肩こり(その他、自律神経症状多数)

肩こり(その他、自律神経症状多数)

40年間苦しんだ肩こりが解消された!

50代女性
来院に至った経緯
仕事は20年間保育士をしていて体はかなり酷使しているが、生まれた時に低体重児として生まれた影響なのか、子どもの頃から体が弱かった。

子供の頃から肩こりが酷く、小学4年生のときには父親に肩をもんでもらっていた記憶がある。肩こりは強い痛みが出ることもあり、酷いときはそのまま頭痛も止まらなくなり、小学生にして痛み止めや頭痛薬が手放せなくなった。

頭痛が出る場所は両方のこめかみと後頭部でズキズキと痛みが出たり、ドクンドクンと脈打ったり、ギューッと締め付けられたりと日のよって頭痛の質が変わった。また当時からふくらはぎから下の冷えが酷かった。湯船につかっても温まらない感じで、骨の芯まで冷えていた。真夏でも靴下を何枚も重ねて寝ていたが、つま先が冷えすぎて痛みを感じ、眠れない日々が続いていた。

小学校5年生から初潮が来たが、半年間2日目の量が続いたが、そのあとの半年間は生理が来なくなった。ナイトを2枚重ねても2時間くらいで限界が来るほどの量だった。当時は8時間用の物を使っても2時間くらいしかもたないほどの量だった。生理が始まる前は、寝ている時に夜中に大量の鼻血を出すというのが頻繁にあった。

この頃から気温差があるところに出入りすると全身に蕁麻疹が出るようになった。汗もかいきやすかったり、暑かったり、寒かったりと今考えるとまるで更年期症状のようだった。また便秘も酷くなり、出ないときは2週間1度も出ないこともあった。

昔から呼吸が浅く感じていて、深呼吸というものができたことがなかった。深く息を吸い込むと2秒くらいで肺に痛みが出て、酸素が入っていかないように感じていた。

社会人になると両脚の膝から下が異常にむくむようになった。酷いときには靴を履くだけで痛みを伴うようになった。

35歳のときには子宮筋腫と診断され、そのときに更年期症状があると言われた。病院で診断されてから気になるようになりホットフラッシュのように顔がほてるようになった。

2年前に仕事中に腰を捻って痛めてしまった。歩けないほどの痛みがどんどん強くなり、その日は仕事を早退して病院へ行った。レントゲンやMRI検査をして腰部の捻挫と診断され痛み止めを処方された。1か月間痛み止めを飲んでいると胃が荒れてしまい、今度は胃薬を処方された。

その後、1年ほど経つと今度は右膝に痛みが出始めた。初めのうちは「なんか、膝が痛いな」くらいだったのが、次第に腫れてきてしゃがんだり正座をしたりという動作はできなくなった。整形外科を受診したところ右半月板損傷と診断された。特に膝は怪我をした記憶はなかったが、右膝の痛みは日増しに強くなり水が溜まるようになった。

膝を痛めるまでは職場まで毎日30分以上歩いて通勤していたが、膝の痛みで歩けなくなったことで体重もかなり増えてしまい、余計に腰や膝が痛む気がしていた。膝の痛みは痛み止めを飲んでも治まることはなかった。

何度か交通事故にも遭っているが、すべて大人になってからなので、子どもの頃から続く体調不良とは関係ないことは明白だった。

これまで整体や針治療などあらゆる治療を受けても変化がなかったので諦めていたが、信頼している人からの紹介で前田カイロプラクティック藤沢院を知る。

これまでカイロプラクティックと名乗る治療院にも何度も行ったが何も変化がなかったのでカイロプラクティックというものを信用していなかったが、信頼している人からの紹介だったこと。また当院のHPを診て、「ここは今まで行った他のカイロプラクティック院と違うかもしれない」と直感して、カイロプラクティックケアを受けることを決意して来院された。

【神奈川県横浜市鶴見区からご来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左後頭部の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右仙腸関節には明らかな可動域制限があった。また左後頭部には明らかな過緊張が確認された。また頸部はまるで一本の鉄の棒のような、異常なほど過緊張の状態だった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、本人も驚くほど右膝の痛みが減り、片道30分の道も平坦な道なら歩いて通勤できるようになった。

3週目(3回目のアジャストメント)には、睡眠時の呼吸が深くなったのか睡眠の質がとても良くなったように感じ、翌朝起きた時は体が回復しているのが分かるほどだった。

6週目(6回目のアジャストメント)には、階段の上り下りや正座をしても膝の痛みが気にならなくなった。またこの段階でケアのペースを2週間に広げることができた。

10週目(8回目のアジャストメント)には、冷え切っていた脚に血が巡ってきて、本人も気づくほど足がポカポカしていた。便秘にも回復の兆しが見え始め、酷いときは2週間に1度しか出なかったものが、2日に1回くらいは出るようになった。

18週目(12回目のアジャストメント)には、40年間苦しんできた肩こりに回復の兆しが見え始めた。あまりに肩回りが硬直していたため、下着を背中で止めるのも辛かったものが、可動域も増えてきて背中側に手を回すのが楽になった。この頃には肩こりと同時に出ていた頭痛もまったく出なくなり、他の症状もほとんどすべて気にならなくなっていた。

現在は、受けると肩こりがどんどん解消されているということで、ケアのペースを3週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の肩こりの原因は、骨盤の可動域制限によって背骨全体の配列が乱れ、骨格によって頭の重さを支えきれず神経に必要以上の負荷が掛かっていたものと考えられる。 

また後頭部の過緊張によって上部頸椎の神経にも異常なほどの負担がかかってしまっていたが、上部頸椎は建物でいえば最上階になるため、こちらも土台の部分である骨盤の歪みの影響があったものと考えられる。 

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD4段階と評価した。骨盤部と上部頸椎には明らかな体表温度の誤差があった。 

骨盤部や上部頸椎は副交感神経支配の領域である。当初は副交感神経支配領域のサブラクセーションのため、交感神経が過剰に働き、体が過緊張の状態になっていたのだろう。

人間はストレスにさらされると交感神経が刺激される。頭部や頸部にストレスが掛かり続けた結果、首や肩の筋肉が過緊張することが肩こりの原因となる。

その状態が慢性化すると凝り固まった筋肉組織を修復しようとして、今度は副交感神経が優位に働く。すると脳は固まって損傷した筋肉組織を修復するためにプロスタグランジンというホルモンを使う。プロスタグランジンの作用によって固まった筋肉組織の硬直がぬけてくるが、その時同時に炎症も伴うため、痛みを伴う肩こりとなってしまっていた。

またその他、頭痛、生理不順、むくみ、冷え性、呼吸が浅い、じんましん、眼精疲労、子宮筋腫、体重増加、貧血、更年期障害など、さまざまな自律神経症状が出ていたが、幼少期から交感神経/副交感神経にアンバランスな刺激が加わり続けた結果、自律神経のバランスが乱れていたと考えられる。

長く続いていた膝の痛みも、腰を捻ったことがきっかけではなく、重度の骨盤の乱れから膝関節に過度の負担がかかっていたのだろう。

アジャストメントによりサブラクセーションが取り除かれ、体の情報が脳へ届いたため自律神経のバランスが整った結果、肩こりだけでなく、さまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。

40年以上続いた肩こり以外にも、さまざまな自律神経症状が出てしまっていたが、サブラクセーションを取り除き体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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