ストレートネックと頭痛の関係とは!?
「長時間スマートフォンを見た後に頭痛がする」
「デスクワークの終わり頃になると頭が重くなる」
「肩こりと一緒に頭痛が出る」
「目の奥が疲れるような感覚がある」
このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
実際に慢性的な頭痛でお悩みの方の中には、「病院で検査を受けても異常は見つからなかった」「頭痛薬を飲めば楽になるけれど繰り返してしまう」「首や肩がいつも張っている」といった状態がみられることがあります。
そのような方の姿勢を観察すると、「ストレートネック」と呼ばれる状態がみられることがあります。近年ではスマートフォンやパソコンの普及により、ストレートネックという言葉を耳にする機会も増えました。
しかし、ストレートネックと言われたからといって必ず頭痛が起こるわけではありませんし、頭痛がある方すべてがストレートネックというわけでもありません。
大切なのは、首の形だけを見るのではなく、なぜその状態になっているのか、そして身体にどのような影響を与えているのかを理解することです。
このコラムでは、ストレートネックと頭痛との関係について解説していきます。
■ストレートネックとは何か?
人間の頚椎は、本来ゆるやかな前弯カーブを描いています。
このカーブには単に見た目を整えるだけではなく、頭の重さを効率良く支え、歩行や運動時に発生する衝撃を分散する重要な役割があります。
成人の頭の重さは一般的に4〜6kg程度あるとされています。これはボウリングの球ほどの重さに相当します。
私たちは普段その重さを意識することなく生活していますが、頚椎のカーブや首周囲の筋肉が絶えず働くことで頭を支えています。
ストレートネックとは、この本来あるべき頚椎前弯が減少し、首が真っ直ぐに近い状態になっていることを指します。
近年ではスマートフォンやパソコンを使用する時間が増え、頭を前へ突き出した姿勢を長時間続ける人が増えています。
本来、耳の位置は肩の上に近い位置にあります。しかし頭が前方へ移動すると、その重さを支えるために首や肩周囲の筋肉へ大きな負担がかかります。
例えば、重たい荷物を身体から離して持つと急に重く感じることがあります。同じ重さでも身体から遠ざかるほど負担は大きくなるからです。
頭も同じです。
頭を前へ突き出した姿勢は、ボウリングの球を身体から離して持ち続けているような状態とも言えます。
その結果として首や肩周囲の筋肉が過剰に働きやすくなり、慢性的な首こりや肩こりにつながることがあります。
また、ストレートネックは首だけの問題ではありません。
頭位前方姿勢が続くと、胸椎や胸郭の動きにも影響を及ぼすことがあります。頭が前へ出れば、その重さを支えるために背中は丸まりやすくなり、胸郭の動きも制限されやすくなります。
つまりストレートネックは、頚椎だけの問題ではなく、身体全体のバランスの中で起こっている現象として考える必要があるのです。
■なぜストレートネックは頭痛につながるのか?
頭痛には様々な種類がありますが、ストレートネックと関係することが多いのは緊張型頭痛や頚性頭痛です。
緊張型頭痛は頭全体が締め付けられるような重い痛みとして感じられることが多く、肩こりや首こりを伴うことも少なくありません。
一方で頚性頭痛は、首の問題が関与して起こる頭痛であり、後頭部から側頭部、時には目の奥にかけて症状が現れることがあります。
ストレートネックがみられる方では、頭を支えるために首の後ろの筋肉や肩周囲の筋肉が過剰に働きやすくなります。
その中でも重要なのが「後頭下筋群」と呼ばれる小さな筋肉群です。
後頭下筋群は頭蓋骨と上位頚椎をつなぐ筋肉であり、頭の位置を細かく調整する役割を担っています。
私たちは歩く時も、立っている時も、視線を動かす時も、無意識のうちに頭の位置を調整しています。その微細な調整を行っているのが後頭下筋群です。
しかし頭が前方へ出た姿勢が長時間続くと、この筋肉群は常に緊張した状態になりやすくなります。
本来であれば数秒から数分単位で変化するはずの筋活動が、何時間も続くデスクワークやスマートフォンの使用によって持続的な負荷へ変わってしまうのです。
その結果として筋肉の疲労や緊張が蓄積しやすくなります。
さらに重要なのが、大後頭神経との関係です。
大後頭神経は後頭部から頭頂部にかけて感覚を伝える神経です。この神経は後頭下筋群やその周囲の組織と近接しています。
そのため筋肉の緊張が続くことで神経に機械的な刺激が加わり、後頭部から頭頂部にかけての痛みや違和感につながる可能性があります。
実際に頚性頭痛を訴える方の中には、「後頭部から頭のてっぺんにかけて痛い」「目の奥が重い」「首を動かすと頭痛が強くなる」といった特徴がみられることがあります。
また、上部頚椎には頭の位置や平衡感覚に関する情報を脳へ送る感覚受容器が豊富に存在しています。
そのため首周囲の筋肉や関節へ負担が集中すると、頭痛だけでなく、目の疲れ、集中力の低下、ふらつき感などを伴うこともあります。
さらに見逃せないのが呼吸との関係です。
頭位前方姿勢が続くと胸郭の動きが制限されやすくなります。その結果として横隔膜による呼吸よりも、首や肩周囲の筋肉を使った呼吸が優位になることがあります。
本来、呼吸は横隔膜が中心となって行われます。しかし呼吸が浅くなると、胸鎖乳突筋や斜角筋など首周囲の筋肉を補助的に使う割合が増えることがあります。
すると首周囲の筋肉への負担はさらに増加し、頭痛を引き起こす悪循環につながる可能性があります。
また、呼吸と自律神経は密接に関係しています。
自律神経のうち交感神経が優位な状態では、呼吸は浅く速くなりやすいことが知られています。
強いストレスや精神的緊張が続くと、身体は常に警戒モードのような状態となり、首や肩周囲の筋肉も緊張しやすくなります。
実際に頭痛を訴える方の中には、「眠りが浅い」「疲れが抜けにくい」「常に身体へ力が入っている」といった状態を同時に抱えている方も少なくありません。
つまりストレートネックと頭痛の関係は単純なものではありません。
頭位前方姿勢によって後頭下筋群へ負担が集中し、その結果として大後頭神経への刺激や上部頚椎周囲への負担が増加する可能性があります。
さらに呼吸の変化や自律神経の影響も加わることで、頭痛が慢性化していくことがあるのです。
■カイロプラクティックが考える頭痛と神経機能の重要性
前田カイロプラクティック藤沢院では、頭痛を単に首や肩の筋肉の問題として捉えていません。
なぜなら、姿勢も筋肉の働きも、呼吸も、すべて脳と神経によってコントロールされているからです。
例えば頭の位置を維持するためには、首の筋肉だけでなく、目からの情報、内耳の平衡感覚、筋肉や関節からの感覚情報など、多くの情報が脳へ送られています。
脳はそれらの情報を統合しながら、姿勢を常に調整しています。
つまり、頭痛を考える際にも筋肉だけを見るのでは不十分なのです。
筋肉がなぜ緊張しているのか、なぜ頭が前方へ出る姿勢になっているのか、なぜ身体がその状態を続けているのかという視点が重要になります。
近年ではストレートネック改善のためにストレッチや筋力トレーニングが広く行われています。これらは非常に重要な考え方です。
しかし私たちはその前提として、身体が本来持つ機能を十分に発揮できる状態であることが重要だと考えています。
どれだけ良い運動やストレッチを行っても、それをコントロールする神経機能が十分に発揮されていなければ、本来期待される結果を得られない可能性があります。
例えば、頭痛を繰り返す方の中には、首の筋肉をほぐしてもすぐに元へ戻ってしまう方がいます。
それは筋肉そのものだけが問題なのではなく、その筋肉をコントロールしている神経機能や身体全体のバランスが関係している可能性があるからです。
前田カイロプラクティック藤沢院では、体表温度検査、視診検査、静的触診、動的触診、レントゲン評価という5つの検査法を用いて身体の状態を総合的に確認しています。
首だけを見るのではなく、なぜ頭痛が起きているのか、なぜ首や肩へ負担が集中しているのか、なぜ身体が本来の機能を発揮しにくくなっているのかを丁寧に確認していきます。
ストレートネック、首こり、肩こり、頭痛は、それぞれが独立した問題として存在しているわけではありません。姿勢、呼吸、筋肉の働き、神経機能が互いに影響し合う中で、結果として頭痛という形で現れていることがあります。
大切なのは、頭痛そのものだけを見るのではなく、その背景にある身体の状態を理解することです。
もし慢性的な頭痛や首こり、肩こりでお悩みであれば、首だけに目を向けるのではなく、姿勢や呼吸、そして身体全体の神経機能にも目を向けてみることが大切かもしれません。
身体が本来持つ機能を十分に発揮できる状態を目指すことが、健康への第一歩になると私たちは考えています。
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執筆者前田 一真
神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が銀座に開院した塩川カイロプラクティックに内弟子として入り、塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事。副院長まで務める。
また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務め、後任の育成にも力を入れている。
2023年5月、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院として、地元である藤沢の地で「前田カイロプラクティック藤沢院」を開院。
シオカワグループの一員として、インサイドアウトの健康文化を日本に根付かせるため、一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくことを使命とし、感謝・感動・希望に溢れる社会の実現を目指している。


