眠れない毎日と限界の疲労に苦しんだ40代女性の不眠症と眼精疲労

眠れない毎日と限界の疲労に苦しんだ40代女性の不眠症と眼精疲労

どこに行っても治らなかった不眠症が薬に頼らず眠れるようになった!

40代女性
来院に至った経緯
40歳を過ぎた頃から睡眠の質が悪くなったと感じるようになった。きっかけは転勤になって仕事量が大量に増えたストレスだと自分でも分かっていた。

仕事は医療事務で1日中パソコン作業が続き、転勤になって新しい病院で勤務初日から終電近くまで残業があった。周囲の噂で、「あそこの事務員になった人は3か月と持たずに辞める」と知っていたが、ここまで酷いとは思わなかった。

初日から終電近くまで働いたことで心が折れそうになったが、家族や生活のことを考えると辞めるわけにはいかず、体にムチ打って頑張った。1か月ほど経つ頃、どれほど疲れていてもなかなか寝付けないことに気づいた。

ある日、布団に入ってゴロゴロしていると朝日が昇っていることに気づき、日の出まで眠れなくなってしまった。務めている病院は、院内で勤務している人は勤務当日は診てもらえず、休みの日に行っても後回しにされるため、違う病院で相談して睡眠薬を処方してもらった。

睡眠薬を飲むと寝入りはなんとかなるものの、寝ても1~2時間で目を覚ましてしまうようになった。睡眠不足の影響から、日中の作業効率も極端に落ちて余計なミスも増えてしまい、ますます帰れない日々が続いた。

息子の大学受験も控えた時期でこれから大学費用も必要だと思い頑張ってきたが、さすがに体が限界だったので、事情を説明して元居たところに戻してもらった。これで眠れるようになるかと思ったが、元の職場に戻って3か月経っても眠れずに、体にさまざまな不調が現れた。

パソコン作業をしていると目が異常に疲れるようになり、眼精疲労から頭痛が出るようになった。午前中はそれほどでもないが午後になって目が疲れてくると、目の裏側から誰かに目を掴まれているような感覚になり、おでこやこめかみにズキズキした頭痛が出るようになった。

仕事が終わって家に帰っても、体が緊張しているのが自分でも分かり、肩こりも異常に感じるようになった。これまで約20年間デスクワークをしてきて肩こりを感じたことは一度もなかったが、眠れなくなってから続く不調に恐怖を覚えるようになった。

薬も効かなくなってきたので、病院以外にも、整体、鍼灸院、アロママッサージなど試してきたが、どこに行っても効果が感じられなかった。自律神経の効くと評判の都内にある有名な整体院にも行ってみたが、「これは更年期の影響だから、あと数年は我慢してください。」と言われた。

なぜこれで評判が良いのかと絶望したが、そんなときYouTubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。これまでカイロプラクティックは試したことがなかったなと思い、インターネットで調べてみると自宅からほど近くに塩川先生のお弟子さんがいることを知った。

塩川先生の治療院で副院長を務めていた先生だと知り、ここならなんとかなるかもしれないと期待されて、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    左胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と右上後腸骨棘上端に強い浮腫が確認され、頚部左胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネック(を通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

6週目(6回目のアジャストメント)には、仕事中の目の疲れが少しだけ楽になったかもと感じるようになり、目の裏から誰かに掴まれているような酷い眼精疲労はなくなった。また、朝まで眠れないということもなくなった。しかし、睡眠薬無しでは寝入りが悪いことが続いていた。

10週目(10回目のアジャストメント)には、この頃には眼精疲労はすっかり感じなくなり、午後になると出ていた頭痛も気にならなくなった。この頃には、次の日仕事が休みだと睡眠薬を飲まなくても1時間ほどで眠れるようになった。また、この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

18週目(14回目のアジャストメント)には、次の日が仕事でも睡眠薬無しで眠れるようになった。仕事の効率も上がり、自分でも集中できていると感じるようになった。この頃には肩こりも感じなくなり、本人も忘れているほどだった。また、この段階でケアのペースを3週間に一度に広げることができた。

30週目(18回目のアジャストメント)には、ここ20年間で一番体が軽いと感じるようになった。睡眠の質もすっかり改善し、眼精疲労や頭痛もまったく感じなくなった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の不眠症は、自律神経の乱れが原因であったと考えられる。自律神経とは、日中活動するときや緊張するときに働く交感神経と、夜休まるときやリラックスするときに働く副交感神経がある。

検査では上部頸椎と骨盤部に強い反応があったが、上部頸椎と骨盤部はどちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、交感神経が過剰に働いてしまい、体が過緊張となって不眠症を発症していたと考えられる。

眼精疲労も出ていたが、上部頸椎は目に関与する視神経とも密接な関係がある。上部頸椎の神経機能に異常をきたしていたことで、目の周辺に血流異常を起こし、目の裏から誰かに目を掴まれているという強い眼精疲労を発症していたと考えられる。

午後になると出る頭痛は、交感神経が過剰になっている人の特徴である。肩こりもあったが、肩こりには2種類あり、一つは骨格の乱れから頭の重さを支えられなくなり首肩の筋肉を緊張させるケース。もう一つは交感神経が過剰になり体が過緊張を起こして肩こりになってしまうケースがある。

不眠症、眼精疲労、頭痛もあったことからも、今回の肩こりは交感神経が過剰に働き、体が過緊張を起こしたことで血流異常となり、強い肩こりを誘発していたと考えられる。

サブラクセーション(根本原因)とは、神経圧迫の事である。サブラクセーション(根本原因)の要因は主に3つあり、「外傷性のストレス」、「精神的なストレス」、「毒素の蓄積」。この3つが複合的に合わさることで起こるとされている。

つまり過度なストレスは神経圧迫であるサブラクセーション(根本原因)を作る要因となってしまう。長時間の残業により、肉体的にも精神的にも過度なストレスが掛かったことで、自律神経のバランスを乱していたのだろう。

物質である体には限界があるという証明でもあるが、人間の治るチカラは無限大である。アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けてあげれば、脳は体に起きている問題を必ず解消するチカラを持っている。あらためて人間の治るチカラの素晴らしさを実感した症例である。
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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