四十肩・五十肩(腰痛、膝痛、肩こり)

四十肩・五十肩(腰痛、膝痛、肩こり)

針治療でも整体でも治らなかった四十肩・五十肩が改善した!

50代女性
来院に至った経緯
40代後半から左肩が上がらなくなってしまった。前日まで通勤電車のつり革をつかむことができていたが、急に腕が上がらなくなった。特に前日いつもと違うことをした記憶もなかったが、ある角度以上に腕を上げると左肩に激痛が走った。

それから約8年間、左肩の制限がどんどん強まっている気がしている。腕を伸ばした状態だと、前からも横からも水平より上に上げることができず、下着を背中でとめるような動作は一切できなくなった。

社会人になってからずっと銀行員でデスクワークが続いていたため、慢性的に腰痛や肩こりはあったが、肩(腕)が上がらないということは一度もなかったため、どのように対処したらいいのか分からなかった。

腰痛は長時間座ることが辛いが、歩いているのも辛く、仕事が終わって帰宅時は自宅に帰るのがいつもしんどかった。ぎっくり腰も過去何度も経験していて普段は近所の整体院で施術をしてもらっていた。

いつも腰痛の対策として通っている整体院の先生に左肩が上がらないことを相談すると、この固まり方はうちではどうにもなりませんねと見捨てられてしまった。職場の上司が針治療で四十肩が治ったと聞いて、口コミが良かった針鍼灸院にも行ってみたが、5か月間ほど通ったが左肩も腰痛もまったく変化がなかった。

肩の可動域は日に日に制限が掛かるように感じ、駅前にあったカイロプラクティックにも通ってみたが、まったく変化がなかった。そのうち膝の痛みも出てきてしまい、ちゃんと病院で検査してもらおうと整形外科に行ってみた。

肩も腰も膝もレントゲンを撮ったが、年齢なりで特に異常はありませんと言われ、湿布だけ処方されて様子をみましょうと言われた。特に方は四十肩・五十肩は誰でもなりますからと触ってすらくれなかった。腰痛も日に日に強くなっていたが、整体院でも針鍼灸院でもカイロプラクティックでも改善せず、病院では異常なしと言われ、どうしたらいいのか不安になってきた。

そんなときYoutubeで塩川満章先生の動画を見る機会があり、銀座の塩川カイロプラクティック治療室に問い合わせてみた。残念ながら塩川先生は新規の受付はしていないと言われてしまったが、副院長の前田先生が藤沢駅前で開院されていることを教えてもらった。

自宅からほど近い藤沢駅前に塩川先生のお弟子さんがいるなんて、これはもう運命だと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎付近の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節、中部胸椎、下部頸椎に明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、同じく骨盤部、中部胸椎、下部頸椎に明らかな左右の温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きも確認された。首の椎間板の段階はさらに慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブが消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

1週目(1回目のアジャストメント)には、左肩の可動域が少し改善し、水平よりも上に上がるようになった。

3週目(6回目のアジャストメント)には、慢性的な腰痛が少し楽に感じてきた。また膝の痛みもそれほど気にならなくなった。左肩の可動域は徐々に広がっているように感じていたが、まだ強い制限が掛かった状態だった。

4週目(8回目のアジャストメント)には、腰痛や膝痛はすっかり感じなくなった。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

8週目(12回目のアジャストメント)には、左肩の可動域が水平から45度くらいまで上がるようになった。特に前から手を上げてくる動作はかなり改善が見られたが、横から上げる動作はかなり制限が強い状態だった。

12週目(16回目のアジャストメント)には、電車でつり革をつかめるくらいには可動域の改善がみられた。また下着を背中で止めるような動作では強い痛みが出ていたが、なんとか背中で下着を止められるまで回復した。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

20週目(20回目のアジャストメント)には、左肩を上げるとまだ左腕は真っすぐに伸びないものの、左肩の痛み自体はすっかり落ち着いた。そういえば最近、肩こりが気にならないと本人も忘れているほどだった。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の四十肩・五十肩は、下部頸椎から伸びる神経機能の問題が原因だと考えられる。下部頸椎~上部胸椎から出る神経は、肩、そして腕に向かって伸びている。

検査では下部頸椎に強い反応が見られたが、サブラクセーション(根本原因)があることで、自然治癒力が働きにくい状態が続いたことで、約8年間も肩が固まった状態となっていたのだろう。慢性的な肩こりもあったが、今回のケースの肩こりは頸部の不安定さから頭部の重さを支えきれず、首肩の筋肉を固めていたものと考えられる。

中部胸椎にも強い反応が見られたが、中部胸椎の制限は、肩甲骨の制限となり、そのまま放置しておくと肩、肘、手首と内から外へ制限が掛かってしまうケースが多くみられる。人間の治るチカラは「脳から脊髄へ、脊髄から末梢神経へ」と上から下、内から外へ広がっていく。

下部頸椎や中部胸椎の問題が改善されたことで、左からの可動域制限も徐々に解消に向かっていったものと考えられる。

検査では骨盤部にも強い反応が見られたが、単純な腰痛であったとしても骨盤部の左右にある仙腸関節の動きを考慮しなければならない。人間には補正作用というものがあり、左右どちらかの仙腸関節の動きに制限が掛かると、反対側の仙腸関節は過剰に動いてしまう。

それによって腰部に必要以上の捻じれが加わり、椎間板の損傷、ひいては腰部から出る神経を損傷してしまう原因となってしまう。また膝の問題もあったが、特に直接的な外傷がない膝痛の原因は骨盤部の乱れであるケースが多くみられる。

肩や膝の問題があったとしても、脊柱(背骨と骨盤)を安定させることが重要であり、検査によってサブラクセーション(根本原因)を特定し、アジャストメントによって神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が分かる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop