眼精疲労(頭痛、不眠症、不安感、歯ぎしり、食いしばり、便秘と下痢を繰り返す)

眼精疲労(頭痛、不眠症、不安感、歯ぎしり、食いしばり、便秘と下痢を繰り返す)

眼精疲労からの頭痛がなくなった!

20代男性
来院に至った経緯
仕事はコンサル業で毎日10時間以上はパソコン作業が続いている。その影響か社会人になってから目がすごく疲れるなと感じていた。コロナの影響で在宅ワークになってからはその状態が顕著になり、眼精疲労から毎日のように頭痛が出るようになった。

いつも目の奥からおでこにかけて頭痛が出てしまい、一度頭痛が出るとこめかみに出たり、後頭部に出たり、頭頂部に出たりした。頭痛の質もズキズキの日もあれば、ギューッと締め付けられる日もあれば、ドクンドクンと脈打つような頭痛が出ることもあった。

休みの日はパソコンだけではなく、スマートフォンにも極力触れないようにして目を休めると頭痛は出ないので、完全に電子機器による眼精疲労だろうと思っていた。市販の目薬で対処していたが、次第に効かなくなってきたので眼科を受診すると軽いドライアイだと言われ、目薬を処方してもらった。

眼科でもらった目薬も効いたのは最初の1~2週間で、そのあとは目を使いすぎると頭痛が出るということを繰り返していた。会社の上司から針治療を受けたらどうだと紹介されて針鍼灸院に通ってみたが、何も変わらなかった。

在宅ワーク以降は睡眠の質も悪くなり、最初の寝入りは問題ないが、寝ても2時間ほどで目を覚ましてしまうようになった。特にトイレに行きたいなどもなく、毎晩のように急にパッと覚醒してしまうようになった。そのあとは朝まで寝ているのかどうか分からないような浅い眠りになり、感覚的にすぐに朝が来るということが続いていた。

元々、中学生くらいから食いしばりや歯ぎしりを家族から指摘されていて、歯医者でも奥歯が欠けていると言われたことがあった。また子供の頃からお腹の調子も悪く、便秘が続いて出ると下痢ということを繰り返していた。

コロナの在宅ワークが明けて、いつものように出社になったが、それでも眼精疲労はまったく変わらず寝ても目の疲れが取れていないと感じていた。仕事でも重要なコンサルの案件を任せてもらえるようになったが、そのプレッシャーからか仕事が終わって帰宅しても余計なことを考えてしまい、不安で余計に眠れなくなってしまった。

病院へ行くと運動不足の影響もありますよと言われた。たしかに中学生から大学生までずっと陸上部で長距離を走っていたものが、社会人になってまったく運動していないなと思って体を動かすようにしてみた。

走った日は心地よい疲れですぐに眠れるが、それでも2時間ほどで目を覚ましてしまうことは変わらず、眠れていない影響か眼精疲労もどんどん悪化しているように感じた。そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。

動画では不眠症や頭痛が解消されたとあり、もしかしたら自分の眼精疲労も治るのかもしれないと銀座の塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみたが、残念ながら塩川先生は新規の予約をストップしていると言われてしまった。

神奈川県横浜市内に塩川先生の弟子はいないか尋ねると、藤沢駅前で副院長だった前田先生が開院されていますよと教えてもらった。藤沢駅だったら銀座に行くよりも少し近いし、副院長だった先生なら大丈夫だろうという思いで当院に来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左後頭部の強い浮腫感

  • 03

    第一頸椎の可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左後頭部と右上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

5週目(5回目のアジャストメント)には、夜中に目を覚ますということは少なくなってきた。また世界が明るく感じ、目に血流が巡ってきていると感じるようになった。

8週目(8回目のアジャストメント)には、子供の頃から便秘と下痢を繰り返していたが、お腹の調子が良いと感じるようになった。また頭痛の回数が明らかに減ってきた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(12回目のアジャストメント)には、目の疲れが明らかに以前とは違い、一晩眠ると回復していると感じるようになった。またこの頃には夜中に考え込んで眠れないということも少なくなり、朝の寝起きはスッキリと起きられるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の眼精疲労は、上部頸椎のサブラクセーションが原因であったと考えられる。

目に繋がる視神経と上部頸椎は密接な関係がある。上部頸椎のサブラクセーションは目への血流異常を起こしてしまう。顎関節なども上部頸椎と密接な関係があるが、昔から食いしばりや歯ぎしりがあったことを考慮すると、長年上部頸椎には負担が掛かっていたと考えられる。

検査では上部頸椎と骨盤部に強い反応が見られたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が自然と優位に働いてしまう。食いしばりや歯ぎしりなどは交感神経が過剰に働き、体が常に緊張状態であったとも考えられる。

睡眠の問題や不安感などもあったが、まさに交感神経が過剰であったと考えられる。身体が常に過緊張の状態となり、休まる神経が働かずに不眠症を発症していたのだろう。また不安感などは体内のホルモンバランスが大きく関係してくる。

交感神経が過剰になり、自律神経のバランスを乱した結果、ホルモンバランス異常を引き起こしていたと考えられる。眼精疲労からの頭痛は、日によって出る場所や質が違うということにもホルモンバランス異常の兆候が見られた。日によって頭痛の出る場所や質が違うというのはホルモンバランス異常を起こしている人に多く見られるケースとなる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。眼精疲労が来ている原因はどこの神経系の問題なのかを特定する検査が何よりも重要であり、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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