、頭痛が一日の後半に現れやすくなる理由と、繰り返す頭痛を身体全体から考えるうえで大切な視点について解説していきます。

■午後になるとこめかみがズキズキ痛むのはなぜでしょうか?

頭痛にはさまざまな種類があり、痛みが現れる場所や痛み方、持続時間、頭痛に伴う症状なども異なります。中でも、こめかみのあたりが脈を打つようにズキズキと痛み、吐き気や光・音への過敏などを伴う頭痛では、片頭痛の特徴がみられることがあります。

片頭痛は、単に「頭の血管が広がったから痛くなる」という一つの仕組みだけで説明されるものではありません。現在では、脳や三叉神経をはじめとする神経系の働きが関係し、さまざまな刺激に対する感受性が変化することで痛みが現れると考えられています。

一方で、長時間のデスクワークをしている方では、首や肩の緊張を伴った頭痛も珍しくありません。同じ姿勢を長時間続けたり、パソコンの画面を見続けたりすることで、首や肩周辺に負担がかかります。そのため、「仕事をしていると午後から頭痛が出てくる」という場合でも、すべてを一つの原因だけで説明することはできません。

また、「午後になると頭痛が出る」という時間帯だけで頭痛の種類を判断することもできません。朝から続けてきた仕事による疲労、長時間の視作業、食事や水分摂取の状態、睡眠不足、精神的な緊張など、一日の中で積み重なるさまざまな要因によって頭痛が現れやすくなることがあります。

そのため、午後になると頭痛が起こるからといって、「パソコンの使いすぎが原因」「肩が凝っているから」「疲れているだけ」と自己判断するのではなく、どのような痛み方なのか、どの程度の頻度で起こるのか、何をしているときに強くなるのか、吐き気などほかの症状を伴っているのかまで確認することが大切です。

頭痛が繰り返される場合には、まず医療機関で適切な検査を受けることも重要です。特に、突然経験したことのない激しい頭痛が現れた場合や、発熱、意識障害、手足の麻痺、言葉の出にくさなどを伴う場合には、一般的な慢性頭痛とは異なる問題が隠れている可能性があるため、速やかな医学的評価が必要です。

一方で、MRIなどの検査を受けても脳や血管に大きな異常が確認されず、薬によって一時的に痛みが落ち着いても、再び頭痛を繰り返している方もいます。このような場合には、「痛みが出たときにどう抑えるか」という視点だけではなく、なぜ繰り返し頭痛が現れているのかという視点から身体を考えることも大切です。

ここで重要なのは、頭痛が現れる「午後」という時間そのものが原因なのではないということです。一日の中で身体は仕事や姿勢、視覚情報、精神的な緊張など、さまざまな刺激を受け続けています。それでも、同じように一日中パソコンを使って仕事をしている人すべてが、午後になると頭痛を起こすわけではありません。

では、同じような環境で仕事をしていても、なぜ午後になると決まって頭痛を繰り返す人と、そうではない人がいるのでしょうか。次の章では、頭痛そのものだけではなく、その人の身体が一日の中で積み重なるさまざまな負担にどのように適応しているのかという視点から考えていきます。

■同じように仕事をしていても、午後になると頭痛が出る人と出ない人がいるのはなぜでしょうか?

長時間パソコンを使用することや、同じ姿勢で仕事を続けることは、頭痛が現れるきっかけの一つになることがあります。しかし、同じように一日中デスクワークをしていても、すべての人が午後になると頭痛を感じるわけではありません。

朝から夕方まで問題なく仕事を続けられる人もいれば、時間が経つにつれて首や肩がつらくなり、午後になるとこめかみがズキズキと痛み始める人もいます。この違いを考えるうえで大切なのは、身体にどれだけ負担が加わったのかだけではなく、その人の身体が加わった負担にどのように適応しているのかという視点です。

私たちの身体には、周囲の環境や身体内部で起こる変化に適応しながら、状態を一定に保とうとする働きがあります。仕事中にも、姿勢の変化や視覚から入ってくる大量の情報、精神的な緊張、疲労など、さまざまな刺激が絶えず身体に加わっています。

こうした変化に身体が適切に対応するためには、脳が身体の状態を正確に把握し、その状況に応じた指令を身体へ送り返す必要があります。身体から送られてくる情報は神経を通して脳へ届けられ、脳からの指令もまた神経を通して全身へ伝えられています。

カイロプラクティックでは、この脳と身体との情報交換を妨げる状態を「サブラクセーション」と呼んでいます。サブラクセーションによって神経伝達が阻害されれば、身体から脳へ届けられる情報にも影響が及び、その人が本来持っている身体の調整機能を十分に発揮しにくくなると考えます。

そのため、午後になると頭痛が現れる場合でも、「頭が痛いから頭だけを見る」「首や肩が凝っているから筋肉だけを見る」という捉え方はしていません。前田カイロプラクティック藤沢院では、レントゲン評価、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定など複数の検査を組み合わせ、その人の身体全体を評価することを大切にしています。

たとえば、長時間のパソコン作業そのものを完全になくすことは、仕事をしている以上難しい場合があります。大切なのは、外から加わる負担をすべて避けることではなく、そうした環境の変化に身体が適応できる状態にあるかどうかということです。

カイロプラクティックの目的は、頭痛という症状を直接取り除くことではありません。神経の働きを妨げているサブラクセーションを見極め、必要な箇所へアジャストメントを行うことで、脳と身体との情報交換が適切に行われる環境を整えていきます。その結果として、その人自身が生まれながらに持っている「治るチカラ」が最大限に発揮できる状態を目指します。

毎日のように午後になると頭痛が現れていると、「仕事でパソコンを使っているから仕方がない」「疲れているから頭が痛くなる」と考えてしまうかもしれません。しかし、パソコン作業や一日の疲労は頭痛が表面化するきっかけの一つであり、それだけでは同じ環境でも頭痛を繰り返す人と、そうではない人がいる違いまでは説明できません。

繰り返す頭痛を考えるからこそ、その都度現れる痛みだけに目を向けるのではなく、その人の身体が一日の中で積み重なるさまざまな負担にどのように適応しているのかまで含めて評価することが大切です。

では実際に、長時間のパソコン作業を続ける中で、午後になるとこめかみがズキズキと痛む頭痛を毎日のように繰り返していた方の身体には、どのような状態が確認されたのでしょうか。次の章では、実際に当院へ来院された方の症例をご紹介します。

■午後になるとこめかみがズキズキ痛み、頭痛薬が手放せなくなっていた実際の症例

今回ご紹介するのは、毎日のように午後になるとこめかみがズキズキと痛み、仕事や休日の過ごし方にまで影響が及んでいた30代の女性です。

仕事では毎日長時間パソコンを使用し、細かな数字の確認やメール対応などを続けていました。30代になった頃から身体の疲れを感じるようになり、首や肩のこわばりとともに、午後になると頭痛が現れるようになりました。

最初は「疲れているだけだろう」と考えていましたが、次第に頭痛の頻度が増え、毎日のようにこめかみがズキズキと痛むようになりました。痛みが強い日にはパソコンの画面を見るだけでも目の奥が重くなり、吐き気を感じることもありました。

市販の頭痛薬を服用すると一時的に痛みは落ち着きましたが、数時間すると再び頭痛が現れる状態が続きました。その後、頭痛外来を受診してMRI検査を受けたものの、脳や血管には異常がないと説明されました。処方された薬では頭痛が落ち着く一方、眠気や倦怠感などが強く、薬に頼り続けることにも不安を感じるようになっていました。

さらに鍼灸院にも約3か月通いましたが、施術後に一時的に頭が軽くなっても、翌日の午後には再び頭痛が現れていました。仕事のプレッシャーが強い時期には痛みが悪化し、休日にも頭痛を心配して外出を控えるなど、いつしか頭痛を中心に生活する状態になっていました。

当院では、「こめかみが痛いから頭だけを見る」という考え方ではなく、レントゲン評価、視診、静的触診、動的触診、体表温度測定など複数の検査を組み合わせ、身体全体の状態を詳しく評価しました。

検査では、頸部や骨盤周辺に可動性の低下や筋肉の過緊張、体表温度の左右差など、神経機能への影響を考えるうえで重要な変化が確認されました。そこで、それぞれの検査結果を照らし合わせながらサブラクセーションを見極め、必要と判断した箇所へアジャストメントを行っていきました。

ケアを継続する中で、午後になると現れていたこめかみの痛みに変化がみられるようになり、頭痛を感じる頻度も少なくなっていきました。それに伴って頭痛薬を使用せずに過ごせる日も増え、以前のように頭痛を気にしながら仕事をすることも少なくなっていきました。

その後は、午後に感じていた頭痛や頭の重さもみられなくなり、頭痛薬を持ち歩く必要もなくなりました。仕事にも集中できるようになり、休日にも頭痛への不安から外出を控えることなく過ごせるようになりました。

この症例で、カイロプラクターが頭痛そのものを直接治したわけではありません。当院が行ったのは、その人の身体を詳しく評価し、神経の働きを妨げているサブラクセーションに対して必要なアジャストメントを行うことです。

身体を回復へ導いているのは、その人自身が生まれながらに持っている「治るチカラ」です。その力が最大限に発揮できるよう、神経の働きを整え、脳と身体との情報交換が適切に行われる環境をつくることが、カイロプラクティックの大切な役割です。

毎日のように同じ時間帯に頭痛を繰り返している場合、その都度痛みを抑えることだけではなく、なぜ一日の中で負担が積み重なると頭痛が表面化するのかという視点から、その人の身体全体を評価することも大切です。

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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。

シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。

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