右足底の痛みと両脚の痺れ(その他、自律神経症状多数)

右足底の痛みと両脚の痺れ(その他、自律神経症状多数)

他の治療では変化すら出なかった痺れや痛みが改善された!

50代女性
来院に至った経緯
半年くらい前に、ジムでハードな運動をした翌朝から右足の裏がビリビリするような痛みが出た。当日、運動しているときから右膝の調子がおかしいなとは感じていたが、翌朝起きるとベッドから起きて足をついたら右足裏が針で刺される鋭い痛みが出て立っているのも辛かった。

確かに前日にハードなウエイトトレーニングをやったが、子供の頃からずっとスポーツをやってきて、体に不調が出たことはなかったのでそれが原因だとは思えなかった。ただ思い返すと、ここ数年は夜寝ているときに脚がつって起きることが何度かあったり、寝起きに脚がむくんでいるなと感じることが多かった。

数日すると、今度は腰の痛みが酷くなり、右足裏の痛みとは別に両脚全体に痺れが出てきた。

仕事は塾の講師をしており、座っている時間が長いものの、普段は特に腰痛など感じることはなく、腰回りが重たいなと感じる程度だった。子供の頃から体に「痛み」というものはほとんど出たことがなかったが、自律神経の症状が多く出ていたなと大人になってから分かった。

小学生の頃から胃腸が弱く、少し食べ過ぎると翌朝は胸やけがしたりして、大人になってからは逆流性食道炎があると言われた。また便秘と下痢を繰り返すことが頻繁にあり、今でも数日便秘が続き、出ると下痢ということを繰り返している。

中学3年生になり高校受験のシーズンに入ると、頭痛が出るようになった。頭痛は決まって夕方以降になると出るが、大人になった今でも夕方になると頻繁に頭痛が出る。

右足底の痛みが出てからは、整体、針治療、マッサージ、他のカイロプラクティックなど、いくつも治療院に通ったが治るどころか、少しの変化すら起こらなかった。次第に両脚に痺れが出てきて、ついには上手く歩けなくなってしまった。

病院でレントゲンやMRIなど精密検査を受けても手術するほどのものではないと痛み止めを処方された。痛み止めを飲み始めた当初は、少しは楽になるかと思っていたが、それもすぐに効かなくなった。元々、薬は飲みたくなかったので効かないなら飲まない方がいいと判断し、痛み止めの服用をやめた。

症状が出てからの半年間はいくつもの治療院を訪れたが、まったく良くならずにどうしたらいいのか悩んでいたところ当院のHPを発見。『根本原因を改善する』という言葉に、私が探していたところはここだと直感が働いて来院された。

【神奈川県横浜市戸塚区からご来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右後頭部の強い浮腫感

  • 03

    腰部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階は慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きも確認されたため、初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、仕事の関係で週2回のケアから開始した。

1週目(2回目のアジャストメント)には、激しく出ていた腰痛が落ち着いてきた。

3週目(6回目のアジャストメント)には、右足裏の痛みはほとんど感じなくなり、両足の痺れも軽くなってきた。また、この段階でケアのペースを週1回に広げることができた。

5週目(8回目のアジャストメント)には、両脚の痺れもまったく感じなくなった。また中学生時代からあった夕方以降に出る頭痛はまったく出なくなった。

8週目(11回目のアジャストメント)には、子供の頃から繰り返していた便秘や下痢がなくなり、毎日便が出るようになった。この頃から胃腸の調子が明らかに良いと感じるようになり、昔は少し食べ過ぎると胸やけがしていたが、それもほとんど感じなくなった。この段階でケアのペースの2週間に広げることができた。

現在は、ほとんどの症状は落ち着いたが、二度と同じ症状には苦しみたくないという思いから、ケアのペースを3週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の右足底の痛みの原因は、骨盤の可動域制限によって腰部に必要以上の負荷がかかったことだと考えられる。今回のケースでは右足底の痛み以外に、腰痛、両脚の痺れも出ていた。

人間の痛みを感じる神経は感覚神経といい、【正常→痛み→痺れ→麻痺】の順番で進行していく。腰や骨盤の神経は脚の方に向かって伸びている。脚に感じている痛みや痺れは、それだけ腰部や骨盤部の神経が損傷している証拠でもあり、痛みよりも痺れはさらに進行している段階である。

また、骨盤は人間の土台の部分となる。今回のケースでは上部頸椎にも負担がかかっていたが、人間の背骨24個を24階建てのビルと考えると、骨盤部は基礎(土台)の部分になり、上部頸椎は建物でいうと最上階となる。骨盤の可動域制限によって背骨全体の配列が乱れ、骨格によって頭の重さを支えきれず上部頸椎の神経に必要以上の負荷が掛かっていたものと考えられる。 

骨盤部と上部頸椎は両部位とも副交感神経支配の領域である。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)があると、自然と交感神経が優位に働き、その状態が長く続くことで交感神経が過剰に働いて自律神経のバランスを乱してしまう。

決まって夕方以降に出る頭痛は緊張性の頭痛であり、交感神経が過剰に働いている人の特徴でもある。また、交感神経が過剰に働くと食道が上がり胃酸が逆流して逆流性食道炎となってしまう。

小学生の頃から便秘と下痢を繰り返していた問題も自律神経の働きが大きく関係している。腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)など、意識して動かせない内臓の動きをコントロールしているのは自律神経の働きからである。

消化も副交感神経の働きによるものである。副交感神経部位にサブラクセーション(根本原因)があることで、消化不良のような胸やけ、逆流性食道炎、便秘や下痢を繰り返すといった症状が出ていたのだろう。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、体の情報が脳へ届いたことで腰痛、両脚の痺れ、右足底の痛みが改善されたのだろう。また神経の流れを整えて自律神経のバランスが整った結果、さまざまな自律神経症状の改善に繋がったと考えられる。サブラクセーションを取り除き体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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