左股関節の痛み(下腹部の痛み、腰痛、顎関節症、食いしばり、末端冷え性、便秘、頭痛、眼精疲労)

左股関節の痛み(下腹部の痛み、腰痛、顎関節症、食いしばり、末端冷え性、便秘、頭痛、眼精疲労)

産後の股関節の痛みがなくなった!

30代女性
来院に至った経緯
仕事はデスクワークをしていたが、妊娠してお腹が大きくなった頃から在宅ワークにしてもらった。その頃から腰痛が酷いなと感じるようになった。元々、学生の頃から腰が強い方ではなかったので頻繁に整体院やマッサージに通っていたが、妊娠後はそういった治療院に行くのが怖かったので通わなくなった。

出産後から左股関節に強い痛みを感じるようになった。産後4か月経っても左股関節に痛みが変わることはなく、以前通っていた整体院で診てもらったが2か月間診てもらっても何も変わらなかった。

以前なら腰痛を感じても整体で改善していたが、出産後は腰痛も左股関節の痛みも治ることはなかった。また産後、下腹部に常に痛みに似た重たさを感じていた。常にズーンという重たさを感じており、生理痛に似たような感じが続いていた。

整体で改善しないなら針治療を受けてみたらと友人から勧められて針鍼灸院にも通ったが改善せず。カイロプラクティックも1回だけ受けに行ったが、そこではマッサージだけされて終わってしまったので通わなくなった。

左股関節の痛みは鼠径部や股関節の外側に感じ、歩行時や階段の上り下りは顕著に感じていたが、次第にその痛みが強く感じるようになり、下腹部にあるズーンとした生理痛に似た痛みも強くなってきた。

在宅ワークになってからは眼精疲労が酷くなり、午後になると頭痛もほぼ毎日のように感じるようになった。また大学生の頃から顎関節症があり、歯医者さんでは食いしばりがあると指摘された。顎は痛みがあるわけではないが、大きく口を開けると左顎からガクガク音が鳴ってしまう。

中学生の頃から末端冷え性や便秘があり、出産も経験したこのタイミングで一度体をしっかりメンテナンスしないとダメだなと思っていた。そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があり、調べてみるとたまたま藤沢駅前に塩川先生のお弟子さんが開院されていることを知り、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市湘南台から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼の強い浮腫感

  • 03

    第一頸椎左横突起の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、子育ての関係で週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、慢性的だった腰痛が軽くなってきた。

6週目(6回目のアジャストメント)には、腰痛はほとんど感じなくなり、左股関節の痛みはまったく感じなくなった。また下腹部に出ていた生理痛のようなズーンという重さもなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

12週目(9回目のアジャストメント)には、顎がガクガクする感じが落ち着いてきた。歯医者に行くと食いしばりが安定していますねと言われた。また午後になると感じていた頭痛は、そういえば最近出ないですねと本人も忘れているほどだった。

20週目(13回目のアジャストメント)には、便秘がかなり改善されて、ほとんど毎日一度は出るようになった。パソコン作業で目が疲れても一晩眠ると回復していると感じるようになった。また末端冷え性にも回復の兆しが見え、手足が温かいと感じることが多くなってきた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の左股関節の痛みは、骨盤部の乱れが原因であったと考えられる。

股関節(大腿骨頭)は球状関節と呼ばれるもので、ツルツルのボールが骨盤(寛骨臼)にハマっている状態となっている。股関節の大腿骨頭は改造するとビリヤードの球のようにツルツルの形状で本来引っかかりようがない形状をしている。

その股関節に違和感があるということは、股関節側(大腿骨頭)ではなく、ハマっている骨盤側(寛骨臼)の問題を疑うべきである。検査では左の仙腸関節に明確な可動域制限があった。骨盤部の左右の仙腸関節の安定により、股関節の可動域も正常に戻り、負担が掛かっていた神経が解放された結果、股関節の痛みが改善に至ったと考えられる。

慢性的な腰痛や、出産後の下腹部痛なども骨盤部からの問題であった可能性が高いが、検査では上部頸椎にも強い反応がみられた。骨盤部と上部頸椎はどちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があったことで、交感神経が過剰に働き自律神経のバランスも乱していたと考えられる。

腸の蠕動運動は副交感神経が優位な時に活発になるが、交感神経が過剰に働くことで腸の蠕動運動も低下して便秘を引き起こしていたと考えられる。下腹部痛は骨盤部のみならず、便秘の問題から感じていた可能性もある。

食いしばりや末端冷え性も交感神経が過剰に働いている人の特徴となる。交感神経が過剰になることで、体が常に緊張状態となり、就寝時にも過緊張の状態で食いしばってしまい、顎関節症をも引き起こしていたと考えられる。また末端冷え性は交感神経の作用として、末梢の血管が閉じたままとなり、その状態が長期間続いたことで末端冷え性を発症していたと考えられる。

午後から出る頭痛も緊張性の頭痛であり、交感神経が過剰になっているときに出る頭痛の特徴となる。また検査で反応が強かった上部頸椎は視神経と密接な関係がある。目に繋がる神経にサブラクセーション(根本原因)があることで、血流異常を引き起こし眼精疲労となっていたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。どのような症状であったとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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