足底筋膜炎(腰痛、股関節の痛み、膝痛)

足底筋膜炎(腰痛、股関節の痛み、膝痛)

どうしようもなかった足底筋膜炎が良くなった!

50代女性
来院に至った経緯
大学時代からフラダンスをやっていた。練習をした翌日などは寝起きに腰が張っている感覚があったが、踊っている間はとにかく楽しくて日々のストレスも吹っ飛ぶ気がして、社会人になっても続けていた。

社会人になって3年目のある日、いつものようにフラダンスを踊っていたら、人生で初めてぎっくり腰をやってしまい、動けなくなった。その当時は同じフラダンスチームの人に紹介してもらった整体院で治してもらった。

その後、結婚・出産を機にフラダンスはやめた。10年前からバーの経営をしており、店舗にも立つため、仕事でヒールを履くようになった。バーの仕事を始めて2年くらい経った頃から足の裏に痛みを感じるようになった。

始めはヒールを履いて仕事をしているからかな?と気にしていなかったが、あまりにも痛みが続いたため、整形外科を受診すると足底筋膜炎だと診断された。特に何も処方されることはなくヒールを履くのをやめて安静にするように指導された。

仕事ではヒールを履かないわけにはいかず、何か対処しなくてはと思い、足つぼマッサージや針鍼灸院に通ってみた。施術をしてもらうと痛みが緩和するような気がしていたが、その日の夜にヒールを履いて仕事をするとすぐに痛みがぶり返してしまった。

運動不足が原因かもと思い、3年前にフラダンスを再開してみた。すると踊ったその日の夜から、右お尻、右鼠径部、右膝に違和感が出た。翌朝起きると腰に激痛が走り、午後には動けなくなってしまった。

昔、お世話になった整体院に行こうとすると、そこの先生は年配だったためすでに引退されていた。とりあえず近所の整体院でしのごうと何も調べずに行ったのが間違いだった。そこの先生はなんの説明もなく、急に腰をバキバキと何度もやられた。

整体院から出ると完全に歩けなくなってしまった。結局、2週間仕事を休むことになったが、なんとか歩けるまでには回復した。仕事に復帰すると、バーに来ていたお客様から腰が悪いなら藤沢に良いカイロプラクティックの先生がいるよと教えてもらった。

カイロプラクティックはバキバキされるというイメージしかなく、直前に整体院でバキバキされてさらに腰を痛めたばかりだったのでお客様に説明すると、それでもいいから一度行ってみれば分かると熱弁された。

足底筋膜炎も治るのかなと尋ねると、体の事ならなんでも相談に乗ってくれる先生だからと説得されて、ご紹介という形で当院に来院された。


【神奈川県横浜市西区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼と腰椎5番の強い浮腫感

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。右仙骨翼と腰椎5番には強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きも確認された。首の椎間板の段階は慢性的なD3レベルが確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

5週目(5回目のアジャストメント)には、歩けないほどの腰痛はすっかりなくなった。まだ寝起きには腰の張りを感じていたものの、仕事中でも腰痛自体はほとんど気にならなくなった。

7週目(7回目のアジャストメント)には、股関節の痛みや膝痛はまったく気にならなくなった。足底筋膜炎はそういえばまったく痛くないと本人も忘れていたほどだった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

17週目(12回目のアジャストメント)には、フラダンスを踊った翌日でも腰痛はまったく感じなくなった。また踊っているときの下半身の可動域が以前よりもスムーズに動くように感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の足底筋膜炎は、骨盤の乱れにより股関節、膝、足首など下肢全体に負担が掛かっていたことが原因であったと考えられる。初診時の状態では左右の脚長差が2㎝もあったことから、日常生活において足底に掛かる圧はかなりの左右差があったのだろう。

仕事中にヒールを履いて長時間立っていたことも足底にはかなりの負荷となっていたのだろうが、それ以上に重要なことは骨盤部の乱れによって腰部の配列が乱れ、腰の神経に必要以上の負担が掛かっていたことだろう。

股関節、膝、足首など下肢への神経は、腰部や骨盤部から伸びている。つまり腰部や骨盤部の神経にサブラクセーション(根本原因)があると、下肢の状態を脳が正しく把握することができなくなる。

足底筋は靭帯の構造でもかなり薄い筋肉ではあるが、何年も足底筋膜炎が続く状態とは、脳がその状態を把握しきれずに人間の治るチカラが低下していることを意味している。今回の症例では、足底筋膜炎と腰痛を解消したいという患者からの強い希望があり、骨盤部と腰部のみに絞ってアプローチをした。

一度のアジャストメントで何か所もアプローチしてしまうと、人間の治るチカラも分散してしまい自然治癒力が効果的に発揮されなくなるケースがある。今回のように必要箇所だけにアプローチしたことが、早期の改善に繋がったと考えられる。

検査によって問題の神経系を特定し、アジャストメントで神経の流れを整えて、体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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