起立性調節障害(不眠症、過眠症、円形脱毛症、手先不器用、疲れやすい、運動神経悪い、片づけできない、食べ物アレルギー、口呼吸、副腎ホルモン低下、低血糖、便秘、下痢、腸カンジダ、リーキーガット)

起立性調節障害(不眠症、過眠症、円形脱毛症、手先不器用、疲れやすい、運動神経悪い、片づけできない、食べ物アレルギー、口呼吸、副腎ホルモン低下、低血糖、便秘、下痢、腸カンジダ、リーキーガット)

走ることもできなかった子が学校へ行けるようになった!

10歳未満男性
来院に至った経緯
幼稚園の年長くらいから、周りの子供と比べると落ち着きがないなと思っていた。ただ幼稚園児なんてこんなものだろうと思って、病院へ連れて行くなどはしてこなかった。

小学生になると、やはり周りの子供たちと違うなと感じることが多くなった。夜中に寝ているときに急に起き上がって騒ぎ出したり、話しかけてもまったく反応がなかったりした。食べ物のアレルギーも急に出てきて、乳製品全般、ナッツ類全般はすべてNGだった。

手先が不器用だなと感じる場面が多くなり、簡単な片付けもできないようで3~4歳の子を見ているようだった。小学校2年生になって決定的だったのは、周りの子供と比べて明らかに身体が小さかった。4月生まれなのに、3月生まれの友達と比べても一回り以上体が小さかった。

運動神経がいくらなんでも悪すぎて、小学2年生にしてブランコも乗ることができず、走り方も3~4歳の子がドタドタと小走りしているように見えた。体育の授業で縄跳びをしても、一人だけまったく跳ぶことができず、次第に学校へ行くことを嫌がり始めた。

小学2年生のGW以降はまったく学校へ行くことができなくなった。また日常生活でも、少し歩くだけで疲れてしまい、常に口呼吸をしていた。知人の紹介で分子栄養学のクリニックに行くと、副腎ホルモンの低下や低血糖がみられ、腸も不安定で腸カンジダ、リーキーガッドになっていると言われた。

そのうち円形脱毛症もできて、小学2年生でこれはただ事ではないと思い、総合病院で精密検査を受けると起立性調節障害だと診断された。こんなに小さなうちから、薬漬けにされるのは絶対に嫌だと思い、さまざまな方法を調べてみた。

そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。この人なら治してくれるかもしれないと思ったが、場所は東京の銀座だったので、さすがにこの状態の子供を銀座まで連れて行くことはできないと思ったが、調べてみると塩川先生のお弟子さんが藤沢駅前で開院していることを知った。

しかも銀座の塩川カイロプラクティック治療室で副院長を務めていた先生だと知り、これはもう運命だと思い、当院へ来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼の強い浮腫感

  • 03

    左短下肢3㎝以上

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。第一頸椎左横突起と左仙骨翼に強い浮腫が確認され、左後頭部や頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。また、脚長差検査では左短下肢3㎝以上が確認された。

レントゲン評価では、腰も首も椎間板には異常は確認されなかったが、重度の骨盤の傾きが確認された。首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

患者は8歳だったが骨盤部の配列の乱れが酷い状態だったため、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、家の中を走り回れるようになった。また口呼吸もしなくなった。

3週目(3回目のアジャストメント)には、初診時では歩き出した幼児がドタドタと小走りしているようだったが、院内を普通に走り回れるようになった。また夜中に急に騒ぎ出すということは一切なくなった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、公園に連れて行くと絶対に乗ることができなかったブランコに自分から乗れるようになった。お腹の調子もとても良くなり、夜も眠れるようになった。

8週目(8回目のアジャストメント)には、学校にも行けるようになり、体育の授業も他の子と変わらずに受けられるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の起立性調節障害は、自律神経の乱れが最大の原因であったと考えられる。検査では骨盤部と上部頸椎に顕著な反応がみられた。骨盤部と上部頸椎は、どちらも副交感神経支配の部位となる。

副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスを乱してしまった結果、睡眠の問題、腸の問題、ホルモン分泌異常などの自律神経症状を引き起こしていたと考えられる。

骨盤部は不整列が激しく、脚長差が左短下肢3㎝以上もあった。走り方も、歩き始めた幼児がドタドタと小走りしているような状態だった。初診時のときに患者本人が唯一口にした言葉が「友達と同じようにできない(走れない)、ブランコも乗れない…」という心の叫びのような消え入りそうな訴えだったことを今でもハッキリと覚えている。

それがわずか3回のアジャストメント(母親の話では2回目のアジャスト直後には家の中で走り回っていた)で来院されたときには、何事もなかったかのように院内を走り回っていた。本人が嬉しそうに「ブランコに乗れるようになった!」と話してくれたが、8歳の子供が脚長差3㎝というのは異常な状態と言わざるを得ない。

脚長差3㎝というのは、少し靴底の高い靴を片方だけ履いていない状態と同じである。その状態で走ることは大人でも困難なのは想像に難しくない。骨盤部の安定により脚長差の改善に繋がったが、それ以上に運動神経の伝達に大きな影響を与えられたのだろう。また、骨盤部の乱れは背骨全体の乱れに繋がってしまう。

検査でもう一つ反応が強かった上部頸椎は、建物でいうと最上階の部位となる。基礎(土台)である骨盤部の乱れは、上に行けば行くほど大きな乱れの原因となってしまう。上部頸椎は脳幹に最も近い極めて重要な部位となる。今回のケースでは、8歳(小学2年生)にしては体がかなり小さかったこと、手先が不器用なこと、物を片づけられないことなど、成長障害や発達障害のような状態であった可能性もある。

人間の治るチカラを司っているのは脳であるが、体が成長するにも、運動をするにも、脳と体が神経によって連携できている必要がある。上部頸椎のサブラクセーション(根本原因)によって、脳と体の情報のやり取りが上手くできなかったことが、身体の成長をも阻害していたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。今回のケースでは、患者がまだ8歳ということでそれほど慢性的でなかったことから、わずか8回のアジャストメントで大きな変化が現れた。

人間の治るチカラは何歳になっても働く偉大なチカラであるが、慢性化する前に一日でも早く神経の流れを整えて、体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop