慢性疲労(腰痛、四十肩・五十肩)

慢性疲労(腰痛、四十肩・五十肩)

一晩眠ると体が回復するようになった!

50代男性
来院に至った経緯
仕事は一日中デスクワークをしているが、40歳を過ぎたあたりから寝てもまったく疲れが取れないと感じるようになった。ここ10年くらいは慢性疲労が続いている状態で、マッサージを受けても漢方を飲んでも何も変わらなかった。

大学生のときに乗馬で落馬してから、ずっと腰痛があったが、デスクワークの仕事についてからは顕著に腰痛を感じるようになった。特に寝起きの30分は動くのも大変で、毎朝暑いシャワーを浴びないと慢性疲労と腰痛も相まって動くことができなかった。

30歳を過ぎた頃から、座りすぎると腰痛が酷くなってくるので、タイマーで時間を計って定期的に立ち上がるようにしていた。それでも忙しくなってくるとイスから立ち上がる瞬間は強い腰痛を感じることがあった。

5年位前から左肩が上がらなくなった。当初は激しい痛みがあったため、整形外科を受診したがレントゲンやMRI検査では異常なしと診断された。ただし炎症を起こしているので、炎症が引いてしまえば治ると言われてアイシングを徹底してやった。痛み自体は2ヶ月間くらいで引いたが、5年経った今でも左肩は水平くらいまでしか上がらなくなってしまった。

一番、困ったことは接待でゴルフに行かなければならないことだった。元々、腰痛があって腰が思うように回らない上に、左肩が上がらずに思うようなスウィングができずに周りに迷惑をかけてしまうことが増えてきた。

慢性疲労は年々、顕著に感じるようになり、GW、夏季休暇、年末年始など長期の休みがあっても疲労がぬけない状態が続いていた。3年前から針治療もやってくれる整体院に週1回通っているが、正直何も変化がなく、マッサージもしてくれるので惰性で通い続けていた。

疲労もぬけず、腰も左肩も治らず、年齢的にこんなものなのかもしれないと諦めだした頃、Youtubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。動画を見ていると腰痛や四十肩・五十肩が治ったというだけではなく、慢性疲労も軽くなったと言っていたので、自分に必要なものはこれだと思った。

調べてみると塩川満章先生のお弟子さんが藤沢駅前で開院されていることを知って、最寄り駅からも近くこの機会を逃す手はないと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市辻堂から来院】
初診の状態
  • 01

    腰部起立筋の過緊張

  • 02

    背部全体の過緊張

  • 03

    隆椎付近の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、上部胸椎、下部胸椎、下部腰椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部胸椎、下部胸椎、下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また上部胸椎、下部胸椎、下部腰椎に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、寝起きの腰痛が少し楽だなと感じるようになった。

7週目(7回目のアジャストメント)には、仕事中に座っている間の腰痛はそれほど気にならなくなった。またタイマーを掛けて定期的に立ち上がっていれば、イスから立ち上がる瞬間の痛みは気にならなくなった。

10週目(10回目のアジャストメント)には、左肩の可動域にも徐々に変化が出てきた。この頃には寝起きの腰痛はほとんど感じなくなり、朝は熱いシャワーを浴びないと動けなかったものが、それも必要なくなった。慢性疲労もそういえば最近はあまり感じないと本人も忘れているほどだった。

17週目(17回目のアジャストメント)には、一晩眠れば前日の疲れが取れるようになった。腰もよく回るようになり、ゴルフをしても腰痛を感じなくなった。左肩の可動域も順調に回復してきてつり革を掴めるまで回復したが、まだ真っすぐ腕を上に上げられなかったので本人の希望で週1回のケアを続けた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の慢性疲労は、甲状腺や副腎など各ホルモン分泌器官に繋がる神経系に問題があったことが原因だと考えられる。

慢性疲労で特に着目したいのは副腎である。副腎から分泌される副腎皮質ホルモンは、別名「ストレス対抗ホルモン」と呼ばれており、人間の疲労感や倦怠感に大きな影響を与えているホルモンとなる。今回の検査でも副腎と密接な関係がある下部胸椎には強い反応が見られた。

検査では他にも上部胸椎に強い反応が見られたが、こちらは甲状腺と密接な関係がある。甲状腺は人間の代謝を司っている臓器で、甲状腺ホルモンが低下すると眠気やだるさ、無気力など、いわゆる「やる気」という人間の精神面に大きな影響を及ぼしてしまう。

また下部頸椎や上部胸椎から伸びる神経は肩へと繋がっている。何年も変化が出ない四十肩・五十肩は肩に繋がる神経系に問題があることで、人間の治るチカラが働いていないことを意味している。

下部腰椎にも強い反応があったが、寝起きがとにかく辛い問題、長時間座っていると腰痛が悪化する問題、イスから立ち上がる瞬間に痛みが強くなる問題、これらは下部腰椎の問題である可能性が高い。

この症例では、検査で反応があった部位すべてが交感神経部位だった。交感神経は日中活動するときに優位になる神経となる。交感神経部位にサブラクセーション(根本原因)があることで、各ホルモン分泌器官と脳の情報のやり取りが上手く機能せず、全体的なホルモンバランス異常が起こっていたと考えられる。ホルモンの分泌は多すぎても少なすぎても体調面に大きな影響を与えてしまう。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、ホルモンバランスも徐々に改善していったと考えられる。どのような症状であったとしても検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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