右耳の耳鳴り(右耳の閉塞感、不眠症、頻脈性不整脈、動悸、息苦しさ、めまい、便秘と下痢を繰り返す)

右耳の耳鳴り(右耳の閉塞感、不眠症、頻脈性不整脈、動悸、息苦しさ、めまい、便秘と下痢を繰り返す)

耳鳴りとほぼ同時に始まった不眠症も落ち着いた!

40代男性
来院に至った経緯
4年前、突如として仕事中に大きな耳鳴りがした。右耳からキーンという高い金属音のような耳鳴りで、最初は防火ベルでもなっているのかと思うほどうるさく聞こえた。それ以来、定期的に右耳からキーンという耳鳴りが頻発するようになった。

右耳から聞こえる音は、日中に仕事中に聞こえることもあれば、夜寝る前に布団に入ってから聞こえることもあり、法則性もなく突如として耳鳴りが発症した。次第に右耳だけ飛行機に乗ったときのような閉塞感が気になるようになった。

耳鼻科に行って聴力検査も含めて一通り検査をしてもらったが、数値上それほど異常は見られず、ストレスの可能性が高いので休んでくださいと言われた。自分では今の仕事や家庭内には何もストレスはなく、楽しんで生活していると伝えると、それなら過労の可能性があるのでどちらにしても休んでくださいと言われた。

同時期ころから睡眠の質が明らかに悪くなった。寝入りに時間が掛かるようになり、酷いときは2~3時間眠れないこともあった。日によってはすぐに眠れるが、そういうときは決まって寝てから2時間ほどで目を覚ましてしまうようになった。

睡眠薬は頼りたくなかったので漢方を飲んでみたが、耳鳴りや睡眠の質には何も効果がなかった。ある日、左胸に軽い痛みを感じた。心臓付近で怖かったので、仕事を早退して病院へ行くと、心臓には何も問題がなかったが、頻脈性不整脈が少しありますねと言われた。

それ以来、定期的に動悸や息苦しさを感じるようになった。また、睡眠の質が悪かった日は寝不足からかめまいがするようになった。仕事で車を運転することもあるので、仕事にも支障をきたすようになってしまった。

上司に相談すると、この先生凄そうな人だぞとYoutubeで塩川満章先生の動画を紹介してもらった。たしかに凄そうな先生だったが、調べてみると場所が東京の銀座だったので、何回も通えないなと思っていた。

すると上司が熱心に調べてくれて、塩川先生のお弟子さんが藤沢駅前でやっているようだと教えてくれた。職場からも近いし、上司も少しくらい早退するのは構わないから体調のことを一番に考えろと後押ししてくれた。

子供の頃から腸が弱く、便秘と下痢を繰り返すなど決して体調が良い人生ではなかった。大人になっても治っていなかったため、これまで整体も受けたことがないから、これを機にカイロプラクティックで全身をメンテナンスしてもらおうと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市辻堂から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜の強い浮腫感

  • 02

    第一頸椎右横突起の強い浮腫感

  • 03

    右後頭部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また正中仙骨稜と第一頸椎右横突起に強い浮腫が確認され、右後頭部は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週1回のケアを開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、そういえば最近はめまいが出なくなったと本人も忘れているほどだった。またカイロプラクティックケアを始めてから、動悸や息苦しさのようなものを感じる回数が明らかに減った。

5週目(5回目のアジャストメント)には、動悸や息苦しさはまったく感じなくなり、病院でも不整脈は安定していると言われた。また睡眠の質が少し良くなったと感じるようになり、めまいはまったく出なくなった。

8週目(8回目のアジャストメント)には、右耳にも変化が出てきて耳鳴りや閉塞感を感じる回数が明らかに減ってきた。またお腹の調子がすごく良いと感じ、ほとんど便秘にも下痢にもならずに快便が続くようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げられるほど安定してきたが、本人の強い希望により週1回のケアを継続した。

14週目(14回目のアジャストメント)には、右耳の耳鳴りや閉塞感はすっかり感じなくなり、睡眠の質も完全に元に戻った。動悸、息苦しさ、めまいもまったく出なくなり、この段階でケアのペースを2週間に一度に広げた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の耳鳴りから始まったさまざまな症状は、自律神経の乱れが最大の原因であったと考えられる。

耳鳴りとは、脳が聞こえなくなった音を拾おうとして、音の受信感度を最大限高めた結果として不要な音まで拾ってしまう状態となる。人間は音を拾うとき、「外耳→中耳→内耳→脳」へと伝わるが、この内耳から脳へと伝わる過程で情報を電気信号に変換して『音』として認識している。

検査では上部頸椎に顕著な強い反応が見られたが、脳と耳を繋ぐ神経は上部頸椎と密接な関係がある。めまい、耳鳴り、閉塞感などはすべて上部頸椎のサブラクセーションによるものだと思われる。

心臓に器質的な異常がない頻脈性不整脈、動悸、息苦しさは、左の迷走神経の可能性が高い。左迷走神経は心臓や腸と密接な関係があり、そこにサブラクセーションがあることで不整脈、動悸、便秘、下痢などの問題となってしまうケースが多くみられる。

検査では正中仙骨稜にも強い反応がみられたが、上部頸椎や仙骨部はどちらも副交感神経支配の部位となる。副交感神経にサブラクセーション(根本原因)あることで、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスを乱した結果、不眠症なども発症していたと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、自律神経のバランスが整った結果、耳鳴りだけではなくさまざまな症状の改善に繋がったと考えられる。

上部頸椎の問題だとしても、そこがどのような変位でどのように神経圧迫を起こしているかを特定する検査力が何よりも重要となってくる。神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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