PMS(月経前症候群)(便秘、イライラ、末端冷え性、よく風邪を引く、喘息、腰痛、膝痛)

PMS(月経前症候群)(便秘、イライラ、末端冷え性、よく風邪を引く、喘息、腰痛、膝痛)

生理前は10日間も出なくなる便が毎日出るようになった!

20代女性
来院に至った経緯
25歳を過ぎた頃からPMS(月経前症候群)の症状が酷くなった。元々、中学生の頃から便秘で3日に一度くらいしか出なかったが、生理前の1週間~10日間はまったく便が出ないということが続いていた。

お腹のガス溜まりが酷く、何も食べていなくても常にお腹がパンパンに張っている感覚があり、いつも苦しくてしかたなかった。普段は3日間くらい出ないと薬を飲んで無理やり出しているが、生理前は薬も効かずまったく出なくなってしまい、それもあってイライラも抑えられずに旦那さんにも八つ当たりのように接してしまうようになった。

子供の頃から体が強い方ではなく、頻繁に風邪を引いてしまっていた。また子供の頃から乾燥しているところに行くと咳が出るようになり、病院では喘息の気があると言われた。いつも痰が絡むような感覚があって、痰を取るように咳払いをしていた。

末端冷え性も子供の頃からずっとあったが、PMS(月経前症候群)が気になるようになってからは末端冷え性も酷くなり、夏場でも手袋をしたくなるほど手が冷たく、寝るときも靴下を何枚も履いて寝ないと冷たくて眠れなかった。

以前からYoutubeで塩川満章先生の動画を見ていたが、別に腰痛があるわけでもないし思っていたところで、ぎっくり腰をやってしまい、カイロプラクティックを受けてみたいなと思うようになった。動けないほどの腰痛は5日間くらいで治まり、なんとか歩けるようにはなったが、3か月経っても腰痛が引かなかった。

その状態で生活をしていたら、腰をかばっている影響か右膝に痛みを感じるようになった。塩川先生のクリニックが銀座にあるということは知っていたが、腰や膝の痛みでとても銀座まで何度も通えないなと思っていた。

近所の整体院と針鍼灸院に週1回のペースで通っても腰痛や膝痛はまったく改善せず、悩んでいることを友人に相談すると、たまたまその友人が当院に通われている患者で、「そんなに体調悪いなら前田先生紹介するよ?前田先生は塩川先生のお弟子さんだよ。」と紹介してもらい、これは運命だと思って当院に来院された。


【神奈川県藤沢市辻堂から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎右横突起の強い浮腫感

  • 03

    右後頭部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と第一頸椎右横突起に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、腰痛はまったく感じなくなった。また右膝の痛みは本人も忘れているほどで、そういえば最近膝痛くないというまで回復していた。

6週目(6回目のアジャストメント)には、ガス溜まりが楽に感じるようになってきた。便秘も少しだけ改善されて2~3日に一度は出るようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

10週目(8回目のアジャストメント)には、いつも生理前になると1週間~10日間くらいは便が出なくなってしまうが、生理前でも1~2日に一度くらいは出るようになった。また明らかに生理前でも以前ほどイライラしなくなった。末端冷え性も以前ほど冷たいと感じなくなり、寝るときの靴下はいらなくなった。

22週目(14回目のアジャストメント)には、以前のようなPMS症状はまったくなくなった。便秘やガス溜まりもまったく気にならなくなり、最低でも毎日1回は便が出るようになった。冷え性もほとんど気にならなくなった。またカイロプラクティックを受けるようになってから、そういえば風邪ひかなくなったと感じるようになった。乾燥しているところでも、そういえば咳出ないなと本人も忘れているほどだった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回のPMS(月経前症候群)は、自律神経の乱れによって女性ホルモンの分泌異常が原因であったと考えられる。

検査では骨盤部と上部頸椎に反応が強くあったが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスを乱してしまう。

女性ホルモンは卵巣からエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが分泌されるが、卵巣と脳は神経によって常に情報のやり取りをしている。甲状腺や副腎など他のホルモン分泌器官も神経を介して脳と情報のやり取りを常に行っている。

人間のホルモン分泌量は多すぎても少なすぎても、身体にとっては大きな負担となってしまう。PMS(月経前症候群)は、女性ホルモンの変動が大きくなると起こりやすくなる。人間の精神面はホルモンバランスによって保たれているため、生理前にイライラしてしまうなどは女性ホルモンの変動によるものになる。

元々、便秘があって生理前だけさらに便秘が酷くなるという症状も出ていたが、腸の蠕動運動は副交感神経が優位な時に活発になる。骨盤部や上部頸椎のサブラクセーション(根本原因)によって副交感神経が上手く機能せず、腸の蠕動運動が低下していたのだと考えられる。

子供の頃から風邪を引きやすいというのも、自律神経の乱れが原因であったと考えられる。交感神経が優位になると顆粒球の比率が上昇し、副交感神経が優位になるとリンパ球の比率が上昇する。この顆粒球やリンパ球の比率は、人間の免疫力に直接的な影響を及ぼしてしまう。つまり自律神経のバランスが乱れることで、直接的な免疫力低下を招く要因となってしまうと考えられる。

痰が絡むような喘息も副交感神経の問題だと考えられるが、末端冷え性も交感神経が過剰に働いている人の特徴となる。交感神経の作用によって、末梢の血管を閉じる役割がある。その状態が過剰になることで、末梢の血管が閉じたままとなり末端冷え性となってしまうのだ。

腰痛や膝痛は、骨盤部の乱れが原因であったと考えられる。骨盤部の乱れは、腰部の配列を乱し腰から出る神経に大きな負担となってしまう。また膝痛は、膝の直接的な外傷がないケースに関しては、ほとんどの場合は骨盤部の乱れによって左右の下肢に掛かる過剰に異常が生じていることが原因となる。今回のケースでも、骨盤部の安定とともに腰痛や膝痛が改善に向かっていった。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、PMS(月経前症候群)をはじめとしたさまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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