自律神経失調症(アレルギー性鼻炎、顎関節症、過敏性腸症候群、便秘と下痢を繰り返す、上咽頭炎、不眠症、頭痛)

自律神経失調症(アレルギー性鼻炎、顎関節症、過敏性腸症候群、便秘と下痢を繰り返す、上咽頭炎、不眠症、頭痛)

自律神経失調症によるさまざまな症状が良くなった!

30代女性
来院に至った経緯
小児の頃からアレルギー性鼻炎があった。花粉症、ハウスダスト、動物の毛などは顕著で、鼻水が止まらなくなってしまう。

10代の頃から顎関節症が酷くなった。特に顎に外傷はなかったが、口を大きく開けるとガクガク音が鳴るようになってしまった。酷いときには炎症しているのか触ると右顎が熱を持っているような状態で口を開けること自体が困難になってしまった。

20代の頃から過敏性腸症候群ですぐにお腹を下してしまっていた。若い頃から体調が良い方ではなかったが、36歳のときに第一子を出産してから何か体の中のバランスがおかしくなった気がした。出産後、1年経った頃から鼻の奥に違和感があり、アレルギーの鼻炎が酷くなった。病院へ行くと上咽頭炎と診断され、それ以降は体調が急激に悪化していった。

いつもは下痢ばかりだったのが、便秘が酷くなり3日間くらい出なくなって、出ると今度はまた下痢が5日間くらい続くという状態になってしまった。睡眠の質も悪くなり、2~3時間に一度は起きるようになってしまった。また午後になると毎日のように両方のこめかみがズキズキするような頭痛が出てきた。

健康診断では逆流性食道炎があると言われ、身体全体が冷えるような感覚もあり、あちこちの病院に行って、気づけば薬の量が8種類になってしまった。絶対体に悪いと分かってはいたが、症状がどんどん悪化していくので仕方なく薬を飲み続けた。

ある日、息が上がってしまうように呼吸が浅くなり、動悸がして世界が回るような激しいめまいに襲われた。救急車で病院に運ばれて精密検査を受けると肝臓が肝硬変になっていると診断された。救急病院の先生に薬を8種類飲んでいると伝えると、今のままでは命の危険がありますと厳しく注意された。

3日間入院して点滴を打ってもらったら、体がかなり軽くなった気がした。後日、再検査で病院へ行き全身の精密検査を受けたが肝硬変になっていること以外は、異常なしだった。これまで子供の頃からあった症状などすべて伝えると、自律神経失調症による自律神経機能障害だと診断された。

急に自律神経失調症と診断されてビックリしたが、確かに怪我も病気も大きなものは一つもしていないのに、この全身に出ている倦怠感やさまざまな症状は自律神経の問題かと納得せざるを得なかった。

自分でも何かできることはないかなと、自律神経専門の整体院、針鍼灸院、タイ古式マッサージなどさまざまなことを試してみたが、何を受けても変わらなかった。そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があり、カイロプラクティックで自律神経が改善されるということを知った。

さっそく近所のカイロプラクティックに行くと、ものすごい施術が荒い先生だった。3回ほど施術を受けて首をボキボキされると、首がまったく動かなくなってしまった。首が動かなくなったあとも何度か通ったが、少し首を右後ろに回すと後頭部の辺りまでビリビリとした痛みが出るようになってしまった。

すると、施術をしてもらっていた近所のカイロプラクティックの先生から、うちでは手に負えないので藤沢駅前に塩川先生のお弟子さんが開院されているので、そちらに通ってみてくださいと紹介された。当院とそちらの先生はまったく面識がなかったが、他院からのご紹介という形で来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜の強い浮腫感

  • 02

    第一頸椎右横突起の強い浮腫感

  • 03

    腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎右横突起と正中仙骨稜に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的というよりは重度の骨盤の傾きによる側弯を伴い、椎間板の後方部が開いてしまい過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、便秘と下痢を繰り返すということはなくなったが、以前のように下痢だけが出るようになった。慢性的だった顎は、酷いときには大きく開けることができないほど強い痛みが出てしまっていたが、痛み自体は出なくなった。

8週目(8回目のアジャストメント)には、鼻炎が少し楽に感じるようになった。また喉の奥に感じていた違和感もそれほど気にならなくなった。下痢の頻度も減ってきたように感じ、頭痛の頻度は明らかに減った。

12週目(12回目のアジャストメント)には、お腹の調子がすごく良くなり下痢になることはほとんどなくなった。鼻炎も喉の奥の違和感もかなり落ち着き、顎関節は軽くカクっと鳴る程度で、それほど気にならなくなってきた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

20週目(16回目のアジャストメント)には、急激に睡眠の質が良くなり、夜中に起きることもなくなり寝起きはスッキリしていると感じるようになった。お腹の調子もすこぶる快調でこれまで感じたことがない体の軽さを感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の自律神経失調症は、上部頸椎と骨盤部というどちらも副交感神経支配の部位となる偏った神経系に負担が掛かっていたことが原因であったと考えられる。

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つからなる。交感神経は日中活動するときに働く神経で、副交感神経は夜休まるときに働く神経となる。この2つの神経のバランスが乱れることを「自律神経の乱れ」という。

上部頸椎と骨盤部というどちらも副交感神経支配の部位にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働くことでさまざまな症状に繋がっていたと考えられる。

過敏性腸症候群、便秘と下痢を繰り返す、不眠症、頭痛などは典型的な自律神経の乱れで現れる症状となる。不眠症は交感神経が過剰になることで休まるスイッチが働かず、不眠症となってしまう。また午後から夕方以降に出る頭痛は緊張性の頭痛であり、こちらも交感神経が過剰になっている人の特徴でもある。

また子供の頃からあるアレルギー性鼻炎、10代の頃からある顎関節症など考えると若い頃から上部頸椎に負荷が掛っていたと考えられる。特に顎関節症は、顎に直接的な外傷がない場合は頸部のバランスの乱れ(特に上部頸椎)の問題である可能性が極めて高い。慢性的な上咽頭炎も上部頸椎に問題があることで、慢性的な炎症が続いていたと考えられる。

自律神経失調症とは、別名自律神経機能障害と呼ばれる通り、自律神経の機能が正しく働いていないことを意味している。アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。どのような症状であったとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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