腰痛、末端冷え性(その他、自律神経症状多数)

腰痛、末端冷え性(その他、自律神経症状多数)

他のカイロプラクティックでは治らなかった症状が改善された!

50代女性
来院に至った経緯
昔から足のむくみや末端冷え性があり、特に足のつま先は夏場でも冷え切っていた。30代の頃に子宮筋腫があり不正出血も多かった。

仕事は長いこと看護師をしていて、現在は管理職を務めている。職業柄、昔から体を酷使していたため20年以上前から腰痛をあった。元々、カイロプラクティックケアを受けていたが、担当の先生が高齢の先生でクリニックを閉院してしまってからはカイロプラクティックケアを受けられなくなった。

管理職になってからはパソコン作業も増え、特にここ6~7年は腰痛が悪化してしまったので別のカイロプラクティック院に通っていた。施術を受けると精神的にはスーッと何かが通る感じがして楽になるものの、腰痛やその他の症状には何も変化がなかった。

パソコン作業が増えてから、肩こり、眼精疲労、頭痛も出てくるようになった。また便秘も酷くなり5日に1度くらいしか出ない日が続いていた。次第に血圧も高くなり上160下90以上になったため薬を飲むようになった。腰痛はどんどん酷くなり、ある日右股関節が開かなくなった。家ではあぐらをかいて座っていることが多かったが、あぐらをかくこともできなくなり、右鼠径部に痛みが出るようになった。

この頃には、仕事中に左足のふくらはぎが突っ張るような感覚になり、夜寝ているときに脚がつって起きることも増えてきた。また食事の前や食後数時間すると胃がキリキリと痛むような胃痛が出るようになった。

3年位前までは日勤と夜勤を繰り返していたので、睡眠の質が悪く寝てもすぐに目が覚めてしまっていた。頻脈があり、1年前に心臓のカテーテル治療を受けた。頻脈はなくなったが、今度は不整脈のように脈が飛ぶような感覚になった。

日に日に悪くなっていく体調に、「以前のような腕の良いカイロプラクティックの先生はいないものか?」と探していたところ、当院のHPに行きついた。これまでいろんなところでカイロプラクティックケアを受けてきたが、レントゲンや背中の温度を測るようなものは受けたことがなかったため、興味を持ち来院された。

【神奈川県横浜市戸塚区からご来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右後頭部の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節に明らかな可動域制限があった。また頸部全体がまるで一本の鉄の棒のように緊張しており、右後頭部は強い硬直と浮腫感が確認された。

体表温度検査では、骨盤部に明らかな左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は腰部では慢性的なD3レベル、頸部では超慢性的なD5レベルが確認された。初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

1週目(2回目のアジャストメント)には、右鼠径部に出ていた痛みがなくなり、あぐらをかいて座れるようになった。また昔からあったつま先の冷えも血が巡ってくるのが分かるようになり、あまり冷えを感じなくなってきた。

2週目(4回目のアジャストメント)には、20年以上あった頑固な腰痛があまり気にならなくなった。また食前の空腹時や、食後数時間経って感じていた胃痛はまったく気にならなくなった。

4週目(8回目のアジャストメント)には、肩こりや眼精疲労もあまり気にならなくなり、頭痛はまったく出なくなった。またこの段階で、ケアのペースを週1回に広げることができた。

6週目(10回目のアジャストメント)には、不整脈のように脈が飛ぶ感覚もすっかりなくなり、薬を飲まなくても血圧もすっかり正常値になった。便秘も解消され、毎日出るようになった。

現在、症状はほとんど良くなったものの、この体調をキープしたいという思いから週1回のカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の腰痛の原因は、骨盤の可動域制限によって背骨全体の配列が乱れ、腰部の神経に必要以上の負荷が掛かっていたものと考えられる。

骨盤は建物でいう土台の部分になるが、土台が乱れることで最上階である上部頸椎の神経にも異常なほどの負担がかかっており、後頭部の過緊張を生み出していた。その結果、睡眠の質が低下してしまった。眼精疲労や頭痛もここからきていたものと考えられる。

レントゲン評価では、椎間板の段階は腰部ではD3レベル、頸部はD5レベルと評価した。骨盤部と上部頸椎には明らかな体表温度の誤差があった。 

骨盤部や上部頸椎は副交感神経支配の領域である。当初は副交感神経支配領域のサブラクセーションのため、交感神経が過剰に働き、体が過緊張の状態になっていたのだろう。

手足など末端が冷えたり、食前や食後数時間してからの胃痛などは交感神経が過剰に働いていた証拠である。交感神経は末端の血管を収縮させて末端冷え性の原因となる。また食前や食後数時間してからの胃痛は胃酸が大量に出ている状態であり、これも交感神経が過剰に働いていた証拠である。

交感神経が過剰に働くことで、自律神経のバランスが乱れた結果、眼精疲労、頭痛、末端冷え性、便秘、胃痛、不眠症などさまざまな自律神経症状が出てしまっていた。以前は、子宮筋腫や不正出血もあったということも骨盤の神経に過度な負担が掛かった結果、子宮や卵巣に繋がる神経にも負担がかかっていたと考えられる。

また股関節や鼠径部の痛みは右側に出ていたものの、骨盤の可動域は間違いなく左側に制限がかかっていた。骨盤部の神経の負担は、動きが消失している側に出るケースと、動きが出すぎている側に出るケースとある。今回のケースに関しては、典型的な動き過ぎている側に痛みが出ている状態であり、必ずしも痛みがある部分アプローチするわけではないと分かる症例である。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため自律神経のバランスが整った結果、腰痛や肩こり、鼠径部の痛みだけではなく、さまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。

以前からさまざまなカイロプラクティックケアを受けていたとしても、体表温度検査やレントゲン評価といった科学的で客観的な検査方法を取り入れて、根本原因であるサブラクセーションを特定することの重要性が証明できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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