更年期になると腰痛が増えるのはなぜ?本当に「年齢のせい」だけなのでしょうか
「最近、腰痛がなかなか良くならない。」
「朝起きたときから腰が重く感じる。」
「以前は気にならなかったのに、更年期を迎えてから腰痛が続くようになった。」
このようなお悩みを抱えている女性は少なくありません。
更年期は、女性ホルモンの変化に伴い、心身にさまざまな変化が現れやすい時期です。ほてりや発汗、睡眠の質の低下、気分の浮き沈みなどがよく知られていますが、実は「腰痛」を訴える方も多くいらっしゃいます。
そのため、「更年期だから仕方がない」「年齢を重ねたから腰が痛くなるのは当たり前」と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、本当に腰痛は年齢や女性ホルモンの変化だけで説明できるのでしょうか。
また、画像検査では大きな異常が見つからないにもかかわらず、腰の重だるさや痛みが続くのはなぜなのでしょうか。
もしかすると、腰そのものだけではなく、身体全体の働きに目を向けることで、新しい見方ができるかもしれません。
このコラムでは、更年期に腰痛を感じやすくなる一般的な理由をはじめ、カイロプラクティックではどのような視点で身体を評価しているのかについてお伝えしていきます。
■ 更年期には身体の中で大きな変化が起こっています
更年期とは、一般的に閉経を挟んだ前後約10年間の時期を指します。
女性の身体は、年齢とともに少しずつ変化していきますが、更年期では特に女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が大きく変動します。
エストロゲンは、月経や妊娠に関わるだけではなく、骨や血管、脳、自律神経など、身体のさまざまな機能にも関係していることが知られています。
そのため、更年期にはホルモンバランスの変化によって、身体にさまざまな不調が現れることがあります。
代表的なものとして、突然のほてりや発汗、眠りが浅くなる、疲れやすい、気分が不安定になる、肩こりや頭痛、関節や身体の痛みなどがあります。中でも腰痛は、更年期を迎えた女性が感じやすい身体の変化の一つです。
では、なぜ女性ホルモンの変化が腰の不調につながるのでしょうか。
エストロゲンには、骨や関節、筋肉の健康を維持する働きがあります。そのため、エストロゲンが減少すると、身体の組織を支える環境にも変化が起こることがあります。また、更年期では筋肉量の低下や身体活動量の変化も起こりやすくなります。
筋肉は単に身体を動かすだけではなく、姿勢を維持したり、関節へかかる負担を分散したりする重要な役割を担っています。そのため、筋力や柔軟性が低下すると、腰まわりへ負担が集中しやすくなることがあります。
さらに、更年期は仕事や家庭環境など、生活の変化が重なりやすい時期でもあります。
睡眠不足や精神的なストレスが続くことで、自律神経のバランスが乱れ、疲労感や身体の緊張を感じやすくなる場合もあります。
このように、更年期の腰痛には、ホルモンの変化、筋肉や関節の状態、生活習慣など、さまざまな要素が関係しています。
しかし、ここで一つ考えておきたいことがあります。
腰痛が起きたとき、本当に腰だけに原因があるのでしょうか。
次の章では、更年期の腰痛を「腰だけの問題」として考えるのではなく、身体全体のつながりという視点から考えていきます。
■ 腰痛は本当に腰だけの問題なのでしょうか?
腰が痛いとき、多くの方は「腰に原因がある」と考えます。
もちろん、腰周辺の筋肉や関節、背骨の状態が関係している場合もあります。しかし、人の身体は腰だけで成り立っているわけではありません。
私たちの身体は、頭から足先までが連動しながら動いています。
例えば、立つ、歩く、座るという何気ない動作も、腰だけが働いているわけではありません。足の状態、骨盤の動き、背骨の柔軟性、肩や首の位置、さらには身体のバランスを調整する脳や神経の働きなど、さまざまな要素が関係しています。
そのため、腰に負担がかかっているように感じても、実際には身体の別の部分の変化が影響していることがあります。
更年期では、女性ホルモンの変化だけではなく、身体全体にもさまざまな変化が起こります。例えば、筋肉量の変化、活動量の低下、睡眠の質の変化、ストレスによる身体の緊張などです。
こうした変化が重なることで、以前は問題なく対応できていた身体への負担が、腰という一部分に集中して現れることがあります。
また、見落とされやすいのが「身体がどのように環境へ適応しているか」という視点です。私たちの身体には、日々の変化に対応し、バランスを保とうとする力があります。
若い頃は、睡眠不足や疲労があっても自然に回復できていた方も多いかもしれません。しかし、長年の生活習慣や身体への負担が積み重なることで、少しずつ身体の適応力に変化が現れることがあります。
これは「身体が弱くなった」ということではありません。
これまで頑張り続けてきた身体が、「少し見直してほしい」とサインを出している可能性もあります。そして、この視点は更年期の女性だけに限った話ではありません。
現在は、長時間のスマートフォン使用や座る時間の増加など、生活環境の変化によって、若い世代でも身体のバランスや疲労を感じる人が増えています。
年齢は違っても、身体が環境に適応しながら働いているという仕組みは共通しています。
だからこそ、腰痛を「腰だけの問題」と決めつけるのではなく、「身体全体がどのような状態になっているのか」という視点を持つことが大切です。
では、カイロプラクティックでは、更年期による身体の変化や腰痛をどのように考え、どのような視点で身体を評価しているのでしょうか。
次の章では、カイロプラクティックが大切にしている視点について解説します。
■ 更年期の身体変化と向き合うために。カイロプラクティックが大切にしている視点
更年期を迎えると、これまで感じたことのなかった身体の変化に戸惑う方も少なくありません。腰痛や肩こり、疲れやすさ、睡眠の変化など、さまざまな不調が現れることがあります。
しかし、大切なのは「更年期だから仕方がない」と諦めてしまうことではありません。身体は、これまでの生活習慣や環境の変化に適応しながら毎日働いています。仕事、家事、育児、睡眠、ストレス、身体の使い方など、長年積み重ねてきたものが、現在の身体の状態に影響しています。
カイロプラクティックでは、腰痛があるから腰だけを見る、肩こりがあるから肩だけを見るという考え方ではありません。
身体は脳を中心に、神経を介して全身がつながっています。筋肉や関節の状態だけではなく、身体がどのように情報を受け取り、どのように適応しているのかという視点を大切にしています。
特に更年期は、女性ホルモンの変化などによって身体の環境が大きく変わる時期です。
その変化に対して身体がどのように対応しているのかを理解することは、これからの健康を考える上で重要になります。
カイロプラクティックでは、不調だけを取り除こうとするのではなく、身体全体の状態を見ながら、本来身体に備わっている自然治癒力や環境へ適応する力が発揮されやすい状態を目指します。
身体の変化は、決して身体が弱くなったというサインだけではありません。これまで頑張り続けてきた身体からの大切なメッセージである可能性もあります。だからこそ、更年期に現れる腰痛や身体の不調をきっかけに、ご自身の身体と向き合う時間を作ることが大切です。
更年期になると腰痛を感じる方が増えるのは、単純に「年齢のせい」だけではありません。
女性ホルモンの変化、筋肉や身体の使い方、生活習慣、睡眠、ストレスなど、さまざまな要素が重なり合いながら身体の状態は変化しています。そして、その変化は腰だけに現れるものではありません。
身体は一つにつながっており、日々の生活の中で受けた負担や変化に合わせながら、バランスを保とうと働いています。
だからこそ、不調が現れたときに「痛い場所だけ」を見るのではなく、「今、自分の身体はどのような状態なのか」という視点を持つことが大切です。
更年期は、身体が新しい変化へ適応していく大切な時期でもあります。
身体からのサインに気づき、日々の生活を見直すことは、これから先も健康的に過ごしていくための大きな一歩になります。身体の状態を正しく知ることが、健康への第一歩になるかもしれません。
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執筆者中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。
シオカワスクールの哲学教室で塩川雅士D.C.からカイロプラクティックの自然哲学を学んだことや、塩川カイロプラクティックで実際の臨床現場を見学させていただいたことで、哲学・科学・芸術の重要性を知る。
現在は、前田カイロプラクティック藤沢院での診療を通じて地域社会の健康に寄与しながら、シオカワスクールでは女性初のインストラクターとして後任の育成にも力を入れている。
自分自身が女性特有の悩みで悩んでいた経験を活かし、誰にも相談できずにどこへ行っても改善されずに悩んでいる女性に寄り添えるようなカイロプラクターを目指している。


