多汗症、頭痛、末端冷え性、生理痛、子宮内膜症

多汗症、頭痛、末端冷え性、生理痛、子宮内膜症

学生時代から気になっていた多汗症が気にならなくなった!

30代女性
来院に至った経緯
小学生の頃にはハッキリと手足が冷たいなという自覚があった。お風呂に入っても、出てすぐに手足だけが冷たいと感じていた。そのため、夏場でも毛布を使わないと手足が冷たくて眠れなかった。

中学3年生から生理痛が異常にきつくなった。初日と2日目は薬を飲んでも動けないほどの下腹部痛に襲われるようになった。ちょうど受験シーズンで、受験当日に生理が当たったらどうしようと不安になった。

幸い受験日は難を逃れ高校に進学できたが、高校生になると汗を異常にかくようになった。春先でも秋口でも制服のYシャツが汗でビショビショになってしまい、下着が透けてしまうため、色が目立たない物を着用したりしながら、なるべくブレザーを着るようにしていた。

夏場はさすがに暑かったため、暑がりというキャラで押し通していたが、高校3年生になるころには真冬でも汗をかくようになった。顔や首はいつでも汗をかいており、タオルが手放せなくなった。

大学生になっても常に汗のことを気にして、汗をかいても色が目立たない服装を選んだり、オシャレの基準は常に「汗」だった。友達と買い物に行っても、いつも同じような色の服選んでない?と言われたが、オシャレに興味ないからと強がっていた。

社会人になっても汗が引くことはなかったが、子供の頃からの末端冷え性は変わらずあった。また長時間のパソコン作業が続いた夕方頃から、頻繁に頭痛を感じるようになった。一度頭痛が出ると、夜寝るまで続いてしまうようになった。

生理痛も変わらず酷くて、28歳のときには婦人科検診で子宮内膜症だと診断された。これが原因で下腹部痛が出ると説明されたが、中学3年生から生理痛がきつかった自分は、それなら中学3年生のときから子宮内膜症があったのかと疑問に思った。

何か病院以外の方法はないかなと探していたところ、会社の同僚から同じように生理痛がきつかったがカイロプラクティックで改善した話を聞いた。それから当院のHPを見て、多汗症にも効果があるのかもしれないという期待から、ご紹介という形で来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

  • 03

    頚部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節と上部頸椎に明らかな可動域制限があり、体表温度検査でも上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰部椎間板の段階は慢性的なD3レベルが確認された。頸部椎間板の段階はD4レベルが確認され、前弯カーブ(前カーブ)が消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

6週目(6回目のアジャストメント)には、生理痛も痛みはあるものの薬を飲めば初日でも動ける程度になった。また夕方以降に感じていた頭痛はそれほど気にならなくなった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

12週目(9回目のアジャストメント)には、薬を飲めば痛みは感じなくなった。また夜眠るときにそれほど手足を冷たく感じなくなってきた。触れば冷たいものの、お風呂で温めてすぐに布団に入れば眠れるようになった。

20週目(13回目のアジャストメント)には、生理痛が薬を飲まなくてもほとんど感じなくなった。またキンキンに冷え切っていた足も、触ってもそれほど冷たさを感じないほど血流が戻ってきた。

24週目(17回目のアジャストメント)には、汗を昔ほどかいていないことに気づいた。ちょうど春先頃だったが、最近あまり汗かいていないですね?と聞くと本人もそういえばと忘れていたほどだった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の多汗症の原因は、自律神経の乱れが最大の原因だと考えられる。人間にはホメオスタシス(恒常性維持機能)という能力が備わっており、常に体温を35~37°保つようにできている。

夏場でも冬場でもエアコンが効いている部屋でも、その環境の変化に適応できるのは神経によって外部と体内の情報のやり取りが上手く機能していればこそとなる。人間は暑くなると汗腺を広げて汗を出し、体内の熱を外へ逃がす。寒くなると汗腺を閉じて鳥肌が立ち、体内の熱を逃がさないようにする。

血流も同じで、環境の変化に適応するために血管を拡張/収縮して血流をコントロールしているが、これらの機能を司っているのは脳であり、自律神経が機能することで環境の変化に適応できるようになる。

交感神経が優位なると、その作用で末梢の血管が閉じてしまう。その状態が長く続いて過剰になると、末梢の血管が閉じたままとなり末端冷え性になってしまう。検査では骨盤部と上部頸椎に反応が強く見られたが、どちらも副交感神経支配の部位となる。

人間は汗をかくとき「アセチルコリン」という神経伝達物質を分泌する。アセチルコリンは副交感神経系と関連しているとされているが、実は汗腺を支配する交感神経とも密接な関係がある。交感神経が過剰に働きくことで、アセチルコリンが大量に分泌され、多汗症になっていたtと考えられる。

副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があることで交感神経が過剰に働いた結果、自律神経のバランスが乱れ、環境の変化に適応できず末端冷え性や多汗症を発症していたと考えられる。

夕方以降に出てしまう頭痛は緊張性の頭痛であり、これも末端冷え性同様に交感神経が過剰に働いている人の特徴となる。長年あった生理痛も、脳と卵巣を繋ぐ神経機能に異常をきたしていたものと考えられる。

生理痛は女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が関係している。自律神経のバランスが乱れ、脳と卵巣のやり取りが上手く機能しなくなると女性ホルモンの分泌異常が起こる。

エストロゲンやプロゲステロンが急激に減少すると、プロスタグランジンという物質が分泌される。プロスタグランジンの作用は、不要になった子宮内膜や経血を体外で排出を促す作用があるが、このとき子宮に急激な収縮が伴い、それが生理痛の原因となってしまう。

どのような症状であったとしても、原因と特定する検査が何よりも重要である。アジャストメントによって神経の流れを整えて、体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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