PMS(月経前症候群)(気分の浮き沈み、イライラ、便秘、頭痛、むくみ、不眠症、肩こり、生理痛、末端冷え性、腰痛、下痢)

PMS(月経前症候群)(気分の浮き沈み、イライラ、便秘、頭痛、むくみ、不眠症、肩こり、生理痛、末端冷え性、腰痛、下痢)

生理前の身体の不調がなくなった!

20代女性
来院に至った経緯
中学生の頃から生理痛や末端冷え性があった。生理痛は初日に下腹部痛が酷くなるので、いつも痛み止めを飲んで対処していた。末端冷え性は特に生活には支障はなかったため、なにも対処はしてこなかった。

高校生の頃から、生理前になると決まって体調が悪くなった。生理が来る一週間くらい前から感情のコントロールが自分でも難しくなり、イライラしたり、急に不安になったりした。また生理前だけ便秘になり、それ以外でも頭痛、むくみ、不眠症、肩こりなど様々な症状で困っていた。

婦人科を受診すると、PMS(月経前症候群)以外に生理痛もあったため、排卵を止めて女性ホルモンの変動を抑えるために超低用量ピルを処方された。薬を飲むとPSM(月経前症候群)も生理痛も楽になったため、そのまま服用を続けていた。

就職して看護師になり総合病院での勤務となった。勤務体系は日勤と夜勤のシフト制で、体力的にも精神的にも本当にきつかった。この頃から腰痛も感じるようになり、夜勤では立っているだけでも腰痛を感じるようになった。また就職してから一人暮らしを始めていたため、食事も疎かになり、毎日のようにコンビニ食が続いていた。

就職して1年が経つ頃、これまで薬で抑え込んでいたPMS(月経前症候群)の症状が一気に襲ってきた。生理は薬で止めていたが、高校生の頃に出ていた症状がすべて酷くなったようになり、そのときはなかった肌荒れや下痢など仕事にも支障をきたすほどだった。

いつまで経っても症状は治まることはなく、退職することになり実家に戻ることにした。毎月、1週間はPMS(月経前症候群)の症状に襲われ、寝込むことが多くなり、再就職もできない日々が続いていた。

一度、別の病院に通ってみようと思い、これまで行ったことがなかった病院を受診すると自律神経の問題だと思うと言われた。また20代前半の若さで生理を止めてしまうのは良くないと言われ、超低用量ピルをやめることになった。

薬をやめると当然のように生理痛に襲われた。またPMS(月経前症候群)の症状は何も変化がなかった。このままでは良くないと代替医療にも通ってみることにした。自律神経専門の整体院、自律神経に特化した針鍼灸と謳っている治療院に通ってみたが、何も変化がなかった。

そんなとき、親戚の叔母からカイロプラクティックがいいよとアドバイスをもらった。これまでカイロプラクティックは受けたことがなく、ボキボキされるところという認識しかなかったので怖さしかなかった。叔母に自律神経に強そうなカイロプラクティック院を調べてもらったところ、当院のHPにたどり着き来院された。


【神奈川県相模原市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左後頭部の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、上部頚椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きも確認された。首の前弯カーブも消失してストレートネックを通り越して逆カーブとなっており、首の椎間板の段階も慢性的なD3レベルが確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

2週目(3回目のアジャストメント)には、就職以来感じていた腰痛は、ほとんど感じなくなった。

3週目(6回目のアジャストメント)には、生理前になると眠れなくなっていたものが、睡眠は取れるようになった。また頭痛はまったく感じなくなった。この段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

6週目(9回目のアジャストメント)には、生理前でも気分の浮き沈みがなくなった。また生理前に感じていた便秘や肌荒れが気にならなくなり、むくみもほとんど気にならなくなった。

8週目(11回目のアジャストメント)には、骨盤部もかなり安定してきてケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

12週目(13回目のアジャストメント)には、ほとんどすべて症状が落ち着き、生理痛もPMS(月経前症候群)も末端冷え性も気にならなくなった。

現在はすべての症状が落ち着き無事に再就職もできたが、二度と同じ思いはしたくないと、ケアのペースを1か月に一度に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のPMS(月経前症候群)の原因は、自律神経のバランスの乱れから女性ホルモンの分泌異常によるものだと考えられる。また生理痛に関しても、同じことが原因だろう。

女性ホルモンに代表されるエストロゲンやプロゲステロンは、PMS(月経前症候群)と大きく関係している。月経、つまり生理前の3~10日前を黄体期と呼ぶが、このときに女性ホルモンの分泌が異常に低下するとPMS(月経前症候群)のような症状となってしまう。

女性ホルモンは主に卵巣から作られるが、その卵巣と脳が神経によって連携が取れていることで、女性ホルモンの分泌は正しい量が正しい周期で分泌されるようになる。女性ホルモンに限らず、脳と各ホルモン分泌器官は自律神経によってコントロールされている。

今回は、骨盤部と上部頸椎というどちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があったため、交感神経が過剰に働き自律神経のバランスが乱れた結果、PMS(月経前症候群)や生理痛を引き起こしていたと考えられる。

突然出てきた肌荒れや下痢も、便秘が長年続いていた状態で薬で生理を止めてしまったことで、体内に毒素が蓄積しやすい環境となった結果、肌から毒素を出そうと肌荒れしたり、下痢となって体内の毒素を排泄しようとしたのだろう。

PMS(月経前症候群)の場合は、さまざまな症状が出てしまうことが特徴である。どのような症状が出ていたとしても、問題となっている神経系を特定して自律神経のバランスを整えて、体の情報を脳へ届けることの重要性が分かる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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