急性腰痛、生理痛、月経前症候群(PMS)

急性腰痛、生理痛、月経前症候群(PMS)

歩けないほどの腰の痛みが改善

40代女性
来院に至った経緯
当院へ来院する1週間くらい前にジムでトレーニングをしている際に10㎏の重りを持ち上げようとした時に右腰部に痛みを感じた。3日後には痛みが楽になり、またジムへ行った。

その後、帰省のため長時間車に乗っていたら帰りの道中で痛みが徐々に強くなり、次の日の朝には痛みで起きていられず、歩行も困難となってしまった。

以前にも腰が痛く整形外科を受診しヘルニアと診断を受けたことがあり、5年くらい前には気を失うほどの腰の痛みで救急搬送されたことがあった。

20代の頃に、生理不順で婦人科を受診し卵巣嚢腫の手術したが、しばらくして再びみつかり2回目の手術をした。現在は生理周期は安定しているが、生理前のイライラや生理痛があり、毎月の月経の量が少ないように感じていた。

以前から、カイロプラクティックに興味があって当院のホームページを見てくださっており、腰の痛みが辛く来院に至る。

【神奈川県藤沢市より来院】
初診の状態
  • 01

    頚椎から背中にかけて過緊張

  • 02

    腰部脊柱起立筋の過緊張

  • 03

    支えがないと歩行も困難

経過と内容
初診時の状態は右側の仙腸関節に明らかな可動域制限がみられた。

頸部レントゲン側面像では椎間板の段階は慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)が消失してストレートネックとなっていた。
腰部レントゲン側面像では、頸部同様に椎間板の段階は慢性的なD5レベルが確認された。また重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期は週3回のケアを提案したが、仕事の関係上週1回のケアから開始することになった。

1週目(1回目)のアジャストメントでは、患部の炎症が酷く人に支えてもらわないと歩けないほどの状態であった。1週目(2回目)のアジャストメントでは、初回の患部の炎症が酷かったため翌日すぐに来てもらったが、痛みは軽減して人の支えがなくても歩行ができる状態まで回復していた。

2週目(3回目のアジャストメント)には、辛かった座位姿勢が楽になった。

5週目(6回目のアジャストメント) には、ストレッチを中心としたトレーニングを再開できた。

7週目(8回目のアジャストメント)には、ジム、ピラティスを再開し痛みなくできるようになった。

12週目(11回目のアジャストメント)には、生理痛が改善し、少なく感じていた生理の量が増えた。

現在は、腰痛自体はかなり緩和したものの、身体のメンテナンスとして2週間に一度のカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の急性腰痛の原因は、重度の骨盤の傾きから腰部の配列が乱れ、腰部の神経に多大な負荷が掛かっていたものと考えられる。

第4、5腰椎はD5レベルと椎間板には最低でも10から15年以上前から負担がかかっている状態だった。骨盤の左右のバランスの乱れによって背骨の配列は影響を受けやすいが、この状態を放置してしまうと日常的に腰椎の椎間板に捻じれが生じてしまうため、腰部の筋肉は体を支えようと長期的に硬直した状態となってしまう。骨盤部のサブラクセーションを放置してしまったことが、今回の急性腰痛に繋がったと考えられる。

初回では腰部の炎症が酷く、日常生活にも支障をきたしていたため、腰部に絞ってアプローチをした。2回目以降は過度な炎症が引いたこと、腰痛以外に首こり・肩こり、生理痛、月経前症候群(PMS)など自律神経が原因と思われる症状が出ていたことから副交感神経に絞ってアプローチを開始した。

首こり・肩こりの原因は2つ考えられる。一つは体の骨格のバランスが乱れることによって頭部の重さを支えられなくなり、神経に負荷が掛かるのを守るために筋肉を過緊張させるケース。もう一つは自律神経のバランスが乱れ、交感神経が過剰に働くことで首・肩の筋肉が過緊張を起こしてしまうケース。

今回の首こり・肩こりは強い痛みを伴っていたが、痛みを伴う首コリ・肩こりは自律神経の乱れである可能性が高い。交感神経が過剰になると、脳は副交感神経のスイッチを入れようとするが、このとき分泌されるのがプロスタグランジンという物質である。プロスタグランジンは筋肉の硬直を緩める作用があるが、このとき必ず患部では炎症が起きて痛みを伴う。自律神経のバランスが乱れたことで、プロスタグランジンが過剰に分泌されてしまい、痛みを伴った首コリ・肩こりを誘発していたものと考えられる。

生理痛や月経前症候群(PMS)も、交感神経の働きが過剰となっていたことが原因だと考えられる。交感神経が過剰に働くことで血流は悪くなり、排毒作用や代謝が低下してしまう。骨盤部や腰部の神経は子宮や卵巣にも繋がっている。骨盤部は副交感神経の支配領域となるため、骨盤部のサブラクセーション(根本原因)によって交感神経が過剰に働いてしまう状態だったのだろう。

サブラクセーション(根本原因)を取り除くことで、神経機能が正常に働いた結果、左右の骨盤のバランスが整い腰部への負担も掛からない状態まで回復したものと考えられる。歩けないほどの腰痛があったとしても、改めて問題の神経系を絞ってアプローチすることの重要性が分かる症例である。

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持ち、日本で最も歴史あるカイロプラクテック学校「シオカワスクール」のセミナーを受講。勉強していく中で、カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、カイロプラクティックの世界へ飛び込むことを決意。

症例一覧へ戻る
pagetop