反り腰(腰痛、猫背、背中の張り感、姿勢が悪い、生理痛、前月経前症候群(PMS))

反り腰(腰痛、猫背、背中の張り感、姿勢が悪い、生理痛、前月経前症候群(PMS))

反り腰が気にならなくなったら背中の張り感もいつの間にか感じなくなった!

20代女性
来院に至った経緯
中学生くらいから腰が反っていることに気づいていたが、高校生になり電車通学になってから立ちっぱなしの姿勢だと、どんどん反り腰になっていくことに気づいた頃には腰痛をハッキリと感じるようになった。

高校生くらいから生理痛がきつくなり、初日や2日目には痛み止めを飲んでも動けなくなるほどの腹痛があった。また、その頃から前月経前症候群(PMS)が酷くなり、生理前には腰痛がきつくなったり、イライラしたり、頭痛がしたりするようになった。

大学生になると背中の張り感を感じるようになり、友達からは「姿勢が悪いからじゃない」と言われるようになり、近所の整体院にいくようになった。そこは姿勢矯正専門の整体院で、その先生からは「猫背が原因ですね」と言われ、普段から背筋を伸ばすように指導された。

社会人になって事務職の仕事についたが、一日中座りっぱなしの日もあれば、倉庫で重たい物を移動させる日もあった。残業も多くてデスクワークだけだと思ったら、重労働もあり、体中に負担がかかっているのが自分でも分かった。

元々あった腰痛や背中の張り感は日に日に酷くなり、整体院や針治療院に行く機会が増えていったが、症状は治まるどころか酷くなっていく一方だった。仕事が合っていないのかなと思ったこともあったが、学生時代からある症状が酷くなっただけなので、何か自分の体に異常があるのかもしれないと病院で検査を受けた。

整形外科ではレントゲンやMRI検査をしたが異常なしと診断された。内科でも臓器には何も問題ないと言われ、脳神経外科ではCTやMRI検査をしたが脳は異常なしだと言われた。どこに行っても異常なしや普段の姿勢が悪いと言われることに疲れてしまい、仕事も休みがちになった。

そんなときにYoutubeで塩川満章先生という人の動画を見た。全国にお弟子さんがたくさんいるようだったので調べてみると、すぐ近くに当院があることを知り「Youtubeで見た塩川満章先生のお弟子さんなら大丈夫だ!」と思って、来院された。

【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左後頭部の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。

体表温度検査では、骨盤部に明らかに左右の温度の誤差があり、上部頸椎にも温度の誤差が確認された。

レントゲン評価では、椎間板の段階はまったく正常値だったが、骨盤の傾きが確認されたため、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、背中の張り感が楽に感じるようになってきた。通勤電車の中での反り腰になってしまうことは以前としてあり、反り腰からの腰痛は感じていた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、背中の張り感は仕事中に重たい物を持ったとき以外は感じなくなった。腰痛も感じる頻度が減ってきて、特に通勤電車の中で立ちっぱなしの姿勢が辛かったが、それが感じなくなった。またこの段階でケアのペースを2週間に1度のペースに広げることができた。

9週目(7回目のアジャストメント)には、生理前になると腰痛や頭痛など感じていたものが、まったく感じなくなった。

13週目(9回目のアジャストメント)には、生理痛は痛み止めに頼らなくてもほとんど感じなくなった。この頃には、反り腰もあまり気にならなくなり、反り腰からの腰痛も背中の張り感もまったく感じなくなった。

現在は、自分自身の姿勢を見直すために、ケアのペースを4週間に広げてカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の反り腰の原因は、骨盤部の傾きからの補正作用であったと考えられる。腰部は通常、前弯カーブ(前カーブ)がついているのが理想とされている。骨盤部が後ろに傾いてロックしてしまうと、前後のバランスを保つために腰部の前弯カーブ(前カーブ)が増大してしまう。

逆に骨盤部が前に傾いてロックしてしまうと、前後のバランスを保つために腰部の前弯カーブ(前カーブ)が減少してしまう。これは人間の機能面の話で補正作用であるため、構造上の問題とはまったく別である。

背中の張り感は、整体院では猫背が原因と言われたとのことだったが、レントゲン評価では背中の後弯カーブ(後ろカーブ)は完全に消失している状態だった。この場合は、ほとんどのケースでカーブが消失している下のレベル(今回の場合は骨盤部)から引っ張られている状態であり、本来ある背中の後弯カーブ(後ろカーブ)が消失してしまっている状態だった。

今回は反り腰による腰痛や背中の張り感以外に、生理痛や前月経前症候群(PMS)などの婦人科系の問題もあった。骨盤部の乱れは背骨全体の配列を乱してしまうが、特に上部腰椎や骨盤部など卵巣に繋がる神経機能に異常をきたすと女性ホルモンのバランスを乱してしまう。

女性ホルモンに代表されるエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが正しく分泌されないと、脳は体内のホルモンバランスを維持するためにプロスタグランジンというホルモンを分泌してしまう。

このプロゲステロンには痛みを誘発させる働きがあるため、プロゲステロンが不必要に分泌されると生理痛などの直接的な原因となってしまう。では、なぜプロゲステロンが過剰に分泌されてしまうのかというと、自律神経のバランスが大きく関係している。

今回は骨盤部と上部頸椎というどちらも副交感神経支配に問題があり、自然と交感神経が優位に働く状態となっていた。この状態が続くと脳は副交感神経のスイッチを入れようとするが、そのときに同時にプロスタグランジンを分泌してしまう。

また女性ホルモンの乱れは、前月経前症候群(PMS)などの婦人科系の問題を誘発させる原因にもなってしまう。骨盤部と上部頸椎にサブラクセーションがあることで、自律神経のバランスが乱れ、その結果女性ホルモンのバランスを乱して生理痛や前月経前症候群(PMS)となっていたのだろう。

主訴として、反り腰からの腰痛や猫背からの背中の張り感を訴えていたが、骨格などの構造面に囚われるのではなく、問題となっている神経機能などの機能面をしっかりと定めたことが症状の改善に繋がったと考えられる。

アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)を取り除き、体の情報を脳へ届けて神経機能を回復させることが、何よりも重要なことだと確認できる症例である。

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティック治療室に内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティック治療室で学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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