食欲不振(めまい、立ちくらみ、末端冷え性、生理痛、貧血、無月経、頭痛、不眠症、寝起きの両手のしびれ)

食欲不振(めまい、立ちくらみ、末端冷え性、生理痛、貧血、無月経、頭痛、不眠症、寝起きの両手のしびれ)

漢方に頼ることなく食欲が戻った!

10代女性
来院に至った経緯
子供の頃から乗り物酔いが酷く、ジェットコースターのような乗り物は絶対に乗れなかった。また小学生に上がる頃には、自覚があるほど手足など末端が冷え切っていて、冬は手足が冷たくて眠れないということもあった。

中学生になると寝起きに布団から起き上がるときや階段の上り下りのときに、高速エレベーターに乗っているときのような浮遊感を感じるようになった。それからというもの、毎日最低でも1回は立ちくらみが起きるようになった。

同時期から生理痛が酷くなり、出血量が多くて、毎月のように生理痛が重たかった。出血過多の影響か常に貧血気味で、それが立ちくらみにも繋がっているのかもと思い、鉄分のサプリメントを摂ったりしたが効果がなかった。

高校生になると生理痛がさらに酷くなり、婦人科を受診した。婦人科では月経を安定させるために低用量ピルを処方された。しばらく低用量ピルを飲んでいたら、出血が2ヶ月以上止まらなくなってしまった。3回ほど薬の種類を変えてもらうと、今度は生理が完全に来なくなり無月経となってしまった。

高校2年生になると、ほぼ毎日のように午後から夕方に掛けて頭痛を感じるようになった。目の周りが痛くなる時もあり両手で目を覆いたくなるような鋭い痛みや、両方の側頭部が締め付けられるような頭痛で、夕方塾に行く前に頭痛薬を常用するようになってしまった。

大学受験を控えている大事な時期に、どんどん体調が悪くなっていくことに不安を感じ、両親にも相談して針鍼灸院や整体院に通ってみることにした。最初は受けると体が軽くなる感じもしたが、すぐに何も変わらなくなってしまい、施術を受けると逆に症状が酷くなってしまうようになり、不眠症にもなってしまった。

寝入りは問題ないが、寝ても1~2時間で目が覚めてしまうようになった。毎晩のように最低でも2~3回は目を覚ましてしまい、当然寝起きはスッキリしている感じはまったくなかった。

この頃から寝起きの15分間ほど、両手が痺れて力が入らないようになってしまった。時間が経てば力が入るようになるが、ほぼ毎朝のように寝起きの15分間くらいは両手が痺れていたため、いつも予定時間よりも30分くらい早く起きて朝の支度に備えていた。本当に指先だけが痺れている感じで、手に力が入らない感覚だったが、病院でも異常なしと言われて対処のしようがなかった。

高校3年生の受験シーズンになると、食欲がまったく湧かなくなってしまった。子供の頃から朝ごはんはしっかり食べていたが、寝起きの食欲がまったくなく何も食べずに学校へ行った。持って行ったお弁当も食べる気がなくなり、お腹が空く感じがそもそもしなかった。

漢方を処方してくれる先生を頼ったが、漢方を飲んでも飲まなくても食欲が湧くことはなかった。大学受験を無事に終えて大学生になったが、それでも食欲が戻ることはなく、当然のように体重も減少していった。

せっかく行きたかった大学に入っても体調不良から講義に集中できずに時間だけが過ぎて行った。そんなとき、たまたまYoutubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があった。銀座の塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみると、副院長の前田先生が藤沢駅前で開院されていることを教えてもらった。

藤沢駅前ならちょうど家からも近く、HPを見てもしっかりと実績のある先生に思えたのでカイロプラクティックは初めてだったがこの先生なら大丈夫だと思い、当院に来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜にスポンジ状の強い浮腫

  • 02

    右後頭部の強い浮腫感

  • 03

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、正中仙骨稜の第三結節にスポンジ状の強い浮腫感が確認された。体表温度検査では、骨盤部と十部頚椎に明らかな左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板には慢性的なところは確認されなかったが、腰の前弯カーブ(前カーブ)が強く出ており反り腰の状態となっていた。首の椎間板も慢性的な段階は確認できなかったが、首の前弯カーブは消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっており、椎間板の後方部はすべて開いてしまっていた。初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、寝起きの15分だけ痺れが出ていたが、ほとんど気にならなくなった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、めまいのような立ちくらみは完全に出なくなった。頭痛の頻度も明らかに減り、頭痛薬は飲まなくてもよくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

11週目(8回目のアジャストメント)には、薬をやめても来たり来なかったりだった生理が正常な周期で来るようになった。生理痛も以前のように動けないほど重いということはなくなった。また困っていた食欲不振も回復の兆しがみえ、お腹が空いたなと感じるようになってきた。

17週目(11回目のアジャストメント)には、両手が温かいと感じるようになってきた。睡眠の質はすっかり戻り、夜中に目を覚ますということはほとんどなくなった。この頃には食欲もしっかりと戻り、朝食も元通り食べられるようになった。

25週目(15回目のアジャストメント)には、生理痛はまったくなくなった。頭痛も末端冷え性も不眠症もほとんど何も気にならなくなった。睡眠がしっかり取れるようになったからか、食事がしっかりと食べられるようになったからか、大学の講義も集中して受けられるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の食欲不振は、自律神経の乱れが最大の原因だったと考えられる。特に注目したいのは副交感神経の働きである。胃腸の動き、特に腸の蠕動運動は副交感神経の働きによるものである。腸の蠕動運動の機能低下は、直接的に食欲不振を招いてしまう。

自律神経には交感神経と副交感神経がある。検査では骨盤部と上部頸椎に反応が強く見られたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働いてしまい自律神経のバランスが乱れた状態だったと考えられる。

交感神経が過剰に働くことで体が常に過緊張の状態となり、夜眠るときにも休まるスイッチを入れることができずに不眠症となってしまっていたのだと考えられる。午後から夕方に掛けて出てしまう頭痛は緊張性の頭痛であり、これも交感神経が過剰になっていた影響だと考えられる。

末端冷え性も交感神経の作用によって末梢の血管が閉じたままとなってしまっていたことが原因だと考えられる。寝起きの15分だけ指先が痺れるような感覚も、過度の末端冷え性から血流異常を起こした結果、正座をした直後のような痺れを感じていたのだろう。時間が経つことで血流が再開するので、寝起きの15分だけ痺れを感じていた状態だったと考えられる。

生理痛は脳と卵巣を繋ぐ神経機能に異常が生じた結果、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が低下してしまい、代わりに分泌されるプロスタグランジンという物質の過剰分泌が原因であったと考えられる。プロスタグランジンの作用として、不要になった子宮内膜や経血を体外へ排出させる作用があるが、このとき子宮に過剰な収縮を起こさせることで生理痛を誘発させてしまう。

人間の平衡感覚を司っている耳は上部頸椎密接な関係があり、めまいや立ちくらみを誘発させてしまう。また自律神経のバランスの乱れから内耳の中にあるリンパ液が過剰に分泌された結果、めまいや立ちくらみにも繋がっていた可能性もある。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで、さまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。どのような症状であったとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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