なぜ坐骨神経痛は繰り返してしまうのか!?
「お尻から足にかけてしびれる」
「長時間座っていると脚が痛くなる」
「一度良くなったと思ったのに、また症状が出てしまった」
このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
実際に坐骨神経痛で来院される患者様の中にも、「病院で坐骨神経痛と言われた」「痛み止めや湿布を使っているが改善しない」「ブロック注射を受けた時は楽になったけれど再発した」といったお話をされる方がいらっしゃいます。
坐骨神経痛は、多くの方が経験する可能性のある症状ですが、「なぜ繰り返してしまうのか」まで理解している方は決して多くありません。また、「腰が悪いから足が痛い」「ヘルニアだから治らない」と考えている方も少なくありません。
しかし実際には、それほど単純なものではありません。
坐骨神経痛を正しく理解するためには、まず坐骨神経がどのような神経なのかを知る必要があります。
このコラムでは、坐骨神経痛が繰り返し起こる理由について解説していきます。
■坐骨神経痛とは何か?
まず知っておきたいのは、坐骨神経痛は病名ではないということです。
坐骨神経痛とは、お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎ、足先にかけて現れる痛みやしびれなどの症状を表す言葉です。
坐骨神経は、人間の身体の中で最も太く長い末梢神経です。腰椎から出た複数の神経が骨盤内で合流し、お尻を通り、太ももの後ろ側を下りながら足先まで伸びています。そのため、この神経へ負担がかかると、お尻だけではなく太ももやふくらはぎ、足先にまで症状が現れることがあります。
実際に患者様の中には、「お尻だけが痛い」「ふくらはぎだけがしびれる」「足の裏だけ感覚がおかしい」という方もいらっしゃいます。これは症状が出ている場所が違うのではなく、神経のどの部分に負担がかかっているかによって現れ方が変わるためです。
また、多くの方は「坐骨神経痛=腰痛」と考えています。しかし実際には、腰が全く痛くないにもかかわらず、お尻や脚だけに症状が出ることもあります。
これは神経症状の特徴の一つです。
例えば電気コードの途中が傷ついていた場合、問題はコードの途中にあっても異常は先端の電球に現れます。坐骨神経痛も同じです。神経へ負担がかかっている場所と、症状が現れる場所は必ずしも一致しません。
そのため、足が痛いから足が悪いとは限らず、お尻が痛いからお尻だけが問題とも限らないのです。
さらに坐骨神経痛の背景には、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、変形性腰椎症などが関係していることがあります。しかし一方で、MRIでヘルニアが見つかっても全く症状がない方もいます。逆に、大きな異常が見つからなくても強いしびれや痛みを訴える方もいます。
つまり、画像検査で見える情報だけでは説明できない部分も存在するのです。
■なぜ坐骨神経痛は繰り返してしまうのか?
坐骨神経痛が繰り返される理由の一つは、「症状が落ち着いたこと」と「身体が回復したこと」が必ずしも同じではないからです。
例えば風邪でも、熱が下がったからといって完全に回復したとは限りません。身体の状態が十分に回復する前に無理をすると、再び症状が悪化することがあります。
坐骨神経痛も同じです。痛みやしびれが軽減したとしても、身体へ負担がかかる状態が残っていれば再発する可能性があります。
また、人間の身体には痛みを避けようとする特徴があります。
お尻や脚が痛くなると、無意識のうちに身体を傾けたり、反対側へ体重をかけたり、歩き方を変えたりすることがあります。短期間であれば身体を守るための正常な反応です。しかし、この状態が何週間、何か月と続くと別の問題が生じます。
本来使われるはずだった筋肉が使われなくなり、一方で別の筋肉や関節へ負担が集中するようになります。例えば、右脚の痛みをかばい続けることで左脚へ負担が集中したり、腰を動かさないようにすることで股関節や骨盤周囲へ余計な負担がかかったりすることがあります。
すると身体全体のバランスが変化し、神経へかかる負担も変わっていきます。
その結果、「最初はお尻だけだった」「今度は腰まで痛くなった」「反対側までつらくなった」「良くなったと思ったら再発した」という状態につながることがあります。
つまり、坐骨神経痛が繰り返される背景には、神経の問題だけではなく、身体が痛みを避け続けた結果として生じる負担の連鎖も関係しているのです。
また、患者様からよく聞かれる質問の一つに、「なぜ座ると悪化するのですか?」というものがあります。
これも坐骨神経痛の特徴の一つです。座っている姿勢では腰や骨盤周囲へ持続的な負担がかかることがあります。そのため、長時間のデスクワークや車の運転で症状が強くなる方も少なくありません。
一方で、「歩くと悪化する人」もいれば、「歩くと楽になる人」もいます。これは症状の背景にある状態が異なるためです。
例えば脊柱管狭窄症では歩行によって症状が強くなり、前かがみになると楽になるケースがあります。一方で、長時間座り続けることで症状が強くなる方は、歩くことで身体が動き、症状が軽減することもあります。
つまり、同じ坐骨神経痛であっても、身体の中で起きていることは一人ひとり異なるのです。
さらに慢性的な痛みは生活そのものにも影響を与えます。長時間座れない、歩くのが怖い、趣味を諦めている、夜中に痛みで目が覚めるといった状態が続くと活動量が低下し、筋力や体力も落ちやすくなります。
その結果として身体へかかる負担がさらに増え、症状が慢性化してしまうことがあります。
つまり坐骨神経痛は、神経だけの問題として考えるのではなく、身体全体の機能や生活の質まで含めて考える必要があるのです。
■カイロプラクティックが考える神経機能の重要性
前田カイロプラクティック藤沢院では、坐骨神経痛を単に「神経が圧迫されているから痛い」という単純な問題として捉えていません。
なぜなら、人間の身体は脳と神経によってコントロールされているからです。
筋肉を動かすことも、姿勢を維持することも、歩くことも、身体の状態を感じることも、すべて神経の働きによって行われています。
そのため、神経へ負担がかかり続けている状態では、身体は本来持っている機能を十分に発揮しにくくなります。
もちろん、坐骨神経痛の中には医療機関での精密検査や治療が必要なケースもあります。しかし、慢性的に繰り返される坐骨神経痛の中には、身体全体のバランスや神経機能が関係していることもあります。
例えば、症状が落ち着いても再発を繰り返してしまう方がいます。そのような場合、痛みだけが問題なのではなく、身体が同じ負担を繰り返し受ける状態が残っている可能性があります。
前田カイロプラクティック藤沢院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価という5つの検査法を用いて身体の状態を総合的に確認しています。
しびれや痛みが出ている場所だけを見るのではなく、なぜその症状が起きているのか、なぜ身体が本来の機能を発揮しにくくなっているのかを確認していきます。
坐骨神経痛は、お尻や脚だけの問題ではありません。姿勢、身体の使い方、神経機能、そして日常生活での負担が互いに影響し合う中で症状として現れていることがあります。
大切なのは、今出ている痛みやしびれだけを見るのではなく、その背景にある身体の状態を理解することです。
もし長年続く坐骨神経痛や繰り返すしびれでお悩みであれば、症状が出ている場所だけではなく、身体全体の状態にも目を向けてみることが大切かもしれません。
身体が本来持つ機能を十分に発揮できる状態を目指すことが、健康への第一歩になると私たちは考えています。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


