首から背中の痛み、膝の痛み

首から背中の痛み、膝の痛み

どこへ行っても改善しなかった首から背中の痛みが楽になった

50代女性
来院に至った経緯
20代の頃、スキーで転倒し左骨盤骨骨折、左股関節脱臼で手術をした。その後、痛みなどをかばいながら生活していたら徐々に左股関節の痛みが悪化し、歩行も困難な状態となり40代の頃に左股関節を人工関節にした。

50代の頃から左膝が徐々に痛くなり始めたが、そのうち痛みが楽になると思い様子をみていたら痛みは悪化し膝に水が溜まるようになってしまった。整形外科を受診し、膝の関節が狭くなっていると診断を受ける。その頃から、膝に水が溜まったら整形外科に水を抜きに行き、定期的に通院をしていた。

社会人になりデスクワークで長時間座っていることが増えてから首こり・肩こりを感じ始めた。現在は首から肩甲骨まで凝っているというよりは、痛みでパソコンの作業に集中できなくなってしまうほど辛くなってしまった。常に背中の張り感があり整体やマッサージ、ストレッチ専門店にも半年ほど通院したが、行った直後は落ち着くがすぐに痛みが戻ってしまっていた。最近では、ひどくなると 吐き気を伴うこともあり対処法が分からずに悩んでいた。

知り合いの方が当院に通院していたため、患者様のご紹介で来院に至る。


【神奈川県茅ケ崎市より来院】
初診の状態
  • 01

    頚椎から背中にかけて過緊張

  • 02

    腰部脊柱起立筋の過緊張

  • 03

    左膝の膝蓋水腫

経過と内容
頚部、腰部の椎間板の段階が慢性的ながD5レベルと確認された。
骨盤の傾きも強く、頚部の前腕カーブ(前カーブ)、背中に後弯カーブ(後ろカーブ)は消失してしまっている状態だった。週2回のケアを提案し、ケアを開始した。

2週目(3回目のアジャストメント)には、初回では膝関節の炎症が酷く、可動域が制限され歩行時の痛みもあったが、左膝の膝蓋水腫が軽減し、歩行時の膝の痛みも改善していた。

3週目(4回目のアジャストメント)には、2週間に1度は膝関節の水腫を抜くために整形外科を受診していたが、水腫を抜かなくても維持できている。

4週目(6回目のアジャストメント) には、頚から背中の過筋緊張が軽減し酷かった痛みのも和らぎ、改善がみられた。さらに腰の痛みも楽になり改善みられ痛みが出てもすぐに和らぐようになった。

6週目(8回目のアジャストメント)には、旅行で坂道などを長時間歩いても左膝の痛みは出なかった。

9週目(11回目のアジャストメント)には、1週間アジャストメントの間が空いても、前回アジャストメントした部位が維持できていた。

現在も、首から背中の痛み自体は緩和されており、月に1回のペースで身体のメンテナンスとしてカイロプラクティックを続けている。

考察
今回の首から背中の痛みの原因は、重度の骨盤の傾きによって背骨の配列が乱れ、首から背中の神経に負担がかかっていたものと考えられる。

日常生活にも支障をきたすほどの痛みと、炎症と筋肉の過緊張がみられたため、筋骨格系でケアを始めた。

首から背中が痛くなる原因は2つ考えられるが、一つは骨格のバランスが乱れてしまうことで頭の重さを支えられなくなり筋肉が緊張してしまっているものと、もう一つは自律神経が乱れてしまっていることで筋肉が過緊張の状態となってしまうものがある。

症特に肩甲骨の内側の痛みを強く訴えておられ、首から肩甲骨の辺りまで筋肉の緊張が強くみられた。
症状を強く感じている辺りの第2胸椎から第7胸椎まではレントゲン上、背中の後弯カーブ(後ろカーブ)が消失していた。後弯カーブ(後ろカーブ)が消失しまう原因の一つに骨盤のバランスの乱れが考えられる。左右の骨盤のバランスが乱れていれば骨盤の上にある背骨にも負担がかかり、ボーリングの球ほどの重さがある頭を支えようと、周りの筋肉には過度の負担となってしまう。

左膝の痛みは、レントゲン上でみてわかるくらい関節が狭くなっていたのであろう。痛みや水が溜まってしまう原因も関節が狭くなっているところ炎症が起こっていたからではあるが、膝関節が狭くなってしまう原因はレントゲン評価でも骨盤の傾きがみられ、骨盤の可動域の低下があったからと考えられる。

骨盤の動きが妨げられることで股関節の可動域は大きな影響受けやすい。股関節の役割の一つは、上半身の重さを二分して左右均等に分散する働きがあるが、うまく働かないと膝関節は影響を受けてしまう。

さらに、骨盤や腰部から出る神経は膝関節にも関与しており、体の土台である骨盤部で長期的に神経の流れに負担がかかっていたことも、左膝の炎症していた部分の回復も低下してしまったものと考えられる。

検査と問診で自律神経の症状はみられなかったため筋骨格系でアプローチを開始した。

過去にも左側の骨盤骨骨折、左股関節脱臼の既往歴があり、その後、左股関節は症状が悪化し人工関節の手術をしている。左右の骨盤のバランスは乱れやすい状態ではあったと考えられるが、一番の原因はサブラクセーション(根本原因)を放置し慢性的に神経機能に負担をかけ続けてしまったことだであろう。

骨盤や背骨でのサブラクセーション(根本原因)へのアジャストメントによって、今回の悩みであった部分である頚や背中、腰部、左膝への負担が軽減したことと、神経の流れが正常に戻り自然に損傷部分が修復されたものと考えられる。
サブラクセーションを取り除くことで体が自然と回復できることを改めて実感できた症例であった。
今後も引き続きケアを続けていきながら経過をみていきたい。

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持ち、日本で最も歴史あるカイロプラクテック学校「シオカワスクール」のセミナーを受講。勉強していく中で、カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、カイロプラクティックの世界へ飛び込むことを決意。

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