右顔面神経麻痺

右顔面神経麻痺

顔面麻痺が回復して仕事も意欲的になれた!

30代男性
来院に至った経緯
新型コロナウイルス感染し、高熱を発症。その後、右耳に中耳炎のような症状が出る。発熱は3日ほどで治まったが右耳の違和感は残ったままだった。

10日ほど経ってから朝起きたときに顔の右側が動かないことに気づき病院を受診し、右顔面神経麻痺と診断を受けた。

症状は、麻痺以外の症状はみられなかったが右側の表情筋が動かせず食事や飲み物を飲むこと、笑顔をつくることが困難となった。治療はステロイドを服用していたが症状の変化はなく、さらにインターネットで症状について検索していたところ様々な情報が目に留まり不安な気持ちが強くなった。知人の紹介で来院に至る。

【神奈川県横浜市より来院】
初診の状態
  • 01

    左後頭部、左後頭下筋群の浮腫感、過緊張

  • 02

    右後頭部の過緊張

  • 03

    仙骨部全体に強い浮腫感

経過と内容
麻痺症状の場合、早めに治療を開始し変化が出るまではなるべく治療間隔を詰めてアプローチしていく事が好ましい。さらに椎間板がD4レベルの段階のため、初期集中期として、週に2回のペースでケアを提案したが、仕事の関係上週1回のケアも難しく、可能な限りお越しいただいた。

初回の検査では、両目を一緒に閉眼することは可能だが、右目のみでの閉眼は不可。鼻、口も右側はほぼ動かない状態だった。

3週目(2回目のアジャストメン)後には、骨盤をアジャストメント後に仙骨部の浮腫感が軽減。さらに左後頭部の過緊張も軽減した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、顔面神経麻痺の症状で口の動きに改善がみられた。目もゆっくり片目を閉眼することができるようになった。さらに、仙骨翼の浮腫感の軽減されていた。

8週目(6回目のアジャストメント)には、目の閉眼で最初は片目だけでの閉眼は出来なかったが、若干の左右差がみられたもののゆっくり目を閉じる事ができるようになっており、目の周りの運動の改善がみられた。

病院の診察では、9割は改善していていると診断。病院の診察は終了。

10週目(7回目のアジャストメント)には、顔面神経麻痺はほぼ症状が改善されていた。口を膨らませると、右側だけ空気が漏れていたのが漏れなくなった。

左後頭部、後頭下筋群の筋緊張で左右差はほぼなくなり、前回のアジャストメントが維持できていることが確認できた。

現在も、2週間に一度のペースでカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の患者様の顔面神経麻痺の症状は、痛みなどを伴わず麻痺以外の症状はみられなかった。

病院を受診し顔面神経麻痺のテストで軽度の顔面神経麻痺と診断を受けた。

レントゲンの頚椎正面像では、第1頚椎での前方変位か後方変位化の確認は出来ないが、検査では第1頚椎の右側が後方に変位していることを確認した。

第1頚椎で後方に変位した状態でサブラクセーション(根本原因)があった場合、交感神経の働きが低下し副交感神経の働きが過剰になりやすい。

自律神経は交感神経と副交感神経で構成されている。交感神経は日中活動する時間帯で優位に働き、副交感神経は寝るときや体を休めるときに優位に働く。

今回の症例では、第1頚椎と仙骨部での浮腫感と筋緊張、可動域制限、体表温度検査で反応が強くみられた。そのため、体の土台である骨盤からアジャストメントをして上部頚椎の状態を確認することにした。

上部頚椎では左後頭部の浮腫感と筋緊張が強くみられたが、仙骨部をアジャストメント後に左後頭部の浮腫感と過緊張がクリアとなり、右側の第1頚椎部分の浮腫感と可動域制限が明らかになったため、骨盤の傾きが慢性的に上部頚椎に負担がかかり左の頚部によって補正作用が起こったものと考える。

そして、初期集中期であっても治療間隔が1週間以上空いてしまうこともあった。初回からサブラクセーション(根本原因)を絞ってアプローチをしていった事が、椎間板が慢性的であっても骨盤が安定している状態を維持でき、症状が順調に回復したことに繋がったのではないかと考える。

骨盤部分でのサブラクセーション(根本原因)があることで体全体への負担はとても大きく、体の土台である骨盤の働きの重要性を改めて感じられた症例だった。

執筆者中島 恵

新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師資格取得後、2007年から2018年まで柔道整復師として接骨院勤務。その後、勤務地を横浜に変え整骨院で勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持ち、日本で最も歴史あるカイロプラクテック学校「シオカワスクール」のセミナーを受講。勉強していく中で、カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、カイロプラクティックの世界へ飛び込むことを決意。

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