顎関節症(慢性首痛、慢性腰痛、下肢の痺れ、下肢の筋力低下、足がよくつる、頭痛、不眠症)

顎関節症(慢性首痛、慢性腰痛、下肢の痺れ、下肢の筋力低下、足がよくつる、頭痛、不眠症)

顎からのシャリシャリ音が鳴らなくなった!

50代女性
来院に至った経緯
小学校高学年の頃から、食事中に顎からシャリンシャリンと異音が鳴っていた。自分の中では自分だけに聞こえている音だと思って、特に顎に痛みがあるわけではないので誰にも相談せずに黙っていた。

中学生になると昼食時に同級生から「顎からすごい音鳴ってない?」と言われて、周囲の人にも聞こえていると知り、恥ずかしくなって人前でご飯を食べれなくなった。高校生になる頃には口を大きく開けると顎が外れる感覚があり、歯医者など口を長時間開けていなければならないところは苦痛でしかなかった。

顎からの異音は大人になるにつれ、どんどん酷くなり専門医に調べてもらったがまったく治らなかった。社会人になる頃には口を開けるたびに顎がガクガクなるのが自分で分かるようになり、昼食を食べるのをやめたり、夜の会食などもすべて断ってきた。

社会人になってからデスクワークの影響か30年以上前から慢性的な腰痛があった。昔からの慢性的な腰痛でぎっくり腰も何度も経験しているので、近所の整体院や針治療院に何十年も通っていたが、どこの先生にも「顎のことは分からない」と言われた。整体院などは腰痛のために通っていたので、顎は子供の頃からだから治らないのかと諦めていた。

社会人5年目くらいからは睡眠の質が悪くなり、布団に入ってから2~3時間眠れないこともあった。また夕方になると、ほとんど毎日のように頭痛が出るようになった。薬は頼りたくなかったが、いよいよのときは睡眠薬や頭痛薬で対処していた。

小学校1年生からクラシックバレエを40年以上続けていたが、ある日バレエのレッスン中に急に下半身に力が入らない感覚が出てきた。その日は疲れていたのかなとレッスンを速めに切り上げたが、夜中に両方のふくらはぎがつってしまい激痛で目を覚ました。

慢性腰痛はあったものの、下半身に異常が出たことはなかったので、不安になり整形外科でレントゲンやMRI検査を受けた。この頃には両脚に痺れも出ていて、病院では脊柱管狭窄症だと診断され手術も検討する必要があると言われた。

何十年も整体院や針治療院で施術を受けてケアしていたのに、なぜこんなことになったのか理由が分からなかった。そんなとき、中学生からの古い友人が「騙されたと思って、ここの先生すごいから行ってごらん」と当院を紹介された。

これまでカイロプラクティックは一度も受けたことがなかったが、当院のHPを見て、顎関節症のことが書いてあったことに興味を持ち、腰痛だけじゃなく顎関節症も良くなるかもと期待して来院された。

【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右後頭部の強い浮腫感

  • 03

    頸部と腰部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD6レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

2週目(4回目のアジャストメント)には、長年感じていた慢性腰痛に変化が出始め、痛みはあるものの長時間椅子に座った仕事終わりの腰痛が明らかに楽になっているのが分かった。

3週目(6回目のアジャストメント)には、両脚に出ていた痺れはほとんど感じなくなった。また夜寝ているときのふくらはぎがつるのは一度も出なくなった。また首の硬直が自分でも分かるほどぬけてきた。また夕方以降にほぼ毎日出ていた頭痛が気にならなくなってきた。

4週目(8回目のアジャストメント)には、顎関節症にも変化が出てきて、口を大きく開けた時にガクガクする感じが減ってきた。ただし、まだシャリンシャリンという異音は鳴っていた。この段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

6週目(10回目のアジャストメント)には、足の痺れはまったくなくなり、クラシックバレエのレッスンにも参加できるようになった。レッスン中も両脚に力が入らなくなるようなことはなかった。また睡眠の質も明らかに良くなってきて、布団に入って2~3時間眠れなかったものが、30分以内には眠れるようになった。

9週目(13回目のアジャストメント)には、小学生の頃から鳴っていた顎のシャリンシャリンという異音がまったく鳴らなくなった。また口を大きく開けてもガクガクする感じもほとんど気にならなくなった。

現在は、ほとんどの症状は安定しつつあるものの、このままケアを続けていればすべてが解消するかもしれないという思いから、ケアのペースを2週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の顎関節症の原因は、首のバランスの乱れから顎関節に必要以上の負荷がかかっていたものと考えられる。顎関節は人体に数ある関節の中でも、最も小さな関節の一つとなる。そのため、顎に直接的な外傷がない場合は、そのほとんどが首のバランスの乱れからとなる。特に着目したいのが第一頸椎で、ここは顎関節と密接な関係がある。

今回は不眠症や頭痛の問題もあったが、上部頸椎と骨盤部というどちらも副交感神経支配の部位に反応が出ていたことからも、副交感神経に負荷がかかり自然と交感神経が優位に働くことで自律神経のバランスを乱していたのだろう。

交感神経が優位な状態が長く続き、交感神経が過剰に働くことで休まるスイッチが入らず不眠症となっている状態だった。また夕方以降に出る頭痛も緊張性の頭痛で交感神経が過剰に働いてしまっている人の特徴でもある。

30年以上も続く慢性的な腰痛も、骨盤部の制限から腰部の神経に過剰な負荷がかかっていたものと考えられる。腰部の椎間板は整形外科で脊柱管狭窄症と診断された通り、D6と6段階の評価では最終段階となっていたことからも、長期間に渡って腰部に負荷がかかっていたのだろう。

また夜寝ているときに両方のふくらはぎがつる問題や、両脚の痺れ、運動中に力が入らない感じも腰部や骨盤部の神経にそれだけ負担がかかっていたのだろう。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため、慢性的な顎関節症、首痛、腰痛のみならず、自律神経のバランスが整い不眠症や頭痛の改善に繋がったと考えられる。

どれほど慢性的であったとしても、サブラクセーションを取り除き、体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
顎関節症(慢性首痛、慢性腰痛、下肢の痺れ、下肢の筋力低下、足がよくつる、頭痛、不眠症)
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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