頭痛、めまい、不眠症(腰痛)

頭痛、めまい、不眠症(腰痛)

急に出た自律神経症状だけではなく、20年以上苦しんでいた腰痛が改善した

50代男性
来院に至った経緯
仕事はバスの運転手をしている。職業柄座っている時間が長いせいか20年間、慢性的な腰痛があった。

仕事で夜行バス勤務になったのをきっかけに、夜間バスを走行させていると制帽をかぶっているだけで頭がイライラするような頭痛が頻繁に出るようになった。

しばらく夜間の勤務体制が続いたが、あるとき立っていられないほどのめまいが出てしまった。病院に行くとメニエール病だと診断された。めまいは回転性ではなく、横にふらふらと揺れるようなめまいだった。また耳鳴りや飛行機に乗ったときのような詰まり感があった。

体調不良が悪化したため、会社に申し出て夜間の勤務は無しにしてもらい昼勤務のみになったが、以前として体調不良が続いていた。

頭痛もこれまでと違った後頭部が締め付けられるような頭痛がして頭痛薬が手放せなくなった。頭痛は決まって夕方から夜になると出るようになり、低気圧の日は顕著に頭痛が出るようになった。

同時期から、不眠症のような症状も出るようになった。布団に入ってもなかなか寝付けず、寝てもすぐに目が覚めてしまい、寝起きにはまったく体が回復していないように感じた。

この頃になると動悸がするようになり、病院で検査をしてもらったら血圧が上160を超えるような数値が出てしまい、降圧剤を処方されるようになった。

すると今度は薬の副作用なのか便秘と下痢を繰り返すようになった。3~4日出ない日が続き、出ると下痢になってしまう。20年以上前に鼠径ヘルニアの手術をしてから、あまり調子が良くない日が続いていたが、ここまで酷いことはなかった。

次第に首が痛くなって、後頭部から首全体にかけて硬直しているのが自分でも分かるほどだった。整形外科でレントゲンやMRIで検査をすると脊柱管狭窄症と診断された。

整形外科のリハビリ施設で理学療法士の先生に首の牽引をしてもらったが、何度か通うと今度は手に痺れが出るようになってしまった。再度、整形外科を受診すると「首の神経の通り道が狭くなっているからしかたないです。」と言われた。

最初にレントゲンやMRIを撮ったときにはそんなことは一度も言われなかったので、病院に不信感を持ち通わなくなったが、首や腰の痛みがどんどん酷くなっていたので痛み止めだけは飲んでいた。

病院のリハビリ施設に通わなくなってからは、整体や針治療などを受けてきたが、どれも一時的な変化がある程度ですぐに元に戻ってしまった。

痛み止めや頭痛薬、降圧剤など、このままどんどん薬が増えていくことに恐怖を覚え、何かないかと探していたところ、当院のHPにたどり着く。

カイロプラクティックは初めてだったが、当院のHPを見て「ここは何か違う!」と直感的に感じ、カイロプラクティックケアを受けることを決意され、来院された。

【東京都日野市からご来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    頸部全体の異常な硬直

  • 03

    右後頭部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、腰部全体が過緊張の状態だった。右仙腸関節には明らかな可動域制限があった。また頸部全体が異常なほど硬直しており、右後頭部の過緊張は顕著にあった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD4レベルだったため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、自宅が遠方だったこともあり週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、制帽をかぶっていてもイライラするような頭痛はまったく出なくなった。

3週目(3回目のアジャストメント)には、ふらつくようなめまいや頭痛は一切出なくなり薬もまったく飲まなくなった。また仕事中にバスを運転していても腰痛が気にならなくなった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、睡眠の質がよくなったのか、夜中に起きることもなくなり、寝起きは体が回復しているのが分かった。またこの段階でケアのペースを2週間に広げることができた。

8週目(7回目のアジャストメント)には、自分でも分かるほど固まっていた首全体の硬直が明らかに緩んできた。便秘や下痢を繰り返すこともなくなり、血圧も正常値まで下がり薬を飲まなくてもよくなった。

現在は二度と同じような症状に苦しみたくないという思いから、2週間に1度のペースでカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の腰痛の原因は、骨盤の可動域制限によって腰の配列が乱れ、腰部の神経に必要以上の負荷が掛かっていたものと考えられる。

また頸部全体の硬直や後頭部の過緊張によって、上部頸椎の神経にも異常なほどの負担がかかってしまっていた。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD4段階と評価した。骨盤部と上部頸椎には明らかな体表温度の誤差があった。

骨盤部や上部頸椎は副交感神経支配の領域である。副交感神経支配領域のサブラクセーションのため、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスも乱れていた。

その結果、頭痛、めまい、不眠症、高血圧、便秘や下痢を繰り返すなど、数多くの自律神経症状が出てしまっていた。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため自律神経のバランスが整った結果、腰痛だけではなくさまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。

20年以上続いた腰痛や、今回さまざまな自律神経症状が出てしまっていたが、サブラクセーションを取り除き体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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