病院で異常なしと言われためまいはなぜ起こる?原因が分からないめまいについて解説
病院で検査を受けたものの、「異常はありません」と言われた経験はありませんか。
それでも、立ち上がった瞬間にふらついたり、周囲がグルグル回るように感じたり、身体がフワフワと浮いているような感覚が続いたりすると、「異常がないと言われたのに、どうしてめまいが起こるのだろう」と不安になる方も少なくありません。
「このまま改善しなかったらどうしよう」「まだ見つかっていない病気があるのではないか」と心配になり、何度もインターネットで原因を調べたり、複数の医療機関を受診したりした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
病院で異常が見つからなかったことは、とても大切な検査結果です。しかし、「異常なし」という結果だけで、現在感じているめまいの原因まで明らかになったとは限りません。
では、なぜ病院で異常なしと言われたにもかかわらず、めまいが続いてしまうのでしょうか。
今回のコラムでは、病院で異常なしと言われためまいが起こる理由や、原因が分からないめまいに対して身体全体を評価することの大切さについて解説していきます。
■ 病院で「異常なし」と言われても、めまいが続くことはあります
病院でめまいの症状を相談すると、問診や神経学的検査、必要に応じて血液検査やCT、MRIなどの画像検査が行われることがあります。これらの検査は、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などの重大な病気や、命に関わる疾患が隠れていないかを確認するために欠かせない、とても重要な検査です。
そのため、「異常はありません」と伝えられた場合は、それらの重大な病気が見つからなかったという意味では、とても大切な検査結果だと言えます。
しかし、「異常なし」という結果が、「現在感じているめまいの原因がすべて分かった」という意味になるとは限りません。実際には、検査で異常が見つからなかったにもかかわらず、めまいやふらつきが続いている方も少なくありません。
また、めまいと一言で言っても、周囲がグルグル回るように感じる方もいれば、身体がフワフワするように感じる方、立ち上がったときだけふらつく方など、症状の現れ方は一人ひとり異なります。さらに、頭痛や首こり、肩こり、吐き気、耳鳴りなどを伴う場合もあり、同じめまいでも身体の状態は決して同じではありません。
このように、「病院で異常なし」という結果は、重大な病気が見つからなかったことを示す大切な情報です。しかし、それだけで現在の身体の状態や、めまいが起きている背景まですべて説明できるとは限りません。
では、病院で異常なしと言われためまいは、どのような視点から考えることが大切なのでしょうか。
■ 「異常なし」と「原因が分からない」は同じ意味ではありません
ここまでお読みいただくと、「病院で異常なし」と言われたことと、「現在のめまいの原因が分かった」ということは、必ずしも同じ意味ではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
実は、私たちが身体のバランスを保つためには、一つの器官だけが正常に働いていればよいというわけではありません。平衡感覚には、三半規管などの内耳からの情報だけでなく、目から得られる視覚の情報や、筋肉・関節から伝わる身体の位置情報など、さまざまな情報が関わっています。そして、それらの情報は神経を介して脳へ伝えられ、脳がそれぞれの情報を統合することで、私たちは無意識のうちに姿勢やバランスを保っています。
そのため、これらの情報がうまく脳へ伝わらなかったり、それぞれの情報のバランスが乱れたりすると、「身体は動いていないのに動いているように感じる」「地面がフワフワする」「立ち上がるとクラッとする」といった、さまざまなめまいとして現れることがあります。
当院で採用しているガンステッド・システムでは、このような状態を評価するうえで、サブラクセーション(神経の圧迫)という考え方を大切にしています。サブラクセーションには5つの兆候が現れるとされており、関節の動きだけではなく、神経の働きや筋肉の状態、周囲の組織、さらには長期間続いたことによる身体の変化まで、さまざまな角度から身体を総合的に評価していきます。
つまり、「めまい」という同じ症状であっても、その人の身体で何が起きているのかは一人ひとり異なります。だからこそ、「病院で異常なし」という検査結果だけで、本当の原因を特定することはできないのです。
では、その一人ひとり異なる身体の状態を、どのように見極めていくのでしょうか。
■ めまいは、「平衡感覚の異常」だけで起きるとは限りません
めまいというと、「耳の異常」が原因だと思われる方が多いかもしれません。確かに、身体のバランスを保つうえで内耳にある三半規管や耳石器は重要な役割を担っています。しかし、私たちが真っ直ぐ立ち、歩き、身体のバランスを保つためには、耳だけが正常に働いていれば良いというわけではありません。
例えば、目から入る視覚情報、足裏や関節、筋肉から伝わる身体の位置情報、そして内耳から伝わる平衡感覚の情報は、それぞれ神経を介して脳へ送られます。脳は、それらの膨大な情報を絶えず統合・分析し、「身体は今どこにあり、どのような姿勢を取っているのか」を瞬時に判断しています。この情報処理が正確に行われることで、私たちは無意識のうちにバランスを保ちながら生活することができるのです。
もし、身体のどこかから送られる情報に異常が生じたり、それぞれの情報にズレが生じたりすると、脳は身体の位置を正確に把握することが難しくなります。その結果、「身体が揺れている」「周囲が回っている」「ふわふわ浮いているように感じる」といっためまいとして現れることがあります。つまり、めまいは耳だけの問題ではなく、脳と神経系が身体全体の情報をどのように処理しているかも深く関係しているのです。
だからこそ、カイロプラクティックでは「めまい」という症状だけを見ることはありません。当院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価を組み合わせながら、身体全体のバランスや神経系の働きを総合的に評価し、脳へ送られる情報に影響を与えている可能性がある部位がないかを詳しく確認しています。
病院で「異常なし」と言われためまいでも、その背景にある身体の状態は一人ひとり異なります。だからこそ、症状だけを見るのではなく、「なぜ脳は身体のバランスをうまく認識できなくなっているのか」という視点から身体全体を評価することが大切だと私たちは考えています。
ぜひ日々の健康維持のために、カイロプラクティックケアを役立ててみてください。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


