子宮内膜症(生理痛、生理不順、PMS、アトピー性皮膚炎)

子宮内膜症(生理痛、生理不順、PMS、アトピー性皮膚炎)

薬を飲まなくても生理痛を感じなくなった!

30代女性
来院に至った経緯
中学生の頃から生理痛がきつく、初日や2日目は痛み止めを飲まないと学校に行くことができないほど下腹部痛が酷かった。

高校生になると生理痛が2ヶ月に一度強くなるようになった。今月は生理痛がほとんど感じないのに、翌月には動けないほどの生理痛に襲われるということが続いた。生理痛が弱いときは、今度は生理不順なのか出血量が少ないのにダラダラと2週間くらい月経が続いてしまうようになった。

この頃からアトピー性皮膚炎が出るようになった。出る箇所はバラバラで、赤みと痒みを伴い、皮膚科を受診すると飲み薬と軟膏を処方された。皮膚科では運動不足やストレスが原因だと言われたが、小学校から高校までずっとバレーボールをやってきて「これ以上運動しろと?」と思った。

20代半ばからはPMS(月経前症候群)が酷くなり、生理前になるとイライラしてしまうようになった。職場ではストレスを発散するわけにもいかず、家族に当たり散らしてしまい両親には迷惑を掛けてしまっている。

30歳を過ぎたあたりから生理痛がこれまでとは比べ物にならないほど酷くなり、薬を飲んでも身動き一つとれないほどの激痛に襲われた。この痛みはただ事ではないと思い、婦人科を受診すると、子宮内膜症だと診断された。

子宮内膜症を治すには手術か薬物療法しかないと言われたが、正直どちらもやりたくなく、なんとか自分で治せないかなと思い、食事療法をやったり、温熱療法を受けたり、針治療もやってみた。

何をやっても月1回の生理痛は地獄のような痛みで、何も変わらず仕事にも影響が出ていたので再度婦人科を受診して薬物療法から始めることにした。

そんなとき、たまたまYoutubeで塩川満章先生という人の動画を見る機会があった。いろんな症状の人が治っているという動画を見て、私が探していたのはこれだと直感が働いた。場所を調べてみると銀座の塩川カイロプラクティック治療室というところで、予約は2か月以上待ちになっていた。

あと2回も地獄のような生理痛の痛みには耐えられないと思い、調べてみると塩川先生のお弟子さんが藤沢駅前で開院されていることを知った。仕事の都合もあったので銀座までは何度も通えないなと思っていたところで、自分の最寄り駅にお弟子さんがいたことに、これは運命だと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜の強い浮腫感

  • 02

    第一頸椎右横突起の強い浮腫感

  • 03

    右後頭部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の第一頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎右横突起と正中仙骨稜に強い浮腫が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルが確認された。首の椎間板の段階はとくに慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

5週目(5回目のアジャストメント)には、薬を飲めば動ける程度の生理痛だった。

9週目(9回目のアジャストメント)には、薬を飲めば少し下腹部が締め付けられる感覚はあるものの、それほど痛みは感じなくなった。また肌荒れ自体は少し出るものの、それほど痒みを感じなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げられる状態までになったが、本人の希望で週1回のケアを継続した。

13週目(13回目のアジャストメント)には、生理痛が始まってから人生で初めて薬を飲まなくても痛みを感じなくなった。経血の量や期間も適切に戻り、アトピー性皮膚炎もほとんど出なくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げた。

21週目(17回目のアジャストメント)には、月経に対する不安は一切なくなった。またPMSによる情緒不安定もほとんどなくなり、自分でもイライラしないなと感じるようになった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の子宮内膜症は、自律神経のバランスが乱れたことで、女性ホルモンの分泌異常からプロスタグランジンという物質が過剰分泌していたことが原因であったと考えられる。

子宮内膜は女性ホルモンのエストロゲンの作用によって増殖し、妊娠しなかった場合は不要になった子宮内膜を経血と一緒に体外へ排出される。これが月に一度の生理であるが、女性ホルモンの分泌異常によって子宮内膜が子宮の外で増えてしまうことがあり、これが子宮内膜症となる。

プロスタグランジの作用として、子宮を収縮させて経血を体外へ排出させる働きがあるが、プロスタグランジの多くは子宮内膜から分泌される。増殖した子宮内膜からはプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されてしまい、子宮が過剰に収縮を起こし、激しい生理痛を発症してしまうことがある。

今回のケースでは、元々生理痛があったことからも女性ホルモンの分泌異常からプロスタグランジンが分泌されやすい状態だったのだろう。それが子宮内膜症によって、増殖した子宮内膜からさらに過剰分泌されることで、身動きが取れないほどの生理痛を引き起こしていたと考えられる。

生理は女性にとって月に一度のお掃除でもあるが、学生の頃から生理不順もあり、経血の量が少なかったり2週間以上続いたりしていたことで体に毒素が溜まりやすい状態だったのだろう。アトピー性皮膚炎は、体内に溜まった毒素を体の外へ一所懸命に排出させようとしていた結果だと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、脳と卵巣の情報のやり取りがスムーズに行くことで女性ホルモンの分泌が正常になされるようになった結果、さまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

どのような症状であったとしても、検査によって問題の神経系を特定し、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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